河道屋銀華 先斗町本店
京都で最初の蕎麦屋と言えば「河道屋(かわみちや)」。江戸時代から続く老舗として、現在では蕎麦を使った焼き菓子「蕎麦ほうる」の「総本家 河道屋」と、生そばを提供する「晦庵 河道屋」が有名です。そして永く続く老舗だけはあり、分家も存在します。1902年、河道屋の次女が店で修行をしていた職人を婿養子として暖簾分けされたのが「河道屋銀華(かわみちやぎんか)」です。
現在は三代目が「先斗町本店」の暖簾を守っておられます。管理人は「晦庵 河道屋」よりも「河道屋銀華 先斗町本店」によく訪れるのですが、それは深夜0時まで営業されているから。飲んだ〆に蕎麦をすする人、ホステスのおねえさんを連れて蕎麦をすする人、飲み屋と勘違いして蕎麦をすすりながら飲む人など、先斗町(ぽんとちょう)という京都でも有数の歓楽街にあるお店ならではの風情があります。
本日10月16日は少し仕事が長引き、京阪「三条駅」に着いたのが23:30。歩くと少し蒸す今日のような気候の日は、冷たい蕎麦に限ります。三条通を西へ100mほど行き、木屋町通を300mほど歩いて細い路地を東へ入ると「河道屋銀華」の看板。場所柄、外国人観光客もよく訪問すると見え、看板には「JAPANESE NOODLE RESTAURANT」の英語表記があり、店頭のメニューも英訳されています。では早速、このインターナショナルな老舗蕎麦店に入りましょう。
閉店前にも関わらず、お客さんで賑わっています。カウンター5〜6席、4名掛けボックス席が3席と決して広い店ではありません。カウンター席に座りメニューを見ますが、管理人がこのお店で注文するのは「親子丼」¥1,250か「山かけ蕎麦(冷)」¥1,350と決めています。本日は冷たい蕎麦が目当ての訪問ですので、当然「山かけ蕎麦(冷)」を注文。一般の蕎麦店と比べ少しお高めに感じられるのは「河道屋という屋号」「先斗町という立地」「深夜営業」のトリプルチャージ であると推察されます。

「河道屋」を冠するにふさわしい、気品のあるビジュアルです。こちらの山芋は丹波産だそうで、職人さんが丁寧にすっておられました。おそらく二八蕎麦(蕎麦8:ツナギの小麦粉2)なのでしょう、角が立った細麺です。青のりとワサビ、うずら卵が乗っています。最下層には関東風の濃いめのツユがあり、この塩っぱさが山芋ととても良く合う一品。ツルツルと喉越しのいい蕎麦と、ねっとりなめらかな舌触りの大地の風味あふれる山芋、蕎麦と山芋を受け止めるツユの絶妙な味わいです。また、時期は過ぎてしまいましたが、京都名物「にしんそば」を冷たくした「冷やしにしんそば」¥1,250も濃いめのツユがよく合うおいしさですので、暑い季節にはぜひお試しください。
京都蕎麦の発祥の味を受け継ぐ、由緒ある蕎麦店です。観光や飲む機会で先斗町を行かれる方も多いのではないでしょうか。思った以上に気軽なお店ですので、蕎麦や丼を夜遅くに味わいたいときは、迷わず「河道屋銀華」をめざして木屋町を歩いてみてください。昼の京都とは異なる夜の京都 を楽しめるかも知れませんよ。
[2018年10月16日訪問]
= 河道屋銀華 先斗町本店 =
●住所…京都市中京区下樵木町192-3
●TEL…075-231-7523
●定休日…水曜日
●備考…店内喫煙可
●ホームページ…https://www.ginka.biz/wordpress/
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