生そば 常磐
京都では100年を超えて初めて“老舗(しにせ)”と呼ばれる、と友達の京都人(自営業)が言ってました。それだけ古いお店が多く、特に戦後生まれのお店を老舗と呼ぶのは抵抗があるそうです。同じ京都人でも管理人は創業100年を超えていないお店を老舗と呼ぶことに違和感は持ちませんが、自分の年齢より下(創業45年以下)のお店を老舗と呼ばれるのは、さすがに“それは違う!”と感じています。老舗を人に例えるとおじいちゃんでしょう。体力や記憶力、集中力はおじいちゃん並でも、気持ちだけは常に10代 ですから。
そんな老舗論議も意味を成さない、1878年(明治11年)創業 のお店へランチを食べに行ってきました。実に140年の歴史を持つ老舗「生そば 常磐(ときわ)」です。本日11月11日は日曜日、本来なら人で賑わう繁華街には絶対に行かないのですが、どうしても河原町三条で用事があったため、いやいや向かいました。用事を済ませて時計を見ると14時を既に回っています。人・ヒト・ひとでごった返す河原町三条から「三条名店街商店街」を歩きながら昼食のお店を探しますが、どこも満員。有名店は行列が当たり前。寺町通は多少すいているかも…と淡い期待を胸に「京都 寺町京極商店街」、そして「寺町専門店会商店街」と歩き進めるも状況は変わりません。
そんなとき「寺町専門店会商店街」で「矢田地蔵尊」を見かけ、写真でパチリ。
その北隣にある年季の入ったお店が「生そば 常磐」で、前から中をのぞいてみると空席を発見!しかも表のサンプルを見ると管理人の大好きな焼鮭の定食があるようです。
これはお地蔵様のお導きに違いない、と勝手にお地蔵様のせいにして 早速入店しました。
懐かしい店内です。管理人は中高生の頃、洋服を買いにこの付近を頻繁にうろついていました。当時、「京都 寺町京極商店街」はまだ人通りがあったものの、「寺町専門店会商店街」はシャッター通り商店街のように寂れていて、活気あふれる現在の様相に驚きを禁じえません。「生そば 常磐」にはその頃、2、3度食事に行ったでしょうか。こちらは「生そば」の看板があり、そば・うどんが中心なものの、おでん定食もあればビフカツ定食もある、さすがは老舗だけあって柔軟なメニュー構成。当時は洋食の定食を食べていた記憶があります。今回は日々おじいちゃん化が進行していることもあり、焼鮭を食べられる「和風定食」¥750を注文してみました。
焼鮭、だし巻き、金時豆の煮豆、湯豆腐、キンピラゴボウに味付け海苔とふりかけ、刻みたくあん、赤だし、ご飯のセットです。まずは赤だし。焼き麩とワカメの赤だしは塩っぱくない優しい味わいです。湯豆腐も鰹の削り節がアクセントとなった心温まるおいしさ。だし巻きはダシがしっかりと効いた贅沢な味で、日本酒のツマミにもなりそうな出来栄え。塩鮭は甘塩で、香ばしく焼かれ、キンピラゴボウとともにご飯が進みます。旅館の朝食のような、気持ちがゆったりとやわらぐ老舗の味をじっくりと堪能することができました。
前日に飲み過ぎ・食べ過ぎた方にも最適な和定食です。ランチタイムを避ければ比較的入店しやすいお店ですので、観光がてらに寄ってみてはいかがでしょうか。京都はこれからもっと寒くなりますから、温かいそばやうどん、おでんなどで暖を取るにもオススメのお店ですよ。
[2018年11月11日訪問]
= 生そば 常磐 =
●住所…京都市中京区天性寺前町523-1
●TEL…075-231-4517
●定休日…水曜日
●備考…店内喫煙可
●ホームページ…http://www.geocities.jp/masamasa1974/tokiwa.html
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