絶品の焼鳥などを酒蔵で楽しめる鶏料理店

和食編
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鳥せい本店

京都市伏見区は日本酒の一大産地として伊丹よりも歴史が古く、現代でも「月桂冠」や「黄桜」、「宝酒造」などの大手酒造メーカーが本社や工場を置いています。古くは平安時代から栄え、安土桃山時代には治世の中心となったほか、幕末には鳥羽・伏見の戦いの舞台となるなど、歴史を色濃く残す街としても有名です。そして現在、伏見区は京都市や大阪市のベッドタウンとして京都市の区の中では最大の人口を擁するまでに発展しました。

古くから発達した日本酒文化と明治以降に培われた食肉文化、特に鶏肉文化が広がったのは、京都市の中でも伏見区ならではの特徴ではないでしょうか。その食文化が形となり1966年の創業以来、多くのお客さんで連日満員なのが「鳥せい本店(とりせい ほんてん)」です。大型店舗形態である鶏料理の「鳥せい」を本店と大阪・京橋に2店舗、焼鳥屋の「鳥せゑ」を京都市内に2店舗、そして「鉄板串焼き 咲蔵」を京都市伏見区に展開しています。2月3日は久しぶりに焼鳥を食べたくなったため、「鳥せい本店」へ伺いました。

酒造メーカー「山本本家」が製造・販売する清酒「神聖」の酒蔵の一部を改装した店舗です。管理人は20年以上前にこの近辺が仕事場だったため、昼も夜も頻繁に利用していました。しかし最近はめっきりご無沙汰で、数年ぶりの訪問です。ちなみにこの建物の隣(鳥せい本店の駐車場側)には、伏見の名水を自由に汲んだり飲んだりできるポンプがあり、本日も多くの方がポリタンクに水を汲んでいました。時刻は11:40、店頭に行列はできていないので安心です。とりあえず店頭のメニューをご覧ください。

ランチ限定メニューはもちろん、昼夜を問わず一品メニューも注文できます。早速、店内へ入ってみましょう。

甘かったわ〜

それにつけても待合所の人の多さよ。昼に来たのは20数年ぶりですが、こんなには混雑していませんでした。こういう状況の場合、管理人は本来ならすぐ店を出て違う店へ移動するのですが、今回はどうしても焼鳥を食べたかったので待ちました。待っている間、同じく待っているお客さんが頻繁に水を飲まれています。

店舗隣りにあるポンプと同様、待っている間も伏見の名水を飲めます…が、待合所のお客さんが多いとウォーターサーバーがなかなか空きません。別に無理をしてここで水を飲まなくても、着席した瞬間に伏見の名水が運ばれますので飲めなくても大丈夫。そして何より、料理と一緒に日本酒やビールを飲む予定の方は、この水を飲まないでください。確実に日本酒やビールがまずくなりますから。管理人もノンアルコールビールを飲む予定でしたので、グッと我慢しました。20分程度待ったでしょうか、店員さんから「どうぞ〜」と呼ばれてカウンター席へ誘導されます。

お一人様から団体客まで収容できる席数250席のかなり広い店内です。グループや家族連れ、カップルなどの2名組、そしてお一人様も多く見受けられます。カウンター席も充実していますので、夜の一人飲みが可能なのも高ポイント。では、改めてメニューを見てみましょう。

ランチメニューはほぼ¥1,000以内でいただけるリーズナブルな価格です。しかし滅多に来ないこともあり、今回は少し奮発して「酒蔵弁当(さかぐらべんとう)」¥2,190、プラス¥100でみそ汁から粕汁に変更して注文してみました。

さすが¥2,000オーバーの特製弁当です。ゆかりご飯と粕汁のほか、揚げ物として鶏唐揚・鶏竜田揚げ・コーンクリームコロッケ、一品としてスペイン風オムレツ・キュウリと鰹節の煮浸し・冷奴・柴漬け鴨ロース焼鳥(4本)の超豪華な陣容となっています。まずは神聖の酒粕を使っていると思われる「粕汁」を一口いただきましょう。

大根や人参などの根菜類と鶏肉の粕汁は、酒粕の香りと風味が口の中に広がります。そして一口だけにもかかわらず体がポカポカと温まる、まさに冬のご馳走と言っても過言ではないでしょう。テーブルに置かれた七味唐辛子をかけていただくと、よりおいしく味わえます。ノンアルコールビールで喉を洗い、次は鴨ロースを食べてみましょう。

ロゼカラーの鴨ロースにカラシ醤油につけて食べると、鴨独特の野趣あふれる味わいが楽しめます。鶏肉とは違ったコシのある鴨肉の食感と脂の旨さは間違いのない一品です。これはもうご飯でもビールでもなく、日本酒でしょう。管理人がまだお酒を嗜んでいた頃なら、絶対に神聖の「蔵出し生原酒」¥430を注文していました。そしてお待ちかねの焼鳥に手を伸ばします。

心ぞう(ハツ)・すき身(セセリ)・とりねぎ(ネギマ)・ミンチ(つくね)の4本のうち、まずはとりねぎ(ネギマ)から。香ばしく焼かれた鶏とネギ、そして味わい深いタレのおいしさが絶妙です。七味唐辛子を軽くかけていただくと、鶏とネギの味がよりはっきりと味わえます。とにかく鶏肉の品質が素晴らしく、臭みなどは一切ないジューシーなおいしさだけが口の中に残る焼鳥です。今回食べた4本はどれも文句ナシだったのですが、あえて1番を挙げるとすればすき身(セセリ)でしょうか。鶏の首肉、ネックとも呼ばれる部位で、くりから焼き仕様に香ばしく焼き上げられた弾力のある身肉は絶品と言える必食のおいしさでした。

焼鳥自体は京都でも他の都道府県でも居酒屋などで頻繁に食べることができます。どこで食べてもそこそこおいしいので、あまりごだわる必要はないのかも知れません。しかし本当においしい焼鳥を提供するお店は、管理人の感想ではそんなに多くないと思います。もし焼鳥がお好きな方なら、歴史に彩られた伏見の地で「鳥せい本店」の焼鳥をぜひお試しください。そして飲酒可能な方は、料理の味がわかる程度に神聖」の蔵出し清酒各種で心地よく酔われてみてはいかがでしょうか。

[2019年2月3日訪問]

鳥せい本店
●住所…京都市伏見区上油掛町186
●TEL…075-622-5533
●定休日…月曜日(祝日・12月は営業)および年末年始(12/31〜1/3)
●備考…店内禁煙
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