すし善
3月21日は春分の日。午前中は小雨模様だったものの昼前から雨があがったこともあり、墓参りに出かけました。“暑さ寒さも彼岸まで”の言葉どおり春の訪れを感じさせる暖かな気温となり、ダウンのロングコートもしばらくはお役御免となりそうです。墓参りの最中、ず〜っと考えていたのは“握り寿司が食べたい”ということ。バチあたりな子孫でゴメンナサイ。でもご先祖の皆さま方の血を引いているのだから許してね、と勝手に承諾を得て手頃な寿司店を思い浮かべます。ただでさえ混み合っているのに祝日でもあることから回転寿司はパス。高級店とは縁がまったくないので、必然的に街のお寿司屋さんとなります。そこで今回は、先日REPORTした「炉端・鮨 螢」の近くにある「すし善(すしぜん)」へと向かいました。
烏丸三条の交差点を西へ300mほどのところにある街の寿司店です。この辺りの寿司店としてはリーズナブルな価格で、職人さんが握る本格的な握り寿司などをいただくことができます。平日のランチタイムはビジネスマンで常に混雑していて、夜も昼と変わらない値段で食べられる人気店。祝日のランチタイムは逆に混んでいないかも知れない、と淡い期待を胸に店内へ入ってみます。
やっぱり混雑していました。ただ、幸いカウンターが2席だけ空いていましたので、すんなりと入店することができました。カウンター5席と奥の4名座敷が2組の、知らない方からは高級店に見えるお店です。ではメニューを確認してみましょう。まずはランチメニューです。
ランチの定番メニューは2種類あるちらし寿司の「ちらし」¥1,250と「穴子ちらし」¥1,500。見た目にも鮮やかで、菜の花畑のような春を感じさせるちらし寿司です。たっぷりの錦糸玉子の下からたくさんの寿司ネタがびっくり箱のように敷き詰められている人気メニューですので、初めての方はまずはこちらからお試しください。参考までにグランドメニューもどうぞ。
回転寿司とほとんど変わらない価格ですね。“回らない寿司は高い”という固定概念を覆すお店が、烏丸三条という街ナカにあるのも驚きではないでしょうか。しかもベテランの寿司職人が握る本物の味わいです。今回は握り寿司が食べたかったこともあり、「にぎり」¥1,500を注文しました。
肖像権の問題からお顔は加工していますが、大将が握る所作の何と美しいことよ。背筋はピッと伸び、凛とした姿はとてもシニアには見えません。管理人も一応は広告制作職人の端くれですので、この姿勢だけでも見習わなければいけないな、と感じました。最近では長時間椅子に座っていると腰がだるくなり、つい寝そべりながら原稿を書いていたりするので改めようと思います。さぁ、お待ちかねの「にぎり」の到着です。
盛り込みも美しい一皿で、目でも満足させてくれます。煮タコ、煮穴子、ヒラメ、エビ、イカ、タイ、玉子、マグロの全8貫。握り寿司の古典ネタが勢揃いという正統派の握り寿司です。サーモンを置いていないのも昔ながらの寿司店という感じで安心できます。こちらの握り寿司は、ぶ厚めに切られた寿司ネタと小さめのシャリが特徴。ほのかな甘さと酸味のシャリが、ぶ厚い寿司ネタの旨さを引き出しています。煮穴子の濃厚な味わい、旬のヒラメのおいしさ、上質な菓子のような上品な玉子など、どの寿司を食べても満足できるプロの握り寿司を堪能することができました。
寿司店にお一人様で入るのは勇気がいるかも知れませんが、こちらのお店なら大丈夫。昼でも夜でもお一人様で愉しまれているお客さんが結構多いと思います。烏丸三条という便利な立地にありますので、観光や商用で京都へ来られた際には、ぜひお手頃価格で本格的な寿司を味わえる「すし善」まで足をお運びください。
[2019年3月21日訪問]
すし善
●住所…京都府京都市中京区衣棚町38
●TEL…075-221-3848
●定休日…土曜日
●備考…店内禁煙
●ホームページ…なし
※詳細は食べログ「すし善」で検索してください。
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