名門ホテル仕込みの腕を手軽にいただける洋食店

洋食編
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キッチンなかお

メディアにはあまり露出していないものの、常に地元の人で賑わっているお店は確実においしい料理をいただけます。昔ならタクシーの運転手さんに尋ねると、地元民だけに愛されている隠れた名店を教えてくれたものでした。しかし現在は駐禁の取り締まりが厳しくなり運転手さんが食事できる飲食店が限られていたり、京都に詳しくない方の運転が増え、あまりアテになりません。管理人が当ブログを始めたキッカケも、京都の隠れた名店を少しでも多くの方にお伝えしたいという思いからです。1日4名ぐらいにしか見られていないブログであったとしてもな。そこで今回は、そんな地元民に愛されている隠れ気味の洋食店をREPORTします。

白川通今出川の交差点を南へ500mほど行った琵琶湖疎水沿いにある老舗洋食店「キッチンなかお」。立地的には哲学の道銀閣寺平安神宮などが近い観光スポットですが、少しわかりにくい住宅街にあるため観光客の利用は少なめです。しかし地元の方は頻繁に利用されていて、常に賑わっている街の洋食店。といってもご主人の経歴はタダモノではありません。先日まで天皇であられた明仁上皇陛下と上皇后陛下をはじめ、ヘレン・ケラージョン・ウェインなどの有名人も宿泊された名門・琵琶湖ホテルで料理人としてのキャリアを積み、1964年の東京オリンピックでは選手村の食堂で腕をふるわれ、1978年(昭和53年)に「キッチンなかお」を開業。食べログGoogleでは22時まで営業と記載されていますが、だいたい21時には営業を終了されていることが多いようです。時刻は20時、早速店内へ入ってみましょう。

テーブル席は当然のように満席でした。地元の方でしょうか、グループや家族連れで賑わっています。幸いカウンター席にはお一人様が2名座られているだけで空いていましたので、すんなり着席できました。小さなお子さんも笑顔で食事を楽しめるアットホームな雰囲気が街の洋食店らしく好感がもてます。ではメニューを確認してみましょう。

手頃な値段で本格的な洋食をいただける穴場な洋食店です。帆立貝フェアーを実施されているようで、海鮮料理にも定評があります。しかしこちらのスペシャリテと言えば「牛肉の生姜焼き(サラダ付)」¥850でしょう。今でこそ“生姜焼き”と聞けば“豚肉”が主流ですが、いにしえの洋食店では牛肉。洋食料理の中でもかなり古典的な料理で、現在ではあまり見かけなくなりました。衰退した理由はよくわからないものの、豚肉を使った方が低価格で提供できるため、定食店や食堂などで“豚の生姜焼き”が普及したのではないか?そして首都圏を含む関東で養豚が盛んになり、“豚の生姜焼き”が全国に広がった結果、“牛肉の生姜焼き”の需要が減ったのではないか?など、理由はいくつか考えられそうです。しかしもちろん“牛肉の生姜焼き”がマズい訳ではありません。むしろ牛肉文化の関西であれば、もっと浸透してもよさそうなおいしさです。初めて訪問される方には、ぜひこちらの「牛肉の生姜焼き」を味わっていただきたいと考え、海老フライ・牛肉生姜焼き・チキンから揚げ・カニコロッケがワンプレートに盛り込まれた「バラエティーセット(コーンスープ、ご飯、サラダ、香の物付)」¥1,350を注文してみました。

まずは「コーンスープ」が運ばれてきます。一口すするとまろやかでなめらかながらコーンの味わいが口の中に広がるポタージュです。レトルトやインスタントのコーンスープもおいしいのですが、こちらのコーンスープは明らかに別次元のおいしさ。管理人は狂信的な手作り信者ではありませんが、やはり手作りは雑味のない純粋なおいしさを味わえます。家庭であればレトルトやインスタントを上手に活用するべきでしょうし、お店であっても必要になる場合もあるでしょう。しかし「コーンスープ」のようなシンプルな料理は、手作りの良さが味に表れやすいのではないでしょうか。

いよいよ「バラエティーセット」が到着しました。撮影し忘れた「香の物」は、柴漬けとキュウリの浅漬けです。中サイズのエビが2本の「海老フライ」はカラリと揚がっていて、タルタルソースとの相性も抜群のおいしさ。「チキンから揚げ」はチキンナゲットやフライドチキンのような味わいに意表を突かれ、やはりノンアルコールビールを頼むべきだったか…と後悔してしまいました。「カニコロッケ」は中にカニがたっぷり入ったクリームコロッケで、カニ好きなら絶対注文すべき一品。付け合わせのケチャップスパもミートソーススパゲティのような濃厚なおいしさで、細かいところまで丁寧に作られていると改めて感心しました。では、「牛肉生姜焼き」をいただきましょう。

薄切り牛肉の旨味にショウガ醤油の風味とタマネギの甘みがバランスのいい塩梅となった、スペシャリテと呼ぶにふさわしい逸品。少し濃いめの味付けで京都人が大好きな山椒がアクセントとなっていて、ご飯のオカズとしても最強レベルの仕上がりとなっています。牛肉の旨味がしっかりと感じられる、豚の生姜焼きとは異なるおいしさです。噛むほどに牛肉の旨味と甘塩っぱいタレの味が口いっぱいに広がる、焼肉ともすき焼きとも違う牛肉の味わいを実感することができました。

名門ホテル仕込みの料理を気取らずリーズナブルな価格で楽しめる街の洋食店です。京都観光なら近くまで来られることも多いかと思いますので、疎水沿いを散策がてらに歩きながら立ち寄られてみてはいかがでしょうか。ランチであればさらにお得なセットメニューも用意されていますので、京都洋食の実力を手軽にご賞味ください。

[2019年6月8日訪問]

キッチンなかお
●住所…京都市左京区浄土寺下南田町40-2
●TEL…075-761-8863
●定休日…不定休
●備考…店内禁煙
●ホームページ…なし
※詳細は食べログ「キッチンなかお」で検索してください。

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