中国の方が経営する昔ながらの大衆中華店

中華編
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味香園

皆さんは“中華丼”はお好きでしょうか。中華丼とはドンブリメシに八宝菜をぶっかけた、大衆中華店ではお馴染みの丼メニュー。中華丼、略して中丼(チュードン)をこよなく愛する方もいらっしゃいます。管理人は愛好家ではなく、年に1回食べるか食べないか程度です。たまにランチで職場近くの中華店に伺った際、“今日の日替わりは中華丼ヨ〜”と店員さんに声をかけられ、特に食べたいものがない時に注文するぐらいの、特別好きな訳ではないメニュー。八宝菜定食なら4〜5番手ぐらいには好きなのですが、中華丼や天津飯はほとんど食べません。理由は簡単、“八宝菜やカニ玉を丼にする意味ある?”という素朴な疑問があるから。中華丼も天津飯もボンヤリとした味で、ご飯に合ってるかと問われるとちょっと返答に困ってしまい、“ウフフ”と笑ってごまかすしかありません。ただ、野菜を欲している時は八宝菜が食べたくなり、勢いで中華丼を注文することもあります。今回はウッカリ中華丼を食べてしまったREPORTをお届けいたしましょう。

今出川通東大路通の交差点(百万遍)を東へ200mほど行ったところにある中国東北料理&四川料理店「味香園(みかえん)」。もともとは中国の方が営まれていた中華料理店「宏鑫(こうしん)」でしたが、2018年(平成30年)6月に閉業。一方、祇園の巽橋近くにあった「味香苑 羊肉串 3号店」がいつの間にか「味香園」として営業されていて、2018年(平成30年)7月にこちらへ移転されました。ちなみに「味香苑」は1号店2号店とも神戸市にあり、京都の3号店(=味香園)とよく似たメニュー構成です。中国東北料理と四川料理という、中国大陸のほぼ北端と南端の料理が同居している珍しい中華料理店。地理的に中国東北料理と四川料理の間には北京料理、上海料理、広東料理といったメジャーの中華料理があるにも関わらず、全部すっ飛ばしている不思議なお店と言えるでしょう。京都大学農学部が近いこともあり、学生に人気のお店です。管理人も夜にお店の前をよく通るのですが、京大生と思われる若者グループが吸い込まれるように入店しているのを何度も目撃しています。時刻は21:30、まずは店頭のメニューを拝見してみましょう。

あっ!!! 火曜日がお得だと初めて気づきました!しかし今宵は残念ながら月曜日、つまり1日早く来てしまったことになります。料理30品が半額って…無茶しやがって。こちらも中国の方が経営されているのですが、日本人の店では考えられないお得具合です。一瞬、“明日、出直そう”と考えたものの、このお得なサービスはおそらく学生向け。アラフィフのオッサンが喜び勇んで出直すのもどうか、と思い直します。こういうのは偶然を装ってならありがたく享受しますが、狙いすますのはちょっと恥ずかしい。後ろ髪をひかれる思いで出直すことなく夕食を済まそうと、改めて店頭のメニューを確認します。

なぜか普段なら食指が動かない「海鮮中華丼(春巻、スープ、漬物)」¥750が気になってしまいました。おそらく“海鮮”と“春巻”に管理人の食欲スイッチが反応したようです。しかし…こちらのお店は祇園時代、中国人経営者あるあるのお店らしく大量のメニューが用意されていたハズ。にも関わらず、この4品のみが推しメニューということ?と考えながら、とりあえず店内へ入ります。

お客さんは女子学生風のお一人様だけ。やはり新型コロナウイルスの影響でしょうか…と思っていたら、京大生4人組がドカドカと入ってきて少し安心しました。そうです、思い出しました。こちらの名物は「特製 串焼きラム(羊肉串)」¥150です。中国東北地方(旧満州)やモンゴルでよく食べられる料理で、これは絶対に食べなければイケマセン。そしてドリンクのショーケースに目を向けると…

写真ではわかりにくいのですが、写真中央に水槽があり、数匹の鯉が泳いでいました。もちろん食用です。1匹のまるまると太った鯉が管理人をジーッと見つめ“食べないでね♡”とつぶらな瞳でアピールしてきます。大丈夫、お一人様の訪問で鯉料理は注文しません。最近の中華料理店ではまず見かけなくなりましたが、管理人が子どもの頃、中華料理店で最も高額で贅沢な料理は「鯉の甘酢あんかけ」などの鯉料理でした。当時は中華料理のスター的な存在であり、高級店でしか提供されないスペシャルな料理。お一人様でムシャムシャ食べるものではなく、宴会用の料理です。と、鯉を油断安心させたところで改めてメニューを確認してみます。

やっぱり中国人のお店あるあるの膨大のメニュー数でした。しかも店頭ののぼりにあった「台湾牛肉麺」が確認できません。そして肝心の鯉料理も見当たらない始末。チッ。鯉はおそらく、お店の方に好みの料理をオーダーして調理していただくスタイルなのでしょう。そんな訳であまりのメニューの多さにメンドクサクなり、まずは「特製 串焼きラム(羊肉串)」を注文してみたのですが…“あぁ、ナイナイ”と中国人の店員さんから清々しいほど当たり前に拒否されました。あまりに当然のように断られたので思わず納得し、「海鮮中華丼(春巻、スープ、漬物)」と一品料理から「烧茄子(揚げナスの炒め)」¥850を注文。よく考えれば名物の「特製 串焼きラム(羊肉串)」はナイは、鯉料理はナイはとさんざんですが、大陸らしいおおらかさのせいか不思議と許せてしまいますね。

「海鮮中華丼(春巻、スープ、漬物)」が到着。エビやイカ、ベビーホタテなどの海鮮にたっぷりの野菜、そして八宝菜には欠かせないうずら卵といった陣容です。一般的な八宝菜には豚コマが入っているところですが、「海鮮中華丼」ですので豚コマの代わりに海鮮多めといったところでしょうか。一口食べると、これはもう大衆中華の王道の八宝菜。醤油ベースの甘ダレ風の餡かけが昔ながらのなつかしさすら感じる味わいです。中国の方が調理されているため、もう少しクセのある味なのかと思っていたものの、日本人好みのやさしいおいしさと言えるでしょう。そして八宝菜部分を食べてすぐに気づいたのですが、ご飯がもの凄い量なんです。さすが京都大学近くのお店だけあって、学生も大満足なボリューム感となっています。ただ、正直に告白すると…管理人はミニ春巻2本と漬物(キムチ)の力を借りたものの、ご飯を持て余してしまいました。若い頃なら余裕だったと思うのですが、ご飯が半分近く残ってしまい、途方にくれ水槽の鯉をガン見しながら打開策を検討します。

「烧茄子(揚げナスの炒め)」がテーブルの上に置かれました。心強い援軍です。こちらは四川料理のお店でもあるので激辛のハズ。と思いきや、餡かけの色が赤ではなく茶色です。とは言え、このぷっくりとした茄子であれば、どのような味付けであったとしても、ご飯に絶対合うに違いありません。では期待を込めていただきましょう。

うっま!ちっとも激辛ではありませんが、ちょうどいい塩梅の醤油とオイスターソースが絶妙な味わいです。そして隠し味程度の辛味もいい仕事をしています。ピーマンの苦味がアクセントになっていて、思わずノンアルコールビールを注文しそうになるおいしさ。もちろん丼鉢に残ったご飯をどうにかしないといけなかったため、今回はご飯のオカズとしていただきます。肉類はほぼ使われていませんが、ナスの旨味と餡かけのコクでしっかりと完食することができました。

こちらは中国東北料理および四川料理のお店ではあるものの、日本人が好む大衆中華の味もしっかりとマスターされています。学生に人気なのもうなずける王道大衆中華の味わいとボリューム。しかも夜は23:30までの営業で遅めの夕食にも対応できるたけでなく、本格的な中国東北料理や四川料理も用意されていて、舌の肥えたグルメなアダルトでも十分に満足できるでしょう。百万遍近辺で中華を食べたいとなれば京都のチャイナタウン・元田中の中華料理店をめざすのが常道でしたが、一度こちらの味も試してみられてはいかがでしょうか。

[2020年3月2日訪問]

味香園
●住所…京都市左京区田中門前町102(Google マップ
●TEL…075-722-1727
●定休日…年中無休
●備考…禁煙(?)
●ホームページ…なし
※詳しくは食べログ「中国東北料理 味香園」で検索してください。

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