旬菜あだち
今年2020年(令和2年)も春を迎えることができました。新型コロナウイルスの影響で例年どおりとはいきませんが、京都市内の各地でも桜が咲き、鴨川の河川敷などでは数は少ないものの花見に興じる方も見受けられます。温かい日が続いたかと思えば、真冬なみの気温となる花冷えの日もあり、不安定な気温により体調を崩しやすい時期。体調管理をしっかりとして春を愉しんでいただければと思います。春の恵みと言えば山菜や春野菜、そして魚などの魚介類です。冬の脂が乗った魚もおいしいのですが、春の爽やかな味わいの魚も季節を感じさせます。そこで今回は旬の味にこだわった和食店をREPORTしました。
河原町通と丸太町通の交差点(河原町丸太町)を北へ200mほど行ったところにある和食店「旬菜あだち(しゅんさい あだち)」。河原町通と荒神口通の交差点(荒神口)からでも南へ200mほどと近く、有名な飲食店が立ち並ぶ穴場的なエリアです。河原町丸太町から1kmほど南へ行くと河原町三条ですっかり繁華街となりますが、荒神口エリアは落ち着いた雰囲気で大人の街といった様相。京都御所や護浄院(清荒神)などの観光スポットも豊富で、ゆったりと京都散策をされたい方にはピッタリな場所ではないでしょうか。時刻は13:30、まずは店頭のメニューを確認してみましょう。
ランチは¥1,000前後のセットメニューが中心となります。旬の食材を使った和食の数々に定評があり、価格面でも昼・夜ともリーズナブル。特に夜は飲む人にとってパラダイスのようなお店で、本格的な和食だけでなく、洋食メニューや肉料理などガッツリ系のツマミも豊富に揃っています。また、夜に昼のセットメニュー各種もオーダーでき、お一人様でも利用しやすのではないでしょうか。時刻は13:30、早速店内へ入ってみましょう。
店舗手前はカウンター席で、奥はテーブル席といった店内です。カウンター割烹風の高級感のある雰囲気で、絶対においしい料理が出てくる予感がします。実際、かなりの人気店で、地元の方や近隣のビジネスマンが中心の客層となっていて、メディアへの露出は少ないものの隠れた名店と言えるのではないでしょうか。そして大将の寡黙さがシブ過ぎてシビレます。黙々と料理を作る姿はまさに職人。愛想のいい奥様が接客を担当されていますので、料理人に話しかけたいタイプのメンドクサイ人でなければ安心して入れますよ。それでは念のため季節限定の昼メニューも確認しておきましょう。
「めばるの煮付け」¥1,000や「ワカサギの天ぷら」¥980はまさに春が旬の料理です。どちらも京都ではあまり馴染みのない魚ですが、そもそも京都市内は立地的に新鮮な海産物が手に入らなかったこともあり、流通が発達した現代だから食べられるようになった歴史的な背景があります。メバルやワカサギには気持ちがグラッとはしたものの、やはり生魚が食べたい。そこで今回は少し奮発して、ご飯・味噌汁・小鉢2種が付く昼のセットメニューから「造り」¥1,800を注文してみました。刺身定食ばかりREPORTして申し訳ございません。
ほら、間違いのない刺身定食でしょ?小鉢はポテトサラダ、キュウリとキズシ(シメサバ)の酢の物で、これはもう日本酒で決まりですね。飲めない管理人でも満足できる味わいです。ポテトサラダはタマネギ多めですがキチンと水でさらされているため、生のタマネギが持つイヤな風味は一切感じません。サッパリとしたポテトサラダで前菜としても最適。酢の物もキズシの味わいと爽やかなキュウリ、酢の味が心地いいおいしさとなっています。味噌汁は普通の豆腐とワカメの味噌汁かと思いきや、小さい魚の身が入っていて、寿司店のようなコクのある味わいです。とにかく一品一品の工夫がプロの技だなぁ〜と改めて感じました。では、いよいよ「造り」をいただきましょう。
ビンチョウマグロ(ビントロ)、サーモン、甘海老、サヨリ、カレイ、牛のタタキと豪華6点の刺身盛りです。まずはカレイから。ネットリとした爽やかな甘みは春の味わいです。半透明の身は新鮮な証拠。白身魚の旨味を存分に味わうことができ、鼻孔に抜ける香りも春の息吹を感じさせます。日本人好みの繊細な味わいを存分に堪能することができました。
ビンチョウマグロはスーパーでもお馴染みの手頃なトロですが、こちらのは臭みなどをまったく感じられず、さすがお店の味わいです。脂の濃厚なコクと甘みはご飯にもよく合います。食べごたえも十分で、カツオの腹身などと比べても遜色のないおいしさ。ビンチョウマグロも侮ることはできない、と改めて感じました。
そして牛のタタキです。この味わいには誰もが満足できるでしょう。おそらくは牛モモ肉だとは思いますが、赤身の濃厚な旨味を純粋に味わえる逸品です。ワサビ醤油との相性も抜群で、贅沢なおいしさを味わうことができました。
ご飯は雑穀米、漬物は野沢菜と柴漬と、手抜かりのない定食です。¥1,800でもまったく高いとは思わない、丁寧に調理された料理の数々をいただくことができました。観光で京都御所などに立ち寄った際には、少し足を伸ばして荒神口方面まで散策されてみてはいかがでしょうか。こちらのような和食店だけでなく、カフェや西洋料理などの人気店もありますので、落ち着いておいしい料理を味わいたい方にはオススメのエリアです。
[2020年3月28日訪問]
旬菜あだち
●住所…京都市上京区上生洲町247(Google マップ)
●TEL…075-256-0011
●定休日…火曜日
●備考…禁煙
●ホームページ…なし
※詳しくは食べログ「旬菜 あだち」で検索してください。
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