こだわりまくった洋食も見逃せない和食店

洋食編
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京都 食らう

どんな仕事でも職業によって多少の差はあれど、10年もやっていればたいていの場合、上手にはなります。名人や達人の域にはなかなか辿り着きませんが、プロとして何とかやっていけるレベルになるハズです。管理人は広告の原稿作りを始めて20年以上ですので、さすがに本業ではそうそうヘタは打ちません。でも…広告原稿に近いと思われているのでしょう、たま〜に「標語」や「川柳」などの制作依頼が来てしまい、汗びっしょりになってしまいます。もちろんコピーライターの中には「標語」や「川柳」どころか、「エッセイ」や「小説」まで難なく書いてしまう人もいて、“才能の違い”を実感することも少なくありません。いわゆる“センス”が優れているのでしょう、とても同業者とは思えず嫉妬していまいます。料理店でも和食店なのに中華も凄いレベルだったり、さまざまなジャンルの料理を提供していてすべておいしいとか、そういうお店がありますね。これはもう料理人のセンスです。例えば和食の修行をして和食店を開業したら、和食しか提供しません。自宅で家族や親しい人に洋食や中華を振る舞うことはあったとしても、商品としてお客さんに提供するのはかなりの勇気が必要なのではないでしょうか。しかし、センスのいい料理人は何を作らせても一流。そんなことを考えずにはいられないお店が「京都 食らう(きょうと くらう)」です。

北山通堀川通の交差点(堀川北山)を西へ300mほど行き、大宮通を北へ100mほど行ったところにある和食店です。店頭には「鯖寿し」や「関さば塩焼き定食」、「マグロ漬け丼」などのPOPが貼られているとおり、和食店です。大切なことなので2回書きました。新築戸建て住宅風の外観で、開業されたのは2018年(平成30年)と新しいお店ながら、料理人歴30数年というベテランのオーナーシェフのお店ということもあり、期待が高まります。時刻は13:10、早速店内へ入ってみましょう。

手前は小上がりに座敷があり、グループでの利用にも便利です。奥はカウンター席が並ぶカウンター割烹のような雰囲気で、清潔感のある店内は好印象。オトナのひとり飲みなどにもいいでしょう。こういうところでひとり飲みできるオトナになりたいと常々思ってはいるものの、よく考えれば管理人はお酒が飲めないので一生無理そう。“自家製の塩辛と熱燗で一杯”なんて憧れますね。そう、オトナのひとり飲みに食べ過ぎは似合いません。“熱燗と…塩辛、厚揚げ、オデン、鶏唐、ポテサラ、牛スジ煮込み、マカロニグラタン、アジフライ、鶏唐、ロコモコ丼…ん〜とりあえず以上で!”とかアホほど注文する人はカッコよくありません。しかも鶏唐を2回も注文してるし。オデンまでがギリ許容範囲ですので、アホほど注文する人はご注意ください。ではメニューを確認してみましょう。

洋食やんけ!と思われたましたか?そう、こちらは和食店でありながら、ランチメニューは洋食メインという不思議なお店なのです。夜は正統な和食店、と思いきや、和食も洋食も提供されています。こちらの大将はもともと洋食の料理人だったそうで、居酒屋などさまざまな飲食店で修行を積まれたそうです。「鯖寿し」を提供するお店がハンバーグなどの洋食も出している、というかなりカオスな状況。ただ、腕に自信がなければできないことでもあります。ならば、しっかりと味わう必要があるため、今回は和牛ハンバーグ・カニクリームコロッケ・特大海老フライをチョイスした「食らう らんち(ご飯・汁物・おつけもの付)」¥1,800を注文してみました。

「食らう らんち(ご飯・汁物・おつけもの付)」が到着。もう絶対においしいヤツです。食べなくてもわかります。もちろん食べますけど。大ぶりな海老フライ2尾も目をひきますが、個人的に管理人が気になったのは味噌汁ではなく澄まし汁だったこと。洋食店の定食で澄まし汁が出てきたことは、まず記憶にありません。定番の赤だしでもガッツリスタイルの豚汁でもなく澄まし汁。具はワカメと豆腐というシンプルさで、ひとくちすすると…ダシの効いた和食店の味わいです。塩加減もちょうどよく、このあたりにもセンスを感じます。“洋定食には赤だし”と思い込んでいましたが、澄まし汁も悪くないと、考えを改めました。

まずは特大海老フライにタルタルソースをたっぷりとつけていただきます。もう「うまい」としか表現のしようがありません。濃厚な甘みの大きな海老がカラリと揚がっていて、油くささを感じることもなく、旨味だけを純粋に楽しめる逸品です。簡単なように見せかけて意外に難しい海老フライ。カールのような海老フライは論外(家庭ならアリ)として、揚げ加減によってはせっかくの海老の味わいが台無しになります。こちらの特大海老フライはさすがの揚げ加減で、自家製タルタルソースも申し分のないおいしさでした。

そして和牛ハンバーグ。この断面ににじむ大量の肉汁がおいしい証拠です。絶妙な焼き加減で牛肉本来の旨みも存分に味わえます。しかも凄いのが自家製のデミグラスソース。一流洋食店に匹敵する味わいで、丁寧に作られていることがわかります。和食店の仕事ではありません。濃厚なコクと旨みにあふれるハンバーグはぜひ食べていただきたい、と思います。

カニクリームコロッケも申し分のないクオリティです。なめらかでバターの風味が香るベシャメルにカニ肉の旨みがしっかりとわかる本格派の味わいとなっています。このカニクリームコロッケに限らず、特大海老フライにせよ和牛ハンバーグにせよ、確かな素材のおいしさがわかります。“ホントに¥1,800??”と思わずにはいられない上質な味を堪能することができました。

何を食べても間違いのないお店でしょう。当然、料理人歴30数年という豊富な経験値もあるでしょうが、やはりもともと備えておられるセンスを感じざるを得ません。食材をはじめ、調理法などにもこだわられている確かな味を、リーズナブルな価格でいただける貴重なお店です。洋食・和食を問わずオススメですので、ランチやディナーでぜひご利用ください。

[2020年5月2日訪問]

京都 食らう
●住所…京都市北区紫竹上緑町1-2(Google マップ
●TEL…075-406-1544
●定休日…日曜日および第2・4月曜日
●備考…禁煙
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