綱道
当ブログでは管理人の個人的な趣味もあって冷やし中華を推しています。決してデカ盛り店推しではありませんのでご注意ください。もともと(体型的にも)暑がりな管理人がラーメンにはあまり興味がなく、また、冷やし中華を専門としているサイトも少なかったため始めたのがキッカケなのですが、実は夏に最もよく食べているのは冷やし中華ではなく冷たい蕎麦。勤務先の大阪では夏の昼食はもっぱら蕎麦、たまにサンドウィッチを食べて生きています。ただ、蕎麦専門のブログを作るほど蕎麦に詳しい訳ではなく、しかも蕎麦マニアの知識は尋常ではないレベルでとても太刀打ちできず、どうせならほぼ無人の冷やし中華に狙いを定めたのです。もちろん京都では冷麺と呼ばれる冷やし中華が、各店によって個性豊かな特徴を持っているのがブログ開設の最も大きな理由ではあるのですが。しかし、夏の時期の蕎麦を意図的に避けていたのは事実。そこで今年からは夏でも冷たい蕎麦をREPORTしようと考え直し、ちょっと希少な蕎麦店へ伺いました。
北大路通と烏丸通の交差点(烏丸北大路/北大路駅前)を東へ100mほど行き、路地を北へ50mほど行ったところにある蕎麦・うどん店「綱道(つなみち)」。30年以上は営業されているお店で、近隣の大谷大学の学生や教職員も利用されています。交通の要衝である地下鉄「北大路駅」から徒歩3分程度と便利な立地ながら、メディアなどに採り上げられる機会は多くないようです。味も折り紙付きなのにも関わらず知名度がさほど高くないのは、おそらく営業日が関係しているのかも知れません。昔は平日の3日間、現在は月曜日〜木曜日の4日間が定休日となっていて、ある意味マボロシのお店です。それでも近隣の方からは評判のお店で、“手打ちうどんの店”として隠れた人気店なんだとか。管理人もこちらの手打ちうどんはもちろん知ってはいるものの、個人的な印象を言えば“手打ち蕎麦の店”。京都市内の蕎麦店ではあまり見かけない個性的な蕎麦が食べられるため、伺うとほとんど蕎麦を注文していました。こちらは11時〜20時までの通し営業で、蕎麦ツウが好む“昼下がりにちょっと一杯”も可能です。時刻は14時、昼どきの喧騒は落ち着いているだろうと判断し、まずは店頭のメニューを確認します。
京野菜としても有名な淀大根(聖護院大根)を90%使われている「おろしそば(冷)」¥850にもそそられます。また、うどんの部では「みそ煮込みうんどん(うどん、ではなくこちらでは“うんどん”と表記)」¥850も人気が高いようです。そしてたっぷりの野菜をいただける、ちょっぴり贅沢な「天ざるそば」¥1,250が今回のお目当てです。¥1,250ですから一般的な天ざると比べてもべらぼうに高い訳ではありません。内容の充実度を考えればかなりのお値打ち価格と言えます。お腹も減ってきましたので、早速店に入ってみましょう。
14時でお客さんは少なめですが、やはり“昼下がりにちょっと一杯”の方がいらっしゃいました。この写真の方のようにお一人様で蕎麦屋のツマミをアテにしつつお酒をチビリチビリとやりながら文庫本を読む、というのが正統派のスタイルです。これが文庫本ではなくスポーツ新聞や週刊誌では俗っぽ過ぎますし、かと言って古文書や哲学書では高尚過ぎ。漫画やスマホは論外として、最も収まりがいいのは歴史小説か推理小説の文庫本です。小説の文庫本なら何でもいい、ということでもなく、ホラー小説や官能小説などはやめておかれた方が無難でしょう。万一、他人に小説のタイトルを見られた日には、単なるイタいヨッパライ認定される危険性がありますから。管理人は飲めないので料理を待っている時間はいつものようにスマホで“鬼女速報”などを楽しんでいます。では念のため改めてメニューを確認してみましょう。
座席位置の関係上、一部のメニューのみのご紹介となってしまい、申し訳ございません。蕎麦やうどんだけでなく丼もありますのでご飯好きな方でも大丈夫です。ただ、こちらへ初めて訪問されるなら、やはり蕎麦かうどんがオススメ。特に蕎麦は京都市内では珍しい蕎麦ですので、ご賞味いただきたいと思います。今回は初志貫徹の「天ざるそば」を注文してみました。
幕の内弁当のような塗りの容器に「天ざるそば」が到着。見てください、この天ぷらのボリュームを。そして黒々と輝く太めの蕎麦も見逃せません。こちらの蕎麦は京都市内では珍しい、いわゆる“挽きぐるみ”と呼ばれる蕎麦殻まで挽き込んだ蕎麦で、蕎麦の風味を最大限に楽しむことができる野性的な味わいが魅力です。とにかく蕎麦を食べてみましょう。
風味豊かな挽きぐるみの蕎麦と、蕎麦に負けない濃いめのツユがよく合います。ちょっと太めな蕎麦切りも素晴らしく、蕎麦の味わいを存分に楽しめる逸品です。管理人は黒い蕎麦やギャルが大好物で、白い蕎麦やギャルでは絶対に味わえない素材の味を堪能できます。もっとも、黒いギャルも白いギャルも実際には味わったことがありませんので、ギャルに関してはあくまで妄想での発言であることをご了承ください。黒い蕎麦と白い蕎麦はいくらでも食べていますので大丈夫。更科系と呼ばれる白い蕎麦は雑味が少ないなど当たり前ですが良さはありますので個人の好みの問題ではあるものの、挽きぐるみのわかりやすい味は蕎麦の入門編としてもぴったりだと思います。
次に天ぷらをいただきましょう。オーストラリア産の天然エビ2尾に、レンコン、サツマイモ、タマネギ、カボチャ、ニンジン、シシトウと豪華な陣容です。野菜はカボチャが夏期はニュージーランド産なのを除き、すべて国内産。素材の味が確かなのは言うに及ばず、コロモが特徴的なのもこちらの天ぷらの魅力です。一般的な天ぷら粉ではなく、おそらくは何か別の粉をブレンドされていると感じるのですが、ザラザラとした食感がクセになります。この個性的なコロモが濃いめの蕎麦ツユとベストマッチ。他の蕎麦店や天ぷら店にはない味を堪能することができました。金曜日・土曜日・日曜日だけの営業ですが、少しムリをしてでも味わう価値があるお店です。週末に地下鉄「北大路駅」界隈まで来られた際には、ぜひこの個性あふれる蕎麦や天ぷら、うどんなどを味わってみられてはいかがでしょうか。
[2020年5月31日訪問]
綱道
●住所…京都市北区小山北上総町39-2(Google マップ)
●TEL…075-492-7860
●定休日…月曜日・火曜日・水曜日・木曜日
●備考…禁煙
●ホームページ…なし
※詳細は食べログ「綱道」で検索してください。
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