京都中華発祥店の直系として愛される中華店

2020冷やし中華
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京の中華 ハマムラ
近鉄名店街みやこみち店

京都の中華を語る上で欠かせないのが京都で最初に中華料理店を開業した「ハマムラ」です。当初は1924年(大正13年)に「支那料理店 ハマムラ 縄手本店」として開店されたものの、1947年(昭和22年)に閉店。その後、さまざまな場所で「広東料理 ハマムラ」や「ラーメンハマムラ」を出店されていたそうです。管理人のような京都市民にとって「ハマムラ」と言えば河原町三条を南へ行ったところにあった「ハマムラ 河原町店」が印象に残っておられる方も多いと思います。「ハマムラ 河原町店」は「支那料理店 ハマムラ 縄手本店」の創業者の実弟が開業されたお店で、現在は以前REPORTした「京都中華 ハマムラ」が後継店として営業中。そして「支那料理店 ハマムラ 縄手本店」のもう1つの直系店舗が「京の中華 ハマムラ 近鉄名店街みやこみち店」と「京の中華 ハマムラ イオンモールKYOTO店」の2店舗となっています。この2店舗を経営しているのがハマムラ株式会社で、現在の社長は管理人の小学校時代の同級生。クラスが違っていたため、話す機会はほとんどなかったのですが、今にして思えばもっと仲良くなっていればよかった。子どもの頃から人を見る目がまったくなかったことを、今さらながら悔やんでいます。さて、「京の中華 ハマムラ」の特徴と言えば、創業時の「ハマムラ」とは異なり、麺やご飯物などカジュアル路線を歩まれている点でしょうか。「イオンモールKYOTO店」では一品料理なども提供されているものの、「近鉄名店街みやこみち店」は麺やご飯物に特化されたメニュー構成です。京都駅八条口構内の「近鉄名店街 みやこみち」内にある立地上、駅ナカで簡単に食事を取りたい観光客やビジネスパーソンに狙いを絞られた戦略なのでしょう。「近鉄名店街みやこみち店」と「イオンモールKYOTO店」は徒歩数分で行き来ができる近さであり、どちらのお店も「冷麺(冷やし中華)」は同じ商品であったため、今回は「近鉄名店街みやこみち店」を訪問してみました。

ナルホド、店頭の看板を見て外国人観光客をも意識したお店なのだと感じます。今やラーメンは訪日外国人が一度は食べる料理であり、キラーコンテンツとなっているのでしょう。京都観光の玄関口である京都駅八条口で最初に食べられる日本料理(?)として、ラーメンをチョイスする外国人も多いように思いました。そしてお目当ての「冷麺」¥950も販売中。「ハマムラ」の初代料理長・高華吉氏の系譜に連なる中華料理店では、冷やし中華を提供されているお店が少ない印象ではあるものの、かつての「ハマムラ 河原町店」や高華吉氏自らが手がけられていた「飛雲」などでは提供されていたとかすかに記憶しています。時刻は13:45、早速店内へ入ってみましょう。

カウンター席がメインで4名テーブル席は1組という、ファストフードスタイルです。カウンター席では多くのお客さんが食事をされていましたので撮影できませんでした。清潔感のある店内は観光や商用で京都に来られた方でも入りやすい雰囲気です。カウンター席メインというのも遠慮することなく、老若男女を問わず利用しやすいのではないでしょうか。旅の途中に軽食を取るにはピッタリだと感じました。それでは改めてメニューを確認してみましょう。

ほぼ麺もしくはご飯物をいただくための、本当にファストフード的に使えるお店です。各種のラーメンや担担麺がラインナップされている中、やはり「ハマムラ」の名を冠するお店だけあって「からしそば」¥980も用意されています。「ハマムラ」の初代料理長である高華吉氏のスペシャリテであり、京都中華を代表する麺メニューは、こちらのシンボルと言っても過言ではありません。ただ、今回は「冷麺」です。と、言いたいところですが、ランチで「冷麺」だけはちょっと物足りない感じがしないでもありません。そこでいつものようにご飯物のセットメニューの中からプラス¥280の「ハーフ肉どんぶり」も注文してみましょう。あれほど禁止している“麺+飯”、ランチなら食後にまだまだ体を動かしますのでご容赦ください。

「冷麺」と「ハーフ肉どんぶり」のセットが到着しました。目にも鮮やかな「冷麺」です。こちらの「冷麺」にはキュウリが入っていません。緑の野菜は京野菜の1種である壬生菜(みぶな)です。水菜と似ていますが葉に丸みがあるため水菜とは区別され、「丸葉水菜」と呼ばれることも。このあたりも京都らしさが演出されていてニクいですね。そこに具としてトマト、エビ、蒸し鶏、たっぷりのロースハム、そしてゆで卵、と見せかけて業務用のロングエッグ。一般にはまず販売されていない卵の加工食品ではあるものの、飲食店やコンビニのお弁当やお惣菜などに幅広く使われていて、皆さんも意識はしていなくても食べたことはあると思います。ただ、個人的にゆで卵にはやはり京都の地鶏卵を使っていただきたい。他の飲食店であればそんな細かいところまでは気にならないのですが、京都中華の発祥である「ハマムラ」の直系店であればこそ壬生菜と同様、地産地消を進めていただきたいと願っています。では麺からいただきましょう。

麺は京都の冷やし中華の王道である細めの中華麺がキリリと冷やされています。スープもこれまた王道の酢醤油ベースで酸味控えめ、甘み多めの誰からも親しまれる味わい。そこにロースハムのコクと旨味が加わって、お子さんでも食べやすい冷やし中華となっています。エビのプリプリ感もいいアクセント。壬生菜やトマトの爽やかさもプラスされ、総合的にはハイレベルな冷やし中華と言えるのではないでしょうか。

「ハーフ肉どんぶり」も絶品です。管理人は牛丼チェーンの牛丼はあまり得意ではなく、理由は甘さが強すぎてご飯に合わないと感じるからです。しかしこちらの「ハーフ肉どんぶり」は醤油味がしっかりと効いていて牛肉の旨味とタマネギのほのかな甘みを巧く引き出されていることに加え、汁が少なめなのも高ポイント。汁が多いと味に締まりがなくなるような気がします。もはや中華料理ですらありませんが、日本人なら愛してやまない牛丼ではないでしょうか。他都道府県や海外から京都駅に来られた際には京都駅八条口の「近鉄名店街 みやこみち」まで足を伸ばしてみてください。手軽かつリーズナブルに京都ならではのカジュアル中華を楽しめますよ。

[2020年6月28日訪問]

京の中華 ハマムラ 近鉄名店街みやこみち店
●住所…京都市下京区東塩小路釜殿町31-1(Google マップ
●TEL…075-672-1010
●定休日…年中無休
●備考①…「冷麺」は夏季限定
●備考②…禁煙
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