明記大陸食堂
京都の中華料理と言えば京都中華の父とも呼ばれる高華吉氏によって広まった、ニンニクなどをなるべく使わず、ダシと素材の味で旨味を生み出す薄味仕立てが知られています。しかし、本来の中華料理は、もっとハッキリとわかる味付けが一般的。中華料理の種類が多岐に渡る本場であっても、一概には言えないものの京都中華のような味付けは本場はもとより日本でも珍しいと思います。そんな背景もあってか、おそらく濃ゆい味への憧れから京都で誕生し、全国区へ展開したのが「餃子の王将」です。いわゆる大衆中華や町中華のハッキリとしたわかりやすい味をリーズナブルな価格で素早く提供するスタイルを確立し、チェーン店化に成功しました。そして、そのハッキリとした味をさらに追求すると、男どもが歓喜する超濃ゆい味、管理人が勝手に命名している「漢(オトコ)飯」となる訳です。“漢字の漢と書いてオトコと読む”のは戦国時代の歴史大作であり国民的少年漫画でもある「花の慶次 −雲のかなたに−」で皆さん習いましたね?特に男性にとっては日本史の教科書以上に大切な漢(オトコ)の作法を学べる良書ですので、もし読んだことがない方はぜひご一読ください。ただし、史実が描かれているとは限らないため、受験勉強には役に立たないかも知れませんが。そんな「漢(オトコ)飯」、2018年(平成30年)9月に「中国料理 御旅飯店」でREPORTしました。あれから約2年。管理人もショボいながら漢(オトコ)の端くれとして、再び「漢(オトコ)飯」をREPORTしたい。そこで今回は、このご時世に深夜0時まで営業されている気合が入りまくった中華料理店をREPORTしてみました。

東大路通(東山通)と七条通の交差点(東山七条)を南へ350mほど行ったところにある中華料理店「明記大陸食堂(みんきたいりくしょくどう)」。新熊野神社(いまくまのじんじゃ)や智積院などの寺社仏閣が多くエリアでありながら、お客さんはほぼ地元の方か常連さんという大衆中華店らしいお店です。しかも、あくまで管理人調べですが、お客さんの8割は男性、ではなく漢(オトコ)。前の週のREPORTでグルメな女性読者を増やそうと考えたものの、すでに女性が好きそうな飲食店のストックが切れてしまい、情緒不安定になって漢(オトコ)らしいお店を選んでしまいました。上記の外観写真は2018年(平成30年)10月に訪問した際のもので、しばらくしてREPORTをアップロードしていないことに気づき、冷やし中華の季節に再訪しようと思っていて、今回ようやく訪問できた次第です。要約するとアップロードし忘れていた訳です。これから掲載する写真は2018年版と2020年(令和2年版)が混在していますが、どうせそんなに変わっていませんので多分、大丈夫。時刻は21:10、早速店内へ入ってみましょう。

テーブル席とカウンター席があり、かなり広い店内です。こちらはいつ訪問しても賑やかで混雑しています。前回も今回も、お客さんはほとんど漢(オトコ)。わずかに女性のお客さんもいらっしゃいますが、さすがに女性のお一人様は見たことがありません。地元の方や常連さんに愛されている雰囲気で、何より活気があります。夜は飲まれている方が多く、中華で1杯にもピッタリではないでしょうか。ではメニューを確認してみましょう。


テーブル席に備え付けてある夜用?のセットメニューです。こちらは2018年9月に撮影したもので、現在はひょっとしたら価格が変わっているかも知れません。この時は2名テーブル席に案内され、この中から選ぶ感じでした。次に今回撮影したグランドメニューをどうぞ。



こちらで人気なのは「餃子」¥300で、どのお客さんも必ず注文され、ビールなどと楽しまれています。こちらにはノンアルコールビールなどと言った漢(オトコ)らしくない飲み物は置かれていません。ソフトドリンクは「コカコーラ」もしくは「オレンジジュース」(共に¥300)という潔さ。むしろソフトドリンクが用意されていることに感謝しないといけません。まずは前回も今回も注文した「餃子」からいただきましょう。

大きめの餃子が6個。焼き色もしっかりとついています。皮は薄皮で、特徴的なのが餡。とにかく濃ゆい餡で“京都中華?焼き餃子はこうじゃい!!”という思想が感じられそうな餡。ニラとニンニクどっさり、オイスターソースのような醤油ベースの濃厚な味わいはビールでもいいでしょうし、個人的にはライスのお供に最適と言えるでしょう。この味は“漢(オトコ)飯”の真髄です。人間の本能を刺激する、生半可な気持ちで向き合ってはいけない「餃子」だと断言します。

前回注文したのはスブタ・鶏唐揚げ・玉子焼・ライス・スープが付くセットメニューの最高峰「明記Bセット」¥850です。“ライスとスープだけ??”と思われたかもですが、主役は最後に登場するのが“漢(オトコ)飯”の流儀。しかも主役はワンプレートで、敵?が度肝を抜くスタイルです。

二人前ではありませんよ。漢(オトコ)ならこれぐらい軽くペロリという計算のもとに弾き出された、“漢(オトコ)飯”の最適なボリュームです。こちらはデカ盛り店ではなく、あくまでサービス精神が旺盛なだけの中華料理店ですから、フードファイタークラスの方は、一品料理を追加するとイイでしょう。見ての通り、スブタも鶏唐揚げもしっかいとした味わいで、もうライスが止まりません。きっと漢(オトコ)らしく白メシをワシワシと食べるために開発されたセットメニューだと思いますので、ライスもオカズもグイグイといっちゃってください。

そして今回注文した夏季限定の「冷麺」¥900です。注文時にマヨネーズの有無を確認されますので、必要な方はマヨネーズを付けていただけます。具はキュウリ、レタス、紅生姜、錦糸玉子にチャーシューとロースハムの肉々しいコンビです。しかもこれまたボリュームも素晴らしく、この一見乱雑に見える盛り付けも漢(オトコ)らしさをしっかりと演出されています。それではいよいよ麺をいただきましょう。

最初は気づかなかったのですが、麺の滝ができるほどの中華麺が仕込まれていました。中細の軽くウェイブがかかった大量の麺で、冷やし中華をお腹いっぱいいただけます。スープは酸味控えめ・甘さ強めの正統派。味はもちろん満足できるレベルであり、“漢(オトコ)飯”の誠実さに心を打たれる思いでした。何を食べても濃厚な味に中華らしさを感じられるのではないでしょうか。“今日はガッツリいきたい”、“たまには健康を気にせず思う存分食べたい”なんて日は誰にだってあります。そんな時こそ“漢(オトコ)飯”で、しっかりとお腹を満たしてください。
[2020年7月17日訪問]
明記大陸食堂
●住所…京都市東山区今熊野宝蔵町1-7(Google マップ)
●TEL…075-525-5533
●定休日…火曜日
●備考①…「冷麺」は夏季限定
●備考②…喫煙可(漢なので)
●ホームページ…なし(漢なので)
※詳細は食べログ「明記大陸食堂」で検索してください。
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