鶏の味わいと旨味の真髄がわかるラーメン店

2020冷やし中華
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とりそば ささ

先日REPORTした「濃厚京鶏白湯らーめん めんや 美鶴」で触れましたが、京都ラーメンの主流派は鶏白湯(トリパイタン)です。コッテリ濃厚な白濁スープが人気な反面、人によっては少ししつこく感じたり、胸焼けする方もいらっしゃるでしょう。同じ鶏ガラを使っていても、白濁させず黄金色の澄んだ鶏ガラスープを鶏青湯(トリチンタン)と呼びます。鶏青湯は中華料理の代表的なスープであるばかりでなく、実は和食でも使われていて、日本人にとっては鶏白湯以上に馴染みのあるスープです。今回は、そんな鶏青湯のラーメンにこだわられている実力店をREPORTしてみました。

嵐電「常盤駅」の北東にある丸太町通の交差点(常盤)を西へ750mほど行き、南へ250mほど行ったところにある住宅街の一角にあるラーメン店「とりそば ささ」。路地の側のかなりわかりにくい場所にありますので、訪問される方は下記のルートをご参考ください。

【嵐電・常盤駅からの徒歩ルート】
約900m/徒歩11分
【JR・太秦駅からの徒歩ルート】
約850m/徒歩11分

こちらは鎌倉市などで10年以上、ラーメン店を営業されていたお店で、2016年(平成28年)8月にこの地へ移転されてきました。外観はラーメン店というよりは料亭のような上品なおもむき。決して人目につきやすい立地ではないものの、地元の方やインターネットなどでの評判により、人気店として知られています。ひとりで入りにくそうと思いきや、実際にはお一人様での利用も多いので安心です。時刻は13:30、早速店内へ入ってみましょう。

店内もカウンター割烹のような雰囲気です。一品料理も豊富で、昼間からひとり静かにお酒を飲むのにもピッタリのお店。もちろん高級割烹店ではなくラーメン店ですので、リーズナブルに食事もできます。とは言えギャーギャーと騒ぐような感じではないでしょうから、オトナな穴場店とも言えるでしょう。男性ならデートで女性をエスコートすれば喜ばれるのではないでしょうか。イヤラシイ。ではメニューを確認してみましょう。

アレ?冷たい麺があったハズでは??と、少し焦りながら大将に尋ねると“どれでも冷たくできますよ”とのこと。あぁ、ヨカッタ〜と思いつつ、最近ラーメン店で冷たい麺を注文するのは、実はお店側からすればあまり喜ばしくないのでは?と感じ始めていました。ラーメン店にもよるのでしょうが、やはり熱いラーメンを食べてほしい、と本音では思ってらっしゃるお店が多いような気がするからです。メニューとして正式に掲載されているお店であれば、まだ冷たい麺や冷やし中華を遠慮なく注文できるのですが、今回のような裏メニュー的な場合は申し訳ない気持ちになります。管理人も50歳を目前に、弱気な部分が目立ってきました。このまま年齢を重ねるにつれ身体は衰え、気力を奪われ、目の輝きもどんどんと失われていくことでしょう。そういえばここのところ、鏡を見ても黒目がちになっています。しかし、いくら精神的に病んでいるとは言え、このクソ暑いのに熱い食べ物はノーサンキュー。大将すまない、と心の中で謝りつつ、冷たい「とりそば(薄口しょうゆ)」¥800を注文してみました。

冷たい「とりそば(薄口しょうゆ)」が到着。この透明感あふれるスープに気分も洗われるようです。お店同様、上品なビジュアルで古都・鎌倉や京都にふさわしいラーメンではないでしょうか。2種類の鶏チャーシューと青ネギというシンプルな具も好印象。鶏に相当こだわられている感じに期待も高まります。まずはスープからいただきましょう。

旨い。冷たくても鶏の旨味が存分に味わえます。そして鶏だけの旨味ではなく、奥の方からかすかに感じるエビの旨味も上品かつ贅沢な味わいを増幅させています。鶏だけではどうしても単調な味になってしまうからでしょうか、魚介系のスープとのダブルスープは何度か味わったことがあるものの、エビはおそらく初体験。これほどおいしいとは思いませんでした。まさにオトナの味わいといった絶品スープです。

麺はそうめんの如き中華麺で、この淡麗なスープによく合います。京料理を食べていると錯覚しそうになる繊細な味わい。太秦という京都を代表する観光地にふさわしい味。ランチでテキトーに食べるラーメンや飲んだ後の〆に食べるラーメンではない、ご馳走と呼べるラーメンだと感心しました。

2種類の鶏チャーシューも見事な出来栄えです。白い方が鶏ムネ肉で、じんわりと鶏の旨味が口の中に広がります。茶色い方は鶏モモ肉。少し燻製にされているのでしょう、スモーキーな風味と鶏の濃厚な脂の味わいがたまりません。この2種類のチャーシューで最も驚いたのが温度です。人肌よりも少しだけ冷たい、鶏の旨味をギリギリ感じられる温度に仕上げられています。メニューには載っていない冷たい麺ながら、決して手は抜かない大将の技術と心配りにプロの凄さを実感できました。こちらの冷たい麺はおそらく夏季だけなのでしょうが、寒い時期に熱い「とりそば」各種も食べてみたい。そう思わせるラーメンです。太秦近辺に来られた方は、地図必須でこちらまでお立ち寄りいただき、鶏の真髄がわかるラーメンをぜひお試しください。

[2020年8月2日訪問]

とりそば ささ
●住所…京都市右京区太秦乾町14-8(Google マップ
●TEL…075-862-8227
●定休日…月曜日
●備考①…「とりそば(冷)」は夏季限定?
●備考②…禁煙
●ホームページ…ホームページ/facebook/twitter

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