本家 田毎 府庁前店
朝夕はめっきり涼しさを感じるようになり、1日ごとに秋の深まりを実感できます。しかし昼間、特に晴天はまだまだ残暑と言ってもいい気温で、管理人のようなぽっちゃり体型の人は歩くたび、額に汗がにじむ方も多いのではないでしょうか。敬老の日の9月21日、京都府庁の近くで用事があり終わったのが13:40、“サテ、洋食でも”と考えていたものの、歩いている間に暑さを感じ始め、急遽冷たい蕎麦へと方針を変更。幸いこの辺りには老舗の蕎麦店も多く、府庁や京都第二赤十字病院が近いこともあり、飲食店には困らないエリアです。そこで今回は府庁正門の向かいにある老舗蕎麦店へと向かいました。
丸太町通と烏丸通の交差点(烏丸丸太町)を西へ350mほど行き、釜座通を北へ200mほど行ったところにある「本家 田毎 府庁前店(ほんけ たごと ふちょうまえてん)」。1868年(明治元年)に創業、130年の歴史を誇る京都有数の老舗蕎麦店です。現在は「三条寺町 本店」と「府庁前店」の2店舗が営業中。京都府庁周辺エリアがオフィス街でもあるため、休日などは「府庁前店」が穴場となります。両店とも11時〜19:50ラストオーダーの通し営業で、遅めのランチにも対応。時刻は13:50、まずは店頭のメニューを拝見してみましょう。
老舗の蕎麦店らしく、さまざまなメニューが用意されています。セットメニューも豊富で、ビジネスパーソンのランチにもピッタリ。「ねぎ豚せいろ」¥1,250などの変化球な蕎麦も多数あり、期待できます。早速店内へ入ってみましょう。
落ち着いた雰囲気の店内です。通し営業なので早い時間から“蕎麦屋で1杯”も可能。蕎麦店だけあってお一人様でも入りやすいと思います。では改めてメニューを確認してみることに。
多種多彩なメニューこそ老舗店の底力です。こちらは現在、六代目が切り盛りされていて、初代からの伝統を守りつつ新たなメニューを考案されています。今回は久しぶりに伺ったこともあり、「名物 田毎そば(冷)」¥1,300と「天むす」¥250のセットメニューを注文してみました。
「名物 田毎そば(冷)」と「天むす」のセットメニューが到着。大ぶりなホタテが2つと文庫本サイズはありそうな海苔が乗った、名物と呼ぶにふさわしい蕎麦です。この「名物 田毎そば」は温かい蕎麦も楽しめますので、お好みに合わせてお選びください。今回は冷たい蕎麦ですので蕎麦ツユをぶっかけていただきます。
老舗店ではお馴染みの二八蕎麦でしょうか、細めの蕎麦が京都らしさを感じさせますね。濃いめの蕎麦ツユと細い蕎麦の冷たいコンビネーションがたまりません。ツルツルと口の中に入り、スルスルと喉を通る感触が暑い日のご馳走です。レモンの爽やかさも絶妙と言える味わいとなっています。
そしてホタテ。これぞまさに海の幸と言うべきおいしさです。同じ海産物である海苔との相性も抜群。ホタテは貝柱だけでなく、ヒモ(外套膜)や卵(生殖巣)などの部位も楽しめます。ちなみにホタテの仲間は雌雄同体のものが多いそうですが、日本のホタテはオスとメスが分かれているものが多く、オレンジ色の卵(生殖巣)がメス、クリーム色の卵(生殖巣)がオスだそうです。今回の「名物 田毎そば(冷)」にはオス・メス1つずつ入っていたことになります。“もしかして…恋人や夫婦だったかもしれない”と心を痛めつつも親の仇のようにガブリと平らげ、口いっぱいに濃厚な海の恵みを味わえる至福を体感できました。
「天むす」も安定のおいしさです。おにぎりの具に海老天を考えついた人はエライ!と真剣に感動しました。おにぎりの具には無限の可能性を秘めています。コンビニおにぎりの人気上位にツナマヨが常にランクインしているそうで、アラフィフのオッサンにとってはちょっと驚きです。昭和の時代、おにぎりの具と言えば梅干し、鰹節、焼鮭、塩昆布、焼きタラコ(明太子)が定番だったハズなのに。今では豚角煮や牛しぐれ煮が具のおにぎりも販売されていて、そのうち焼きそばやお好み焼きがおにぎりの具になるのかも知れません。まぁ関西地方限定でしょうが。それはともかく、蕎麦もおにぎりにお腹いっぱい老舗の味を楽しむことができました。京都府庁周辺にお立ち寄りの際には、ぜひこちらにも足を運んでいただき、老舗蕎麦店の実力をお試しください。
[2020年9月21日訪問]
本家 田毎 府庁前店
●住所…京都市上京区東裏辻町403-1(Google マップ)
●TEL…075-255-7775
●定休日…年中無休
●備考…禁煙
●ホームページ
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