メントメシ ザコヤ
京都市内は海から遠く、かつてはハモのように生命力が強い魚やサバのように保存技術が確立されている魚などしか食べられませんでした。冷凍や物流の発展とともに、京都市民でも新鮮な魚を気軽に食べられるようになったものの、京都中央市場周辺などの一部を除き、まだまだ海鮮の食文化が盛んとまでは言えない状況です。実際、管理人は1ヵ月以上、金沢市に仕事で生活をしたことがあるのですが、金沢や富山など日本海沿岸エリアの鮮魚は素晴らしいの一言。どこの回転寿司店に入っても、京都市内ではまずお目にかかれない新鮮な魚を味わうことができます。そんな海鮮に弱い京都市で新鮮な魚を売りにして高い評判を得ているのが烏丸六角にある海鮮居酒屋「夢処 漁師めし 雑魚や」です。そして現在、「夢処 漁師めし 雑魚や」を本店格として「雑魚やグループ」を形成、それぞれ海鮮をメインとしながらも別業態の飲食店を京都市内に7店舗展開されるほどの成長を遂げられています。そんな中、1年ほど前まで祇園で営業されていて、今は百万遍へ移転されたのが海鮮系ラーメン「旬華そば」と「夢処 漁師めし 雑魚や」のトレードマークでもある海鮮丼「漁師めし」を提供しているカジュアル店「メントメシ ザコヤ」です。
柳通と川端通の交差点(出町柳駅前)を東へ550mほど行ったところにあるお店です。京阪「出町柳駅」または叡電「出町柳駅」から徒歩7分程度の場所にあります。こちらは以前、「めきめきのビフテキ」が営業されていたところで、数軒西隣には「媽媽菜館 六花」の百万遍店もオープンされていました。この辺りは京都大学のお膝元でもあり、日本の頭脳とも言える京大生がウロウロしている学生街。今宵も京大生らしき学生がほぼ普段どおりにフラフラしていて、コロナ前の日常が戻りつつあると感じました。まずは店頭の看板を確認してみましょう。
こちらでは肉類不使用の魚介系ラーメンが人気の2種類の「旬華そば」¥700がイチオシメニューです。そしてもちろん、「漁師めし」¥1,000も健在。また、訪問した時には6種類の「ミニ丼」¥400も提供されていました。これは店名どおり麺と飯を両方注文させようとする悪魔の誘惑です。もっとも、管理人の100倍は頭脳をフル稼働している京大生にとっては最適なセット。脳を働かせるエネルギーは糖類であり、炭水化物が欠かせないからです。普段から何も考えていない管理人にとっては明らかに過充電ですので、今回は「ミニ丼」はパス。「うな丼」まで¥400!と後ろ髪が引かれる思いではあるものの、学生さんにお譲りしましょう。時刻は21:10、早速店内へ入ってみると…満席!しかしカウンター席が1席だけ空いてましたので着席できました。が、とても店内写真を撮影できそうになかったため諦めます。カウンター10席と、ちょっとよく見えなかったのですが、奥にテーブル席らしきものが1席あったような気がする店内。「めきめきのビフテキ」の居抜き店舗ですのでカウンター席がメインであり、お一人様こそ入りやすい雰囲気です。券売機で食券を購入するスタイルとなっています。
一品メニューやアルコール類もあり、ちょい呑みにも利用できそうです。管理人は「漁師めし」に決めていたものの、大海老2尾が付く「漁師めし(上)」¥1,350に心を奪われ食券を購入。唯一空いていたカウンター席へ着席します。
「漁師めし(上)」が到着。ゴージャス過ぎです。漁師町の食堂の海鮮丼に匹敵するボリューム感は、さすが「雑魚やグループ」です。左の小皿は生シラスにゴマダレ、ワサビで、〆のお茶漬け用の具となります。お店オススメの「漁師めし」の食べ方が記載されていました。
普段は生シラスではなく炙り鯛のようです。お茶漬けのご飯は無料で追加でき、またしても悪魔の囁きが聞こえてきます。が、こちらはほぼ学生のためのお店と言っても過言ではありませんので、アラフィフのオッサンは何とかご飯のおかわりナシでお茶漬けまで到達しようと固く決意しました。
大海老2尾をよけると、ネギトロベースの具材がご飯にたっぷりと乗っています。イクラや細かく刻まれたクラゲなどの海鮮の他、各種香味野菜も入っていて満足度も高めな海鮮丼と言えるでしょう。では、いただきます。
マズい訳ありません。京都市内でこれだけ充実した海鮮丼をいただけるのは価格面でも本当にお得だと断言できます。大海老は有頭海老でエビミソがたっぷりと入っていて、これだけでエビ好きにはたまらない逸品。これは確かに気を許すとお茶漬けのことを忘れてご飯を食べ尽くしてしまうでしょうね。また、飲む人にとっても具材をツマミながら飲める有能過ぎる海鮮丼ではないでしょうか。
どうにかご飯を残すことができたのでダシを入れていただき、お茶漬けへと進められました。生シラスとゴマダレを投入して、絶対おいしいダシ茶漬けをいただきましょう。
生シラスが半生状態になり、ダシとご飯、具材が渾然一体となったおいしさです。これほど贅沢なお茶漬はなかなかお目にかかれません。こんなお茶漬けなら京都人の管理人でも“お茶漬けでもいかがどす?”と勧められた、おかわりまでするでしょう。後で陰口を叩かれてもまったく気にならないほどおいしい。学生はもちろん、舌の肥えたオトナでも十分に満足できる海鮮丼でした。観光や用事などで百万遍近辺にお越しの際には、ぜひこちらの海鮮メニューでお楽しみください。
[2020年10月23日訪問]
メントメシ ザコヤ
●住所…京都市左京区吉田泉殿町1-95(Google マップ)
●TEL…不明
●定休日…不定休
●備考…禁煙
●ホームページ…ホームページ/facebook
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