半世紀以上の歴史をもつ二条城近くの喫茶店

喫茶店・カフェ編
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喫茶チロル

喫茶店のフードメニューでは定番のカレーライス。日本全国どこの喫茶店でも、ほとんどのお店で提供されています。サンドイッチなどの軽食と比べてボリュームもあり、手早く済ませられるカレーライスは、ビジネスパーソンを中心とした忙しい人のランチにもピッタリのメニューです。ただ、喫茶店のメインは基本、あくまでコーヒーや紅茶などのドリンク類であり、カレー自体はレトルトのものも少なくないのは仕方がありません。カレー専門店をはじめ、洋食店の欧風カレーやインド、スリランカ、ネパールなどの南アジア系カレー、タイやベトナムなどの東南アジア系カレーといった本格派カレーだけでなく、近年急速に発展しているスパイスカレーや北海道から広まり始めているスープカレーなどと比べると、喫茶店のカレーライスは味やクオリティの面での満足度が決して高いとは言えない場合もあるように感じます。が、しかし。レトルトではなくこだわりのカレーを手作りされている喫茶店も多く、その多くは欧風カレーをベースとしていて、中には洋食店顔負けレベルのカレーライスを提供している喫茶店もあり、京都市内にも数多く存在します。そこで今回はカレーライスを中心としたメニューで常に人気の、二条城近くの喫茶店をREPORTしてみました。

御池通千本通の交差点(二条駅東口)を東へ440mほど行ったところにある「喫茶チロル」。管理人がこの辺りをウロウロしていた10歳代からすでにあり、少なくとも40年近く営業されているお店だと思っていたのですが、今回訪問した際、たまたまこちらの開業当初から通われているお客さんの会話から50年以上の歴史があると判明。二条城周辺エリアでは知名度が最も高い喫茶店の1軒であり、異様に厳しめの評価でお馴染み食べログ喫茶店百名店2021にも選出されています。こちらは8時〜16時の通し営業で、地元の方や二条城の観光客などで終日ほぼ混み合う人気店です。時刻は14時、まずは店頭のメニューを確認してみましょう。

コロナ禍の影響もあり、テイクアウトにも力を入れられているようです。カレーライスだけでなく、やきめしなどのご飯モノやスパゲティといった軽食も充実しています。50年以上の歴史がある繁盛店であっても、時代に即した柔軟な対応をされているのも人気の秘密なのでしょう。ほぼ50年の歴史を歩んでいる管理人も見習わなければいけません。時代はブログではなくYouTubeですので、ユーチューバーをめざすべきなのでしょうか。手っ取り早く稼ぐなら迷惑系のユーチューバーなんでしょう。“飲食店の全メニューをひとりで注文しながら店員さんにパワハラしてみたw”とか速攻で逮捕されて人生終了が確定してしまいますのでユーチューバーは諦め、これからもしばらくはホソボソとブログを続けます。ブログ継続の決意が固まったところで、店内へ入ってみましょう。

昔ながらの昭和テイストながらモダンな印象の店内です。壁には昔の京都市内のセピア色をした写真が掲出されています。マチナカにある喫茶店としてはかなり広く、ランチタイムをはずせばあまり待つことなく利用できそう。喫茶店ですのでドリンクだけのお客さんも多く、お一人様でも気兼ねなく入れる手軽さも魅力です。メニューについては注文後、すぐに下げられるシステムのため、詳細はホームページのメニューをご覧ください。とりあえず今回注文するカレーライスのメニューのみ撮影できましたので確認してみることに。

「チロル特製カレー」と書かれているように、カレーライスだけでも充実のラインナップでトッピングも豊富です。喫茶店のカレーライスの王様と言えば「カツカレー」¥830で、その上位互換である「厚切りカツカレー」¥900でも¥1,000以内とリーズナブル。普段はコレステロールやカロリー、貧困方面への恐怖からカツカレーはあまりチョイスしないのですが、せっかくですので「厚切りカツカレー」に「目玉焼き」¥80をトッピングして注文してみました。それでも¥1,000以内に収まるのがうれしいですね。

「厚切りカツカレー」with「目玉焼き」が到着。カツカレーを発明した人は国民栄誉賞に匹敵する偉業だと思います。トンカツは通常、トンカツソース、ウスターソース、デミグラスソースといった洋風ソースや、おろしポン酢などの和風ダレとの組み合わせで真価を発揮するのですが、カレーとの相性も抜群。いや、ライスも併せて考えると、総合力でカレーが一番合う、まであります。カツカレーのカレーは欧風カレーがベストで、欧風カレーのトッピングとしてトンカツを超えるものがなさそうなのも重要。個人的にはクリームコロッケならトンカツには及ばないまでも、そこそこのポテンシャルを秘めていると思う反面、トンカツと比較してパンチ不足は明らかです。欧風カレーとトンカツというコラボレーションは、世紀の大発明ではないでしょうか。この料理界の奇跡に感謝しつつ、まずはカレーからいただきましょう。

欧風カレーながら粘度は弱いサラサラ系なものの、牛肉やタマネギなどの香味野菜の旨味がしっかりと凝縮されています。そして適度に心地いいピリ辛具合が最高です。欧風カレーの弱点としてスパイスの貧弱さが常々気にはなっていました。辛さ控えめのビーフシチューのような濃厚な欧風カレーもおいしいのですが、カレーである以上、ある程度のスパイシーさは欲しいところ。多少、食欲がないときでも、カレーの辛みやスパイスで食べるにつれ食欲がわいてくるのもカレーの醍醐味です。特にカツカレーの場合、トンカツに負けない濃厚さとは異なるインパクトのある味が求められます。こちらのカレーライスは辛いものがあまり得意ではない管理人でも、ほど良い辛さが後をひくおいしさだと感じました。

かなりブ厚いトンカツですが、とても柔らかでトンカツ単体としても一級品。スプーンで抵抗感なく切れ、口の中で豚肉がほぐれます。豚肉の旨味が味わい深く、適度な辛みのカレーとの相性も抜群です。さらに目玉焼きの黄身をつぶしてカレーにからめると、黄身のコクでより贅沢な味わいを楽しむことができます。京都市内の喫茶店のカレーライスとしては最高峰レベルのカツカレーを存分に堪能することができました。こちらはカレーライスだけでなく、京都風の厚焼き玉子のサンドイッチやトーストサンドも人気のお店。二条城観光などの際にはこちらでランチやパンメニュー、スパゲティなどの軽食に利用されてみてはいかがでしょうか。もちろん老舗の喫茶店ですので、「ブレンドコーヒー」¥400をはじめとするドリンク類も本物の味わいです。

[2021年12月20日訪問]

喫茶チロル
●住所…京都市中京区門前町539-3(Google マップ
●TEL…075-821-3031
●定休日…日曜日・祝日
●備考…禁煙
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