町中華の枠を超える本格派の人気中華料理店

中華編
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廣東料理 紫藤花

北京2022オリンピック冬季大会」が閉幕しました。さまざまなドラマあり、課題あり、といった大会ではあったものの、参加された選手とそのご家族および関係者の皆さん、本当にお疲れ様でした。特に選手は次の目標やステップに向けて走り出されることでしょう。五輪の余韻に浸る間もないかも知れませんが、イチ応援者としては、まだまだ余韻に浸りたい。そう、今回も中華料理です。ただ、当ブログのREPORTも間もなく700店舗を迎えるにあたり、そろそろ管理人の中華料理店ストックがアヤシクなってきました。もちろん今すぐタマ切れ、とはならないものの、目標である1,000店舗を考えると心もとないのも事実です。そんな折、知り合いから堀川丸太町近くにある中華料理店を教えていただきました。そのお店、何でも昼も夜も人気店だそうで、お昼どきには並ぶのも珍しくないのだとか。できれば避けたい。待つのとオバケとゴキブリが何より苦手な管理人としては、並ばずに食事をしたい。とは言え、新しいお店は開拓したい。そんな葛藤を抱えながらモンモンとしていても始まりませんので、開店直後の11:30に行けばスンナリ入れるのではないか、と伺ってみることにしました。

堀川通丸太町通の交差点(堀川丸太町)を北へ580mほど行き、下長者町通を東へ140mほど行ったところにある中華料理店「廣東料理 紫藤花(かんとんりょうり しとうか)」。2020年(令和2年)10月に開業されたお店で、京都を代表する創作中華料理店の1軒である「一之船入」や京都ブライトンホテル内の中華料理店「花閒」で腕を磨かれた、もの凄い経歴をお持ちのシェフのお店だそうです。…管理人にはハードルが高過ぎるお店なのでは?そもそも開店直後の11:30に伺うつもりが、なぜか11:40ですし、店内の人影もすでに結構多そうで心が折れそう。近くでオニギリでも買って帰ろうかとも思ったのですが、ここまで来て引き下がるワケにはいきません。とりあえず店頭のメニューを確認してみましょう。

“ALL 1,100yen”の文字に少しだけ安堵します。シェフの経歴だけでなく、店構えも高級中華風でビビっていたものの、¥1,100ならリーズナブル。問題は一人で入っても違和感のないお店なのか、どうか。無職のオッサンが一人で食事をしても許していただけるのか、かなり不安です。そもそも店内の人影が結構あって、立っている人もいる模様。立っているのは店員さんであってくれと願いつつ、恐る恐る店内へ入ってみました。

ハイ、満席でした。開店10分後に満席、待っているお客さんがいるという、行列ができるラーメン店にような繁盛ぶりです。清潔感のある店内は1名テーブル席も2組あり、お一人様でも入りやすい雰囲気で、お一人様のお客さんも数名食事をされていました。待っているお客さんも3名グループ1組とお一人様1名だけでしたので、無職のオッサンが一人で食事をしても許していただけそう!と管理人も待つことに。ファミレスのように記帳し、スマホでゴシップ記事だらけのWebサイトを読みながら待つこと30分、なぜか4名テーブル席へと案内されてしまいました。ちなみに管理人の次に待たれていたお一人様は6名テーブル席に案内されていましたので、席があいた順番に案内されるシステムなのでしょう。4名テーブル席でも申し訳ない気持ちでいっぱいなのに、6名テーブル席でなくて本当にヨカッタ。と、謎の安心感を得られたところで改めてメニューを確認してみましょう。

ランチメニューは“ALL 1,100yen”の5種類でアラカルトはメニュー表に載っていません。繁盛店ですので5種類のメニューに絞られているのは効率的と言えるでしょう。夜はアラカルトメニューも存在しているそうですので、コロナ禍が収束すればコッソリ訪問してみようと考えています。「今週のランチ」にも心惹かれるものの、今回は“エビチリ”に決めました。“エビチリ”、正式には「エビのチリソース煮」で日本発祥の中華料理です。日本で四川料理を根付かせた巨匠・陳建民氏が考案された料理。初期の“エビチリ”にはケチャップが入っていなかったそうで、日本人の舌に合うよう工夫を重ねられ、ケチャップを使うようになったとのこと。すでにいくつもの繁盛店を束ねておられていた陳建民氏ですら、飽くなき探究心で料理を向き合っておられたことに驚きを禁じ得ません。管理人ならきっと優秀なお弟子さんやご子息(料理の鉄人で中華の鉄人として活躍された陳建一さん)に任せて悠々自適な生活を送っているでしょう。そんなだから人としてダメなんだと勝手に落ち込みながら、「人気の定番ランチセット」の「エビと玉子のチリソースセット スープ、白飯、点心(3品)、サラダ、杏仁豆腐」を注文してみました。

たっぷりのエビチリに蒸し焼売2種類と蒸し餃子の点心など、ホテル中華を彷彿とさせるビジュアルです。こちらのお店は「京都府中華料理生活衛生同業組合」に加盟されていて加盟店を紹介するガイドブック「京都町中華フェス(PDF版)」にも掲載されています。当ブログでREPORTしたお店も多数掲載されていますが、町中華というよりは高級中華といった印象です。スープ1つとっても、広東料理店らしいやさしさのなかに奥行きのあるおいしさで、とても上品。ガツン!とした濃厚さではなく、滋味深い本格的な味が感じられます。ではメインの「エビと玉子のチリソース」をいただきましょう。

大きめのエビの旨味と甘みが口の中に広がる逸品です。エビの下処理も完璧で、甲殻類特有の臭みなどは一切なく、片栗粉のコーティングも絶妙な塩梅でツルンとした食感が心地いい。ソースも甘さと辛さ、酸味のバランスが素晴らしく、ピリ辛具合も申し分ありません。子どもには少し辛いかも知れませんが、オトナであれば管理人のように辛いのが得意でない人でもおそらく大丈夫ではないでしょうか。今回、エビチリを選んだのは、あくまで個人的な意見としてですが、おいしいエビチリは意外に少ないと感じていたからです。“みんなが大好きなエビチリなのに何を言ってんだ?”と思われるでしょう。そう、確かにほとんどの中華料理店で提供されているだけでなく、コンビニなどでも人気のエビチリではあるものの、エビの味を堪能できるものは少ない…?と日頃から思っていました。エビ本来の味は二の次で、ソースの味しかしない。しかもそのソースも難しく、ビックリするほど甘過ぎたり、逆に舌がバカになるほど辛過ぎたりするものも少なくありません。エビの質もあまり重要視されておらず、エビの天ぷらやエビフライとは比較にならない小エビでごまかしているエビチリが多過ぎです。しかし、しっかりとしたお店で作られている本物のエビチリはとてもおいしい。こちらのエビチリはエビそのものにこだわり、ソースの味加減も絶品で、コクとまろやかさの卵が活きています。このエビチリだけでも、本当にお値打ちな一皿であると実感できました。

3種類の点心も文句のないおいしさです。さすがは点心の本場である“廣東料理”のお店だけのことはあります。これだけ本格的な点心とエビチリにスープとご飯がおかわりOKで¥1,100は感心するしかありません。開店直後から満席になるのもうなずけます。待つだけの甲斐はあるランチセットではないでしょうか。

杏仁豆腐は最近主流のミルクトロトロ系ではなく、プリンのような固さのクラシカル調となっています。個人的にはミルクトロトロ系も好きですが、この固さだと食感も楽しめ、アーモンドの風味も引き立っていると再認識できました。何より、素朴で素直なおいしさです。杏仁豆腐単体で食べると考えれば濃厚さやコクが欲しくなるのですが、料理の後に食べる杏仁豆腐としては口の中がスッキリとしてサッパリできる最高のデザートでしょう。ランチセットながら高級中華のコース料理をいただいているような気持ちになりました。京都市内の中華料理店でも屈指の実力と評価を得られているお店です。中華好きなら間違いなくオススメですので、ぜひこの味をお試しください。予約もできますので、待ちたくない人は予約するのが確実ですよ。

[2022年2月16日訪問]

廣東料理 紫藤花
●住所…京都市上京区亀屋町154(Google マップ
●TEL…075-406-5115
●定休日…月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
●備考…禁煙
●ホームページ…なし
※詳しくは食べログ「紫藤花」でご確認ください。

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