昭和の冷やし中華を味わえる街のうどん・蕎麦店

和食編
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一休庵

皆さんは冷やし中華を最初に食べたときのことを覚えておられますでしょうか。若い人なら“あぁ、子どもの頃に家でお母さんが作ってくれた冷やし中華が最初かなぁ〜”とか簡単に思い出せるでしょうが、40歳を過ぎるともうダメ。人間の記憶を司る脳は古い情報をどんどん奥底へ収納するうえ、加齢により記憶力の容量はじゃんじゃん減るらしいので、“最初に食べた冷やし中華?4日ほど前に近所のラーメン店で食べた冷やし中華かなぁ?”と、かなりテキトーな記憶となっている可能性もあるでしょう。50歳を過ぎた管理人レベルになると最近の記憶より、むしろ少年時代の記憶の方が鮮明に覚えており、ひょっとして超人なのでは?と思うのですが、単に記憶の容量がバグっているだけなのかも知れません。管理人は幼児の頃、最初に食べた冷やし中華はハッキリと覚えています。それは祖母に連れられて向かった近所のうどん・蕎麦店で、そこで初めて冷やし中華なるものの存在を知り、食べてみたのが初体験です。当ブログでは京都市内の冷やし中華をアホほどREPORTしていますが、そのほとんどが中華店かラーメン店ではあるものの、実は特に昭和の時代にはうどん・蕎麦店や定食店・食堂でも当たり前のように冷やし中華が提供されていました。現在でこそほぼ夏季限定商品である冷やし中華を作るのは面倒、といった風潮からか飲食店自体から姿を消しつつありますが、管理人にとってはうどん・蕎麦店の冷やし中華こそ冷やし中華の原体験であり、京都市の冷やし中華紹介ブログでは世界最大級当ブログの管理人として、やはり原点に立ち戻る必要があるのではないか、と考え、昔ながらの街のうどん・蕎麦店を訪問してみました。

北大路通堀川通の交差点(北大路堀川)を西へ270mほど行き、大宮通の交差点(北大路大宮)を南へ360mほど行ったところにあるうどん・蕎麦店「一休庵(いっきゅうあん)」。管理人が子どもの頃にはすでに営業されていましたので、少なくとも40年以上の歴史があるお店です。テレビ番組や情報誌などのメディアに紹介されることはほぼほぼない街のうどん・蕎麦店ですが、近隣ではおそらく知らない人はいない街の名店でもあります。こちらは10:30〜19時の通し営業で、遅めのランチも時間を気にせず利用可能。さらに出前もされていますので、ご近所さんはいつでも出前を取ることができる便利さも人気となっているようです。時刻は14:20、早速店内へ入ってみましょう。

この時刻ですのでさすがにお客さんはいらっしゃいませんでしたが、出前の配達はひっきりなしでした。最近のデリバリーサービスはごく一部ではあると思うものの、いろいろと問題があると聞きますが、お店の出前は衛生面でも料金面でも安心できます。個人的には出前の配達料を支払って当然だと考えるのですが、無料で配達していただけるお店も少なくなく、そのようなお店のご近所さんは相当ラッキーと言えるでしょう。ただ、管理人は、できればお店で食べたい派。いくつか理由はありますが単身者ですので、一人前の出前をお願いするのは心苦しく、さらに行った方が早くね?というセッカチな性格だからでもあります。今回REPORTするのはもちろん冷やし中華、こちらでは夏季限定の「冷麺」¥800ながら、念のためメニューを確認してみましょう。

「うどん」や「生そば」ともに¥400に始まり、京都名物?の「衣笠丼」¥650や丼界の最高峰でもある「天とじ丼」¥850と、リーズナブルな価格設定です。全メニュー¥1,000未満であり、気軽に利用できるのもありがたい。ただ、麺類と丼のセットメニューなどはなく、麺類と丼と同時に注文すると¥50引きのサービスはあるものの、調子に乗って“「天とじうどん」と「天とじ丼」”などを注文すると¥50引きで¥1,550となるばかりでなく、そもそも天とじだらけになりますのでご注意ください。今回は「冷麺」と、何か丼を…と一瞬考えたのですが、数日後にかかりつけ医の定期診察を受ける身としては、少しでもお医者さんにブチギレられないよう食べ過ぎを控えておこうと「冷麺」のみを注文しました。

「冷麺」が到着。うどん・蕎麦店らしいスタンダードな冷やし中華です。錦糸玉子にチャーシュー、シイタケ甘煮、キャベツの千切り、紅ショウガ、ハルサメ、キクラゲ、キュウリと具だくさん。スープはもちろん王道の酢醤油ベースで、添えられているカラシで味変もできます。たっぷりの野菜類や酢の効果でヘルシーなのは間違いなく、かかりつけ医にブチギレられる心配もありません。万一ブチギレられたらこちらの「冷麺」の写真を見せつけ“毎日こんなヘルシーなものばかり食べてるわ!”多少の嘘を織り混ぜながら逆ギレしてやり過ごす予定です。では麺からいただきましょう。

麺はそうめんと見まがうほど細めの中華麺で、冷水でしっかりと〆られているためコシも十分。酸味強めの酢醤油ベースの甘じょっぱいスープとの相性も良く、食欲が落ちているときでもスルスルと食べられるでしょう。このちょっと酸っぱめなスッキリ系スープは、うどん・蕎麦店や定食店、食堂など和の飲食店の傾向です。以前、とあるシニア女性が“最近の冷やし中華は私には味がちょっと濃すぎて…”と、話されていたのを聞き、おそらくは中華店やラーメン店で冷やし中華を食べられたのだろうと察しました。確かに昭和の頃の冷やし中華と言えば、重要視されていたのは酸味をメインとする清涼感であり、酸味の軽減を目的にマヨネーズが添えられているお店が今よりも多かったような気がします。中華店やラーメン店の冷やし中華は酢醤油ベースであっても甘酢の甘みを強調されているお店も少なくなく、時代とともに濃厚さを追求されているのでしょう。こちらのようにうどん・蕎麦店など和の飲食店であれば、キリリとした酸味の冷やし中華をいただける可能性が高いと思います。

ハルサメを冷やし中華の具として使われているお店はそれほど多くはないものの、人気の具材の1つでしょう。麺と同じようなフォルムでありながら、麺とは異なるより歯ごたえのある食感とサッパリとした味わいは良いアクセントとなっています。何よりヘルシーで胃にスンナリと収まる具合も身体に優しい。こちらのように酸味強めの酢醤油ベースの冷やし中華なら、冷たいハルサメの実力がより発揮されるように感じました。

今回に限っては、具の主役はチャーシューではなくシイタケの甘煮です。うどん・蕎麦店の技術により調理されたシイタケのまろやかな甘みとシイタケ本来の旨味が凝縮されています。肉に匹敵する食べごたえと満足感は、さすがうどん・蕎麦店ならでは。そうめんの具としても使われるシイタケの甘煮ですが、酢醤油ベースの冷やし中華の具としても有能です。和テイストの昔ながらの冷やし中華を存分に堪能することができました。まだまだ蒸し暑い残暑が続くこの時期、夏バテの人もいらっしゃるのではないでしょうか。濃厚なものはちょっと、という場合は、こちらのようなスッキリ&サッパリな冷やし中華で無理なく栄養を摂取していただき、体力を回復していただきたいと願っています。

[2022年8月310日訪問]

一休庵
●住所…京都市上京区筋違橋町564(Google マップ
●TEL…075-451-1828
●定休日…木曜日
●備考①…「冷麺」は夏季限定
●備考②…禁煙
●ホームページ…なし
※詳しくは食べログ「一休庵」でご確認ください。

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