お食事処 あいおい
日本人が大好物な水産資源として多くの魚介類が挙げられます。魚の王様であるタイや寿司店での人気ナンバーワンであるマグロだけでなく、アワビやウニ、ノドグロ、キンメダイといった高級食材、また、イワシやアジ、サバなど普段から慣れ親しんでいる魚を思い浮かべる人も多いハズです。が、しかし。個人的な感想かも知れませんが、皆さんが思っている以上に食卓にのぼっているアノ魚介類については、どうも印象が薄いというか、あまり意識せず口にしている人が多いような気がしてならず、不憫で仕方ありません。アノ魚介類は近年、価格が高騰気味でスーパーの鮮魚コーナーなどでも以前に比べ、質が良く安価に購入できるものが少なくなったと感じます。ついにアノ魚介類の逆襲が始まったか。いつの時代も日本人の食とともにあった、現在でも世界の年間漁獲量の約半分を日本が消費する、日本人にとって親友のようなアノ魚介類。そう、イカです。“エッ?”と思われた人、よ〜く考えていただきたい。イカはどこにでもヒッソリと現れていることを。イカとダイコンの煮物やイカの照り焼き、イカめしのようなイカメインの和の料理はもちろん、晩酌のお供としてイカの塩辛やスルメ(アタリメ)はツマミとして超有能で、使い勝手が良い冷凍のシーフードミックスもエビばかりモテはやされているものの、実質的にはイカがメイン。さらに中華料理やイタリアン、洋食などでもイカは重宝されています。洋食好きの管理人も実はイカを軽視していた人間のひとりではありますが今回、イカのおいしさを洋食で知らしめたい。そして日本人にイカの大切さを改めて認識していただきたいと考え洋食店、ではなく定食店へと向かいました。

西大路通と丸太町通の交差点(円町)を南へ230mほど行き、太子道(旧二条通)の交差点(西大路太子道)を西へ60mほど行ったところにある定食店でありうどん・蕎麦店「お食事処 あいおい」。このエリアはなぜか病院などの医療機関が多く、近隣の飲食店では医療機関と提携して人間ドックなどを受けた人用の無料?昼食サービスを行っており、こちらも人間ドックを終えられた人がよく利用されているようです。もちろん地元の人や近隣の花園大学の学生、健康診断や診察で病院などに来られた人も利用されるため、お昼時は混雑する人気店となっています。そして珍しく、「食べログ」では掲載されている形跡がなく、「Retty」では「相生食堂」としてお一人のレビューのみ紹介されている、管理人もなぜそんなにレビューが少ないのかワケがわからないほどの穴場中の穴場店だと言えるでしょう。時刻は11:30、では、まずはこちらの営業時間をご確認ください。

月曜日・火曜日・土曜日は9:30〜14:30、水曜日・木曜日・金曜日は9:30〜16時の通し営業です。基本はランチのみのお店ですが曜日によって終了時刻が異なりますので、訪問される人は間違えないようにお願いします。12時〜13時は混雑するため、混むのを避けたい人は12時〜13時をはずせばゆっくりと食事ができるでしょう。続いて店頭のメニューをご覧ください。


定食8種類で定番の「からあげ定食」¥800と「焼肉定食」¥950を除いて洋定食ですので洋食店と思いがち。「今日のランチ」も用意されていて訪問した日は「カツカレー」¥900と「肉そば定食」¥800でした。この「肉そば定食」が何となく和の雰囲気を醸し出しています。このREPORTを書きながら、こちらをどのカテゴリーにするかまだ迷っている最中なのですが、とりあえずお客さんで混雑しない内にサッサと店内に入ってみましょう。

店内にカウンター席はないものの2名テーブル席もあり、お一人様でも安心して利用できます。お客さんが少ない時間帯であればお一人様でも4名テーブル席に案内していただけ、大画面テレビをガッツリ視聴可能です。定食店にありがちな古びた印象はなく清潔感もあり、女性のお一人様もよく見かけます。では改めてメニューを確認してみましょう。



そうなんです、うどん・蕎麦店と言っても過言ではないほどの麺類と丼メニューの多さですので、やはり主体はうどん・蕎麦店であり、洋定食を含めた定食類もやってるよ、的なお店なのです。そして…管理人はこれまで数回来店して気づいていなかったのですが、「冷麺」¥850もありました。京都市の冷やし中華紹介ブログでは宇宙最大級の当ブログの管理人として、ここはやはり「冷麺」をREPORTするべきか…とも考えたのですが、たまには冷やし中華以外のものが食べたい今回は“イカ”を食べるREPORTですので「冷麺」はパス。かなり気にはなっているため、日を置かず「冷麺」を食べに再訪するかも知れません。しかし、今回はイカ。“イカの洋食って何?”と思われる人も少なくないでしょうが、それはおいしい割にイマイチ目立たないからです。そんなかわいそうなイカ料理に脚光を浴びさせようと「ミックスフライ定食」¥950を注文してみました。

「ミックスフライ定食」が到着。もうお分かりですね。洋食界で地味ながらいぶし銀の味わいを発揮しているイカ料理と言えば“イカフライ”です。“イカリング”で知られるリング状のイカフライもポピュラーですが、こちらは棒状のイカフライ。“どれ???”と考えこまれた人はまだまだ修行が足りませんよ。フライ4種の右端に鎮座しているのがイカフライです。見た目だけなら一口カツと見分けがつかないでしょうし、管理人も食べるまで“ひょっとしてイカフライじゃなかったけ?”とドキドキしていましたから。イ、イヤ、管理人は当然イカフライとわかっていました。京都洋食のオニとしていずれ京都市内の全洋食店を制覇し“京都洋食協会”を設立、理事長になって傘下洋食店から毎月上納金をいただき、それで生活するという壮大な野望があるのですから、イカフライぐらい目をつぶっていても見ただけで見抜けますとも。管理人の野望はともかく、ではイカフライをいただきます。

肉厚のイカのフライは本当においしい。イカは魚介類の中でも甘さを感じる食材で、多くの海洋生物がイカを好んで捕食しイカに依存しており、一説にはイカはオキアミと同じく海の生態系を支える存在とされているそうです。海洋国であり永く獣肉を食べていなかった日本人はイカの重要性を知っていて、昔から食べられていました。何より日本近海では季節に応じてさまざまな種類のイカがふんだんに水揚げされていたため、イカに困ることはありません…というのは、最近までのハナシ。現在はウナギやサンマと同様に安定した水揚げを誇っていたイカさえも減少傾向で、理由がわからないため効果的な対策もなかなか打ち出せず、ヘタをすると食卓からイカが消える事態に発展するかも知れません。洋食店の“ミックスフライ”や“シーフードフライ”では必ず参加していたイカフライやイカリングが不参加となると、個人的にはかなりさびしい気持ちになってしまいます。こちらのイカフライにたっぷりとタルタルソースをかけていただきながら、イカの漁獲高がこれ以上減少しないよう願うしかありません。

こちらの「ミックスフライ定食」ではイカフライのほか、クリームコロッケと白身魚のフライ、そして大きめサイズのエビフライ2尾と、かなり豪華なシーフードフライの盛り合わせとなっています。キャベツの千切りやポテトサラダなどの付け合せも充実していて、飲む人ならこのワンプレートでビールが進んで仕方ないでしょう。食べ切れないほどのタルタルソースに加え、ウスターソースを瓶ごと提供されますので、ウスターソース好きな人はガンガンかけてご飯のオカズにすることもできます。管理人はタルタルソース好きですのでこのタルタルソースと大きなエビフライ2尾の圧倒的なボリュームに狂喜乱舞。¥950と¥1,000未満でいただける内容ではありません。シーフードフライがお好きな人なら絶対に試していただきたいお店です。各種定食類だけでなくうどんや蕎麦、丼も人気ですので、お近くまでお越しの際にはぜひお立ち寄りいただき、洋食店にも負けない「ミックスフライ定食」などをぜひご堪能ください。
[2022年9月3日訪問]
お食事処 あいおい
●住所…京都市中京区西ノ京中御門東町78(Google マップ)
●TEL…075-841-4281
●定休日…日曜日
●備考…禁煙
●ホームページ…なし
※詳しくはRetty「相生食堂」でご確認ください。
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