個性的な味わいが本場・中国を感じる蘭州ラーメン店

中華編
スポンサーリンク

蘭州牛肉拉麺

“京都市の冷やし中華紹介ブログでは世界最大級”自称しまくっている当ブログでは、冷やし中華の発祥が日本であることをさんざん書いてきました。では、本場・中国に冷やし中華はないのかと問われると、まったくないワケではないという、かなり曖昧な回答になります。中国にも冷たい麺料理は存在し、日本の冷やし中華のルーツとなった可能性もなくはないのですが、日本の冷やし中華は日本のざる蕎麦から発想を得て生まれ発展した説が一般的でしょう。そもそも中国では冷たい料理自体、あまり人気がなく、日本では当たり前に食べられているオニギリや弁当といった冷たいご飯などはかなり嫌われているそうです。世界的にも冷たい料理を比較的好む日本人に対し、冷たい料理に魅力をほとんど感じない中国人にとって中国の冷たい麺料理も重要視されず、明治時代以降に中国人の料理人などによって広められた日本の中華料理店でも中国の冷たい麺料理を提供されることはありませんでした。しかし近年、中国の発展に伴い中国から多くの人がビジネスや観光などの目的で来日した結果、日本の中華料理店でも広東料理や上海料理、北京料理、四川料理といった既存の中華料理だけなく、中国のさまざまな地域の料理を味わうことができるようになり、中国の冷たい麺料理も少しずつですが普及し始めているように感じます。そこで今回は、本当に2022年(令和4年)最後の冷やし中華として、中国人の料理人が作る冷たい麺料理をREPORTすることに。「平和的ごはんPadma(パドマ)」のREPORTで“2022年(令和4年)最後の冷やし中華”と思いっきり書いてしまいましたが、コッソリ“おそらく”と付けているのでセーフです。

今出川通堀川通の交差点(堀川今出川)を西へ440mほど行き、智恵光院通の交差点(今出川智恵光院)を南へ560mほど行ったところにある中華料理店「蘭州牛肉拉麺(らんしゅうぎゅうにくらーめん)」。2022年(令和4年)6月にオープンされたばかりの新しいお店です。当ブログでもREPORTした「中華料理 吾喜」など、京都市内でも蘭州ラーメンを提供するお店が増えてきました。蘭州とは中国北西部にある甘粛省の省都・蘭州市を指し、モンゴルに近い地域で独自の食文化を形成しています。本場の中国料理について実は牛肉料理は少ない反面、蘭州地域では牛肉を積極的に使われていて私たちの知る中華料理とは一線を画しているのが特徴です。こちらの昼の営業時間は11時〜15時、夜は17時〜21時?22時?となっています。時刻は13:20、早速店内へ入ってみましょう。

入って左側にお一人様用のカウンター席が5席、右側に4名テーブル席3卓の店内。13時を過ぎているにも関わらずほぼ満席状態で、わずかにカウンター席2席のみあいていました。開業して3ヵ月とまだ知名度があるとは思えないお店なものの、お一人様のお客さんも多く、繁盛しているようです。ほとんどのお客さんが蘭州ラーメンである店名の「蘭州牛肉拉麺」¥800を注文されていると思いきや、さまざまな料理を食べておられました。ではメニューを確認してみましょう。

こちらには中国の冷たい麺料理2種類が提供されています。1つは通年提供されている「香ばしい胡麻凉皮(リャンピー)」¥750。凉皮/涼皮(リャンピー)とは中国の華北地域では昔から食されてきた冷たい麺料理で、きしめんやフィットチーネのような幅広な麺が特徴です。中国の人にとって冷たい麺料理と言えば凉皮/涼皮(リャンピー)という人が多いのではないでしょうか。そしてもう1つが夏季限定の「凉麺」¥850。凉麺/涼麺は冷たい麺を指す料理ではあるものの、中国ではコレ!といった定義はなさそうで、有名な台湾の涼麺はあえ麺タイプの、日本の冷やし中華に近い一方、冷やしラーメンのような冷たいスープたっぷりの麺料理も凉麺/涼麺と呼ばれます。こちらの「凉麺」はビジュアル的に冷やしラーメンスタイルですね。今回のREPORTでは古い歴史があり、冷やし中華の原型?とも考えられている凉皮/涼皮(リャンピー)をREPORTする予定だったのですが、残念ながら売り切れとのこと。そこで「凉麺」をREPORTしつつ、翌日に再度訪問して「香ばしい胡麻凉皮(リャンピー)」も併せてREPORTするつもりだったのですが、こちらで食事をした夕方にコケて足を打撲してしまい、訪問できなくなってしまいました。幸い軽度の打撲のようで2〜3日もすれば回復する感じですが、本日の更新には間に合いません。こちらには「香ばしい胡麻凉皮(リャンピー)」や「牛肉と野菜の炒麺」¥800など、管理人が食べてみたい料理もまだまだ多いため、「香ばしい胡麻凉皮(リャンピー)」についてもいずれかの機会でREPORTいたします。今回は「凉麺」と「牛肉炒飯(小盛り)」¥350を注文してみました。

「凉麺」が到着。真っ赤なラー油が辛そうで、辛いものがあまり得意ではない管理人はちょっとドキドキしています。具は味付きのゆで卵にハム、刻み青ネギ、キュウリ、トマト、そして白菜キムチと、冷やしラーメンというよりは日本の冷やし中華にかなり近い感じです。ただ、スープはたっぷりで、冷やし中華のような冷やしラーメンは他のお店で食べた記憶がありません。世の中にはまだまだ知らない冷やしラーメン?冷やし中華?があるものだと驚きつつ、まずは辛そうなスープからいただきます。

エエっ??甘酢っぱ!!!

そう、甘さ強めの酢醤油ベースの冷やし中華のスープの味わいです。辛味もなくはないのですが、甘酸っぱさが勝っていて辛さはほとんど気になりません。このスープが冷やし中華のように少量ではなく、丼鉢にナミナミと注がれているのが大陸的な感じがします。甘酢っぱさのメリハリが効いていて冷やし中華のスープとしては悪くないとは思うものの、さすがにゴクゴクと飲み干せるタイプではないように思いました。ただ、スープを飲み干さない前提とすれば、スープ多めの冷やし中華としてアリかも知れません。

麺は超極細のまさにそうめんです。ナルホド、ぶっかけそうめんの冷やし中華版と考えると良さそう。超極細麺が甘酸っぱいスープによくからみ、意外にスルスルと食べられます。スライストマトや白菜キムチもスープと合っていて、甘酸っぱいのがお好きな人にはオススメではないでしょうか。この味は日本ではなかなかお目にかかれない、いかにも中国大陸を思い起こさせる個性的な味わいと言えそうです。

そして「牛肉炒飯(小盛り)」。ミニサイズですがボリュームはしっかりめ。食べてみると思った以上にシットリ系で、炊き込みご飯風の食感。個人的にパラパラ炒飯があまり得意ではないので、これぐらいの水分量でも食べやすくてOKです。細かくカットされた牛肉はおそらくスネ肉やスジ肉なのでしょうか、小さくても弾力と食べごたえがあります。チャーシューとは異なる味わいながら、違和感などはまったくありません。牛肉自体の旨味が少し薄いような気がしないではないものの、炒飯自体の味付けはアッサリめのちょうど良い塩梅でおいしくいただくことができました。こちらの「凉麺」はおそらく多くの日本人が味わったことのない冷やしラーメン?冷やし中華?だと思います。夏季限定でいつ終了なのかはわかりませんでしたが、冷やし中華マニアならぜひトライしてみてはいかがでしょうか。また、中国の人が珍しく好む冷たい麺料理の「香ばしい胡麻凉皮(リャンピー)」もお試しください。管理人も足の具合が良くなれば、寒くならない内に食べてみようと考えています。

[2022年9月24日訪問]

蘭州牛肉拉麺
●住所…京都市上京区多門町440-9(Google マップ
●TEL…不明
●定休日…不定休
●備考①…「凉麺」は夏季限定、「香ばしい胡麻凉皮」は通年提供
●備考②…禁煙
●ホームページ…なし
※詳しくは食べログ「蘭州牛肉拉麺」でご確認ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました