zozotte + plus
オジサンはカフェが苦手です。喫茶店や食堂、居酒屋ではあれほど威風堂々としていたオジサンが、カフェでは借りてきた猫のようにシュンとしています。いくらエラソーで周囲を顧みないオジサンであっても、さすがにカフェのようなオシャレな空間は自分には似つかわしくないと気づくのでしょうか。オジサンのひとりとして、カフェに尻込みするのはとてももったいない。気持ちは痛いほどわかります。若い人や女性だらけの店内では、オジサンは居るだけで存在自体がもうセクハラ製造機ですから。少なくとも管理人はそう思ってしまい、いたたまれない。できればカフェ飯ではなく、焼肉定食やカレーライスがある昔ながらの喫茶店へ行きたい。ミドルとシニアのたまり場のような喫茶店なら、セクハラ呼ばわりされることなく、誰に気兼ねすることもなく、水を得た魚のようにノビノビと過ごせますから。が、しかし。お客さんが若い人や女性だらけであろうが、高いクオリティのカフェ飯ならオジサンも食べてみたい。最近ではタバコを吸わないオジサンも多くなり、禁煙が多いカフェは、喫煙可が多い喫茶店よりもむしろ利用しやすい、とすら考えているオジサンも少なくないことでしょう。承知いたしました。カフェへ行ってみたい、カフェ飯を味わってみたい、そんな健気なオジサンのために、オジサン一族の管理人がオススメのカフェをREPORTいたします。ただし、女性オーナーさんのお店に加え女性客多めですので、女性を見ると自然と顔を赤らめてしまう女性への免疫力が低いオジサンは、その厄介な体質をどうにかしてから訪問してみてください。
ウッカリ通り過ぎてしまいそうになるこちらの民家が今回REPORTするカフェ「zozotte + plus(ゾゾットプラス)」です。天神川通と御池通の交差点(天神川御池)を北へ700mほど行き、屋内スイミングプール「スイトピア」の建物北側の道を西へ80mほど行ったところにあります。先日REPORTした「欧風キッチン しのん」のすぐ近くで、当初はハシゴしようと考えていたのですが、1軒目の「欧風キッチン しのん」でお腹いっぱいになったこともあり、後日訪問する予定でした。Twitterのフォロワーさんからもオススメされていたカフェということもあり、後日訪問予定をすっかり忘れてなかったことにしてしまう管理人としては珍しく覚えていたのです。オジサンの記憶力もまだまだ捨てたものではないですな。こちらはJR「花園駅」から徒歩6分、嵐電「蚕ノ社駅」または「太秦広隆寺駅」から徒歩9分程度と比較的便利なうえ、店頭には運転スキルが多少試されるものの2台ほど駐車できます。ただ、人気店ですので写真のようにすでに2台の車が停まっていることも珍しくないため、車で訪問される際には事前にコインパーキング等を調べられた方がスムーズでしょう。こちらの現在の営業時間は11:30〜ラストオーダー14:30と昼のみの営業。以前は夜も営業されていましたので、またいずれ夜も利用できるようになるかも知れません。時刻は13:40、他人の家へ勝手に入って行くようなドキドキを感じながら車の脇を抜けていきます。
黄色いノレンが掛けられていて一安心ですね。住居不法侵入で逮捕→勾留→裁判→死刑になる心配もありません。警察24時的なテレビ番組を見ているとオジサンは容疑者になるリスクが異常に高いので、世のオジサンは常に細心の注意を払って行動しなければなりません。ちなみにこちらはオジサンの入店は可ですが、“大人の隠れ家”をお店のコンセプトにされておられ乳幼児の同伴入店はできませんのでご注意ください。普段、赤ちゃんプレイ乳幼児のように振る舞っているオジサンも、入店するときは立派なオトナの風情を醸し出しながらガラガラとトビラを開けましょう。
まさに家です。ついつい“ただいま〜”なんて言いながら、2階の自室へと向かいたくなりますが、ここはカフェ。残念ながらあなたの自宅ではありません。靴を脱いで室内用スリッパに履き替えてから、さらに奥へと向かいます。
カウンター5席程度と4名ソファ席、そして6名テーブル席の店内。お店に入ったのが13:40とランチタイムとしては遅めの時刻にも関わらず、6名テーブル席以外は女性客で満席状態でした。カウンター席もグループで食事をされていたため、おそらく少し前まで6名テーブル席にもお客さんがいらっしゃったのでしょう。待つことなく女性オーナーさんに6名テーブル席へ案内していただけました。オジサンとしては4名組の女性グループなどが来られて相席にならないよう祈るのみ。土足でないこともあって飲食店とは思えないほどリラックスできます。ソファ席にでも座ろうものならウツラウツラしてしまいそうになるマッタリとした時間と空間です。このホスピタリティーというかラグジュアリーな雰囲気もカフェの魅力でしょう。ホスピタリティーとかラグジュアリーの意味はよくわかりませんが。ではメニューを確認してみましょう。
こちらではワインを中心としたアルコール類の昼飲みもできます。そしてこちらで必食なのが“タパス”です。“タパス”とはザックリ説明すると前菜の小皿料理を意味するスペイン語。フレンチならオードブルやアントレ、英語ではアペタイザー、イタリアンならアンティパストと呼ばれ、和食なら酒肴や八寸などに相当します。つまり、“タパス”が真価を発揮するのは酒のツマミとしてであり、本来であればワインなどとともに愉しむ料理です。ただ、昼は飲みたくても飲めない人も少なくないでしょうし、管理人のようにそもそも飲めない人でも十分に満足できます。そこで今回は、「タパス盛り合わせ」が付いた「zozotteランチ」¥1,450に決定。メインは「ママの手ごねハンバーグ」と「タイ風グリーンカレー」から選べますので「ママの手ごねハンバーグ」をチョイスしました。
まず「タパス盛り合わせ」が到着。7種類の前菜で、確かにこのワンプレートだけでワインがグイグイ進むのではないでしょうか。中央のナスの揚げ浸しやポテトサラダ、カリフラワーのマリネ、キノコのマリネと、野菜がたっぷりなのもうれしい。スパニッシュオムレツやグラタン、フランもチョッピリながら、少しずついろいろな料理を食べられ、満腹にならない絶妙なボリューム感も前菜としては最適です。全体的にやさしい味付けとなっていて、一品一品丁寧に調理されています。さまざまな味を楽しめつつ食欲も高められる、満足度の高い前菜でしょう。タパスだけでも食べる価値は十分にあると感じました。
そして「ママの手ごねハンバーグ」です。スープはコンソメでタマネギとニンジンの千切りも柔らかく煮えていて野菜そのものの味わいがおいしい。洋定食に付くカップコンソメでありがちな、煮詰まっていて塩っぱいこともありません。先ほどの「タパス盛り合わせ」だけでなく、すべての料理に手間暇かけられていることがわかります。ハンバーグに添えられているグリーンサラダも新鮮で、醤油ベースのドレッシングもあってパクパクと食べられるおいしさです。では、メインのハンバーグをいただきましょう。
ハンバーグのソースはテリヤキソースでした。この甘塩っぱい濃いめの味付けがご飯と本当に良く合います。これはオジサンだけでなく、ハラペコな若者も大好きな味わいでしょう。ハンバーグのソースは数多くありますが、ご飯に合うのはテリヤキソースが一番です。女性客向けのカフェと思いきや、男性客にもうれしいハンバーグ。しかも手ごねで肉感もしっかりと感じられながらフンワリとした柔らかさも十分なのは、ツナギの量が適切だからでしょう。イマドキのオシャレなカフェにありがちな何となく満足感に乏しいカフェ飯とはまったく異なる、料理自体が水準以上のクオリティを実感できるカフェだと思います。女性だけでなく、男性もきっとまたリピートしたくなるお店です。たまにはちょっと贅沢なランチを愉しみたい人は、こちらで昼飲みやタパスなど各種料理、ドリンクやスイーツでノンビリとしたひとときをお過ごしください。
[2023年2月8訪問]
zozotte + plus
●住所…京都市右京区太秦和泉式部町13-19(Google マップ)
●TEL…075-861-3805
●定休日…日曜日・月曜日・火曜日
●備考…禁煙
●ホームページ(kirario oneline shop)/Instagram
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