中書島の人々に愛されてきた大衆中華店

中華編
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中国料理 揚子江

京阪本線の特急電車も停まる京都市伏見区の「中書島駅」。管理人は通勤でほぼ毎日通っているものの、「中書島駅」で降りたことがあるのは2、3度、しかも20年以上も前になります。「中書島駅」周辺は観光スポットとしても有名で、酒蔵や十石舟・三十石船、坂本龍馬ゆかりの寺田屋など、見どころ満載。実際、「中書島駅」を降りると巨大な観光マップで乗降客にがっつりアピールされています。

そんな観光客にも人気の「中書島駅」周辺ですが、夜は歓楽街の様相を見せていました。駅の北口から「中書島繁栄会」という商店街を北へテクテクと歩いていると、通りの左右とも飲み屋かスナックが軒を並べています。しかし活気がある風情とは言い難く、何となく寂れた場末の雰囲気。さらに古い看板には「旅館」の文字が…これはひょっとしてと思いインターネットで検索してみると、このあたりはかつて遊郭だったことが判明しました。管理人はそちら方面に関する知見がまったくありません。申し訳ございません。お詫びにこちらのブログにて詳しく紹介されていますので、そちら方面の研究に熱心な方はぜひご覧ください。で、そんな商店街を北へ200mほど歩いていると目の前に「中国料理 揚子江(ちゅうごくりょうり ようすこう)」が現れます。

実は20数年前、何かの用事で「中書島駅」を訪れた際、同行していた京都市伏見区出身の職場の同僚に“中書島で一番の中華料理店”と案内されて一緒に伺いました。当時の記憶はほとんどないものの、なかなかおいしい大衆中華だったことはぼんやりと覚えています。まずは店頭のメニューを確認しておきましょう。

大衆中華お馴染みのメニューはひと通り揃っています。定食類も豊富で、お一人様でも気兼ねなく利用できるでしょう。定食類に限らず、メニューはすべて¥1,000未満とリーズナブルな価格設定なのもうれしいですね。訪問した2019年10月21日は夕方から台風20号の影響で雨模様だったため周辺に人はまばらでしたが、ほぼ駅前と言っていい場所にあり行きやすいと思います。では店内へ入ってみましょう。

1階はカウンター席だけで8名程度が座れます。雨にも関わらず男女3名組と2名組が飲み会のような感じで食事をされていました。夜は飲みにも使えるようで、お客さん全員が飲んでいる状況です。2階もあるようで、グループ客が宴会中。繁華街の飲食店らしい混雑した雰囲気となっていました。メニューはカウンターの上部にズラリと札が並んでいて撮影したかったものの、とても無理。ホワイトボードには「本日のおすすめ」的なメニューが書かれていて、こちらは撮影できました。

ナルホド、麺メニューとともに一品料理も書かれていて、酒のツマミ&〆の麺類を注文できるという感じです。管理人は飲まないのでメニューからノンアルコールビールを探したものの、残念ながらどうやらなさそう。飲み物はあきらめ、今回は「水餃子」¥380と「揚子江ランチ」¥900を注文してみました。ちなみにこちらの最高額メニュー「揚子江ランチ」は夜でもオーダーできます。

まずは「水餃子」が到着。日本では“餃子と言えば焼き餃子”ですが、本場中国で餃子と言えば「水餃子」がスタンダードなのだそうです。しかも主食扱いであり、餃子はご飯と一緒には食べないとのこと。日本で例えれば“炊き込みご飯”的なポジションでしょうか。焼き餃子はともかく、水餃子は確かにご飯と合わない気がします。水餃子の調味料として一般的なカラシ酢醤油でいただいてみると、トゥルンと口の中に入りプルプルした食感が楽しい。モチモチの皮、アッサリめながらコクがある餡の味わいがやさしく、おいしい一品です。寒い日のご馳走、といったところでしょうか。これは間違いなく主食ですね、ご飯はいりません。もちろんビールなどのアルコール類とよく合うのではないでしょうか。

そして店名が冠された「揚子江ランチ」です。ワンプレートにカニ玉、酢豚、鶏の唐揚げ、サラダ、ザーサイが盛り込まれたゴージャスなセットメニュー。運動部の男子が好きそうなラインナップで、当然ご飯が進みます。カニ玉はトロトロで半熟っぽい中身が絶品。味付けはまろやかな味わいで塩っぱくはなく、食べ飽きる心配もありません。鶏の唐揚げも軽めの下味で鶏肉の旨味がジューシー。塩コショウをちょっとだけ付けて食べるとツマミに、しっかり付けて食べるとご飯のオカズに最高です。ではいよいよ中央に盛り付けられているメイン料理の酢豚をいただきます。

カラリと揚げられた豚の天ぷらにトロットロの甘酢餡がからんで、これはマズい訳がありません。タマネギ、ピーマン、ニンジンといった野菜も一度油通しをされているからでしょうか、野菜の旨味や滋味がしっかりと味わえます。個人的にパイナップルだけは誤算でしたが。管理人は唯一パイナップルだけが苦手食材なものの、食べていて最初はパイナップルと気づきませんでしたので、一般の方にとっては酢豚に合う食材なのかも知れません。ともかく酢豚の主役は豚肉ですので、酢豚好きならぜひこちらの酢豚もお試しください。

昭和の香りもただよう大衆中華料理店です。この日は奥様と若大将が切り盛りされていて、若大将の丁寧な接客にこれからも地域に愛されるお店だと確信しました。観光地として多くの人で賑わう陽の部分と、かつて遊郭が存在した少し後ろ暗い陰の部分が交差する中書島エリア。さまざまな表情を見せるこの古い街の“人の生き様”に思いを馳せて散策してみてはいかがでしょうか。この街に立ち寄られた際には、昼でも夜でも手軽でおいしい大衆中華をぜひお楽しみください。

[2019年10月21日訪問]

中国料理 揚子江
●住所…京都市伏見区西柳町545-2(Google マップ
●TEL…075-622-5507
●定休日…火曜日
●備考…喫煙可
●ホームページ…なし
※詳細は食べログ「揚子江」で検索してくだい。

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