大文字山や銀閣寺などからも近い穴場なカレー店

その他料理編
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カレー専門店 大文字

8月になりました。京都市で8月最大のイベント(?)は8月16日に実施される「京都五山送り火」、通称「大文字焼き」です。“オオモジ焼き”ではなく“ダイモンジ焼き”と読みます。京都市民なら“大文字”と略す「京都五山送り火」、今年2022年(令和4年)は3年ぶりに全面点火されるそうです。京都市民にとっては昔からお盆の送り火として何となく知っている程度ですが、正確な史料や文献などはないものの、一説には平安時代から行われている由緒正しきお盆の行事なのだとか。この世での生を終えたあの世の仏様がお盆期間中の8月13日〜16日(都道府県によって異なります)にもともとの住まいや親族の家などへお越しになって過ごされ、再びあの世へお帰りになる合図として「大」、「妙・法」、「舟」、「大(左)」、「鳥居」の文字やマークに点火されます。昔の京都エリアを表す洛中・洛外からは、いずれかの文字やマークを見ることができ、場所によってはすべてを一望することが可能です。各文字・マークの中でも最も代表的なのが京都市左京区大文字山で点火される「大」でしょう。そんな「京都五山送り火」の象徴であり、大文字山の「大」がよく見えるカレー店を今回はREPORTしてみました。

白川通今出川通の交差点(白川通今出川)を南へ420mほど行き、路地を西へ30mほど行ったところにある「カレー専門店 大文字(かれーせんもんてん だいもんじ)」。こちらはもともとは喫茶店だった場所で2014年(平成26年)に開業されたお店です。地下鉄「蹴上駅」から徒歩25分、叡電「元田中駅」から徒歩26分程度と最寄駅からは少し歩くものの、京都市バス「浄土寺」バス停からなら徒歩2分程度と便利な場所にあります。大文字山だけでなく銀閣寺哲学の道吉田神社平安神宮などからもさほど遠くはなく、京都市有数の観光スポットでもあるエリアです。こちらの現在の営業時間は11時〜18時の通し営業となっていて、遅めのランチにも対応。時刻は15:15、まずは店頭のメニューを確認してみましょう。

「今週のカレー」として週替わりカレーを提供されていて、お店のFacebookで確認できます。コーヒーなどのドリンク類も用意されていて、喫茶使いとしての利用もOK。大通りに面しておらず地元の人以外にはなかなか知られることも少ないお店ですが、隠れた人気店として親しまれているようです。では早速、店内へ入ってみましょう。

以前は喫茶店だったこともあり、喫茶店のような雰囲気の店内。カウンター席があることに加え、テーブル席はゆったりしていて、落ち着いて食事をすることができます。清潔感もあるため、お一人様でもグループでも気軽に利用できるでしょう。夏はカレーライスの季節と世間一般ではされていますので特にこの時期、遅めのランチなどにも便利なお店ではないでしょう。では改めてメニューを確認してみましょう。

どのメニューも¥1,000を超えるものはなくリーズナブルな価格設定です。「昔ながらの大文字カレー」¥680がおそらくこちらのベースとなる欧風カレーで、3種類ある石焼風の「陶板大文字焼カレー」も人気。しかし暑がりで汗っかきの管理人にとって、さすがにこれだけ暑いと石焼風の「陶板大文字焼カレー」はちょっと…となりました。そこで気になった「牛しぐれ煮カレー」¥880をチョイス。牛しぐれ煮は自宅でも常備菜として頻繁に作ってはいるものの、カレーライスと合わせる発想は考えたことすらありませんでした。醤油ベースの甘辛オカズである牛しぐれ煮とカレーライスは、果たして合うのでしょうか?

「牛しぐれ煮カレー」が到着。カレーライスにたっぷりの牛しぐれ煮、そして青ネギが天盛りにされています。牛しぐれ煮はもう見た目から絶対おいしいヤツだと確信できました。牛しぐれ煮を長年自作し、幾度となく失敗に失敗を繰り返してきた管理人の目に狂いはありません。牛しぐれ煮を見た目でジャッジするお仕事があれば、間違いなく日本トップクラスの超一流牛しぐれ煮判定員として情熱大陸など各種メディアでも脚光を浴びていたことでしょう。ただ、残念なことに牛しぐれ煮を見た目でジャッジするお仕事は存在しないため、管理人の才能を世の中に活かすことはできません。惜しい。本当に惜しい人材を皆さんは逸しています。現世では諦め、来世では牛しぐれ煮を見た目でジャッジするお仕事があることを期待しつつ、早速いただきましょう。

カレーライスと牛しぐれ煮は合います。まず、こちらのカレーは濃厚でコク深い正統派の欧風カレーでありながら、辛いものが得意でない管理人がギリギリセーフなピリ辛具合です。洋食店などの欧風カレーではビーフシチューのような辛さをあまり感じないカレーも少なくはなく、それはそれでおいしいのですが、やはりカレーには適度な辛さが必要だとも考えています。ただ、こちらのカレーはスパイスカレーのようにキレッキレな辛さではなく上品な辛さに仕上げられていて、欧風カレー自体の旨味などは損なわれていません。そこに甘辛で牛肉の旨味と脂の甘みが素晴らしい牛しぐれ煮、薬味の青ネギが渾然一体となった味わいを実現されています。欧風カレー自体、本来は日本の洋食であることから、和の牛しぐれ煮との相性もピッタリなのでしょう。今後は自宅でも自作のあまりおいしくはないカレーライスに自作のあまりおいしくはない牛しぐれ煮をトッピングしようと思います。

付け合せのダイコンのピクルスも抜群です。京都漬物の代表格である千枚漬けのような旨味が強く、そして甘酢の爽やかな味付けが辛いカレーライスと良く合います。口の中をリフレッシュさせる箸休めとしては、一般的な福神漬よりも数段上ではないでしょうか。カレーのお供であるダイコンのピクルスも丁寧に作られていて、こちらの料理に対する姿勢やこだわりを体感できました。欧風カレー好きなら一度はお試しいただきたい隠れた良店です。観光などでお近くまでお越しの際には大文字山を眺めつつ、ぜひこちらのカレー各種をお楽しみください。

[2022年7月30日訪問]

カレー専門店 大文字
●住所…京都市左京区浄土寺下馬場町83(Google マップ
●TEL…075-771-5412
●定休日…木曜日
●備考…禁煙
●ホームページ…Facebook

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