本場仕込みながら日本人も親しめる町中華店

中華編
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中華料理 茉莉花

個人経営の経営者は本当に大変だと思います。ひとりで仕事をするだけなく、お金や施設などの管理、スタッフを雇っている場合は人材の育成や管理と、やらなければいけないことが山積みです。社員が数名でもいる組織であれば、役割分担をして負担を軽減できるのでしょうが、個人の小売店や飲食店では収益面からスタッフを雇用すること自体難しいのがほとんどではないでしょうか。当ブログでREPORTしている飲食店でも、その多くが個人経営。家族や夫婦体制のお店だけでなく、調理から接客までひとりでこなされているお店は本当に頭が下がる思いです。特にひとりで切り盛りされている場合、万一ケガや病気にでもなろうものなら、必然的に休業を余儀なくされます。その間は営業できないだけなく、店舗の賃料なども払い続けなければならなくなり、経済的な負担も相当なものでしょう。管理人のようにず〜っと会社に勤めていた人間にとって、上司などの目を気にすることなくひとりで気兼ねなく仕事ができてうらやましいなぁ〜ぐらいの感覚でしたが、よく考えると苦労は勤め人の比ではないのかも知れません。もちろん経営者であろうと労働者であろうと、それぞれの置かれた立場などによりますので、一概にどちらが恵まれているか、を論じることはできないのですが。数ヵ月前、ご病気で休業されていた飲食店があり、先日復活されたと聞いて安心しつつ、今回はそちらへ伺おうと京都市伏見区方面へ向かいました。

国道24号深草加賀屋敷町の信号機を東南へ370mほど行き、細い道を北へ100m・東へ45mほど行ったところにある「中華料理 茉莉花(ちゅうかりょうり じゃすみん)」。住宅街の一角にあるお店で初訪問ならちょっとわかりにくいかも知れませんので、地図を見ながら向かわれることをオススメいたします。近鉄「伏見駅」から徒歩3分、京阪「墨染駅」から徒歩9分程度とアクセスも便利で、すぐ近くにはショッピングセンター「カナートモール伏見店」や「業務スーパー 深草店」などがあり、お買い物ついででも利用しやすいお店です。こちらは一般的な街の大衆中華店とみせかけて、中国出身のママさんが調理から日によっては接客までお一人で行っておられ、本場仕込みの本格的な中国料理もいただけます。休業から復帰後の現在、昼は火曜日と土曜日のみ、11時〜ラストオーダー14時。夜は第2・第4月曜日および火曜日〜土曜日の17:30〜ラストオーダー22:30となっているようです。時刻は13:20、まずは店頭のメニューを確認してみましょう。

「本日の日替わり」は「もやし春雨炒め(ライス・ザーサイ・スープ付き)」¥800でした。他の定食類がリーズナブル&豊富でお一人様ランチでも利用しやすいお店です。以前に「ジャスミン定食(ホイコーロー)」¥950をいただいたことがあるのですが、かなり本格的な味わいだったと記憶しています。「本日の日替わり」も良いなぁ…と考えつつ、早速店内に入ってみましょう。

カウンター4から5席、4名テーブル席2卓、2名テーブル席3卓のコンパクトな店内。夜の中華で1杯がメインのお店ですが、ランチはお一人様も多く、地元の人やビジネスパーソン、買い物客などで賑わっています。気軽に利用できる雰囲気で、まさに地元密着型の誰もが入りやすいお店でしょう。こちらのある京都市伏見区は京都市内でも中華料理店が数多い地域です。古くからのお店と、中国人が来日して経営されている新しめのお店が混在しているのですが、こちらは古くからある中国系のお店。新興勢力の本格中華ではなく、日本人の嗜好に合った味付けながら本格派を思わせる中華料理の数々を楽しむことができます。では改めてメニューを確認してみましょう。

「本日の日替わり」とともに人気なのが13種類のメインメニューから1種類をチョイスできる「ジャスミン定食」¥850〜¥980です。どれも¥1,000未満とリーズナブル。また、麺類も充実していて「拉麺(醤油・塩)」¥730なども多くのお客さんが注文されています。夏季限定の「冷麺(ゴマ)」¥850と「冷麺(醤油)」¥830も用意されていて、以前訪問した際にいずれ再訪して「冷麺」(冷やし中華)を食べようと思っていたもののウッカリ忘れていました。少し暖かくなってきたとは言え、まだ3月。さすがに冷やし中華は注文できません。“夏季限定”や“期間限定”の冷やし中華では、お店によって提供期間はさまざまなものの、長いところでも4月〜10月、短い場合は6月〜8月が相場でしょう。訪問した日はかなり暖かだったため、注文できるなら「冷麺」を食べたかったものの、さすがに早すぎです。アホのフリをしてイチかバチか注文してみるテがないワケでもないのですが、どんだけ冷やし中華を食べたいねん!とママさんから思われても恥ずかしいので、今夏にでも再々訪します。実は訪問前からムショーに炒飯が食べたかったこともあり、今回は唐揚げ2ヶとザーサイが付く「炒飯定食」¥900を注文してみました。

「炒飯定食」が到着。このボリューム感で¥900!しかも叉焼たっぷりの炒飯で見ただけでヨダレものですね。少し濃いめのモヤシスープもおいしく、食欲がさらに高まります。ザーサイも本格派でこのピリ辛具合が炒飯のお供にピッタリ。それでは炒飯をいただきましょう。

薄味ながら米の甘み、叉焼の旨味、卵のコク、ネギの風味が渾然一体となった素晴らしい味わいです。こちらの炒飯は管理人好みのシットリ系。パラパラ系原理主義者には不服かも知れませんが、やはり炒飯にはある程度の水分は必要なのだと実感できました。個人的にパラパラ系炒飯の、喉に詰まりそうになる感じがどうにも納得できないのです。そもそも“炒飯はパラパラでこそ本物”的な考えは、少なくとも管理人が子どもの頃はなかったように記憶しています。もちろん油分でベタついている炒飯は論外として、誰がパラパラ炒飯こそ究極であり至高、などと発信し始めたのでしょうか。本場の中国人料理人が作る炒飯でもパラパラ系が圧倒的かというとそうでもない、イヤあくまで個人的な見解ですが高級店ほどパラパラ系は少ないと感じることから、おそらく日本人の誰かがパラパラ炒飯を高評価して現在のパラパラ系至上主義が蔓延していると推察しています。パラパラ系・シットリ系は優劣ではなく個人の好みでは?と思うのですが、皆さんはいかがでしょうか。こちらのように炊き込みご飯から水分を少し飛ばしたぐらいの炒飯の方が、米をはじめ具材の味をしっかりと楽しめると考えているのですが、間違っているのでしょうか…といつも不安になります。

唐揚げも大ぶりなサイズで鶏モモ肉がジューシーです。下味は付いているものの、こちらも薄味仕立てでやさしいおいしさ。鶏モモ肉の旨味が口の中に広がります。強めの調味料で素材の味を殺していないため、食べ飽きることもありません。やはり揚げたての鶏唐揚げは純粋に旨い。ビールのツマミやご飯のオカズとして最強レベルです。こちらはテイクアウトにも力を入れられているようですが、この唐揚げなら冷めても十分においしいと思います。¥900で十分に満足できる「炒飯定食」を堪能できました。昼は週に2日だけですが、夜もアルコール類などともに楽しめますので、お近くまでお越しの際にはぜひ足を伸ばされてみてはいかがでしょうか。管理人は夏、冷やし中華の時期に忘れず再々訪することを約束いたします。…覚えていれば、のハナシですが。

[2023年3月11日訪問]

中華料理 茉莉花
●住所…京都市伏見区深草柴田屋敷町23-71(Google マップ
●TEL…075-645-5600
●定休日…日曜日および第1・第3・第5月曜日(ランチは火曜日および土曜日のみ営業)
●備考…禁煙
●ホームページ…なし
※詳しくは食べログ「茉莉花」でご確認ください。

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