奥深い味わいの味噌ダレに大満足のトンカツ専門店

洋食編
スポンサーリンク

とん八

日本人の心の調味料と言えば“味噌”。味噌汁を毎日飲まれる人も少なくないでしょう。また、サバの味噌煮やナス味噌炒めなど、料理に幅広く活用されることも多いと思います。…と、これは全国的なお話。京都も含めた関西圏では、味噌をあまり使いません。もちろん味噌汁を飲まないワケではないものの、毎日となるとかなり怪しいのではないでしょうか。さすがに味噌自体は常備されているご家庭の方が多いとは思いますし、単身者の管理人ですら冷蔵庫内には味噌が鎮座しています。ただ、そんなにしょっちゅう購入するものでもなく、最近いつ使ったっけ…?となることもしばしば。味噌汁は一人暮らし的にはフリーズドライタイプや生味噌タイプのインスタントで十分ですし、そうなると味噌汁以外で味噌を使う機会はとても限られるのです。“京都の人は白味噌なんじゃないの?”とおっしゃる人もいらっしゃいますが、それもまぁ人によるかな。確かに京料理のお店などでは白味噌を使った料理を提供されていますが、代表的な椀物を自宅で頻繁に作られている人はかなり珍しいでしょう。管理人の家庭で白味噌が活躍していたのは、せいぜいお雑煮やナスの田楽、ぬたぐらいでしょうか。個人的には味噌汁は赤だし派ですので、今では白味噌を購入するのはお雑煮用ぐらい、しかも使い切りタイプとなってしまいました。ただ、バリバリの?京都人で普段は味噌を冷蔵庫内のオブジェとして活用いる管理人でも、たま〜に味噌を使った料理が食べたくなります。味噌を使った料理はさまざまありますが、洋食好きな管理人としては味噌カツがイチオシ。トンカツにかけるソースとして洋食店ならデミグラスソース、トンカツ専門店なら独自に調合されたトンカツソースがスタンダードでしょうが、実はおろしポン酢もおいしいし、ウスターソース・ケチャップ・マヨネーズをブレンドしたオーロラソースを好む人もいらっしゃるようです。そして名古屋メシとしても有名で、東海地方では絶大な人気を誇る味噌ベースのソースもトンカツとの相性は抜群ではないでしょうか。しかし、関西では普及している、とまでは言い難い。おそらくですが、赤味噌の独特の風味に関西の人は慣れていないのでしょう。そこで今回は、関西の人でも抵抗なく食べられるおいしい味噌カツを求めて、北野白梅町方面へ向かいました。

西大路通今出川通の交差点(北野白梅町)を南へ130mほど行き、一条通の交差点(西大路一条)を西へ600mほど行ったところにあるトンカツ専門店「とん八(とんぱち)」。こちらも古くから営業されているお店で、ネット情報ではかつて一乗寺エリアで営業された後、現在地に移転されたそうです。管理人のかすかな記憶では、少なくとも30年は営業されているのではないでしょうか。西隣には京都市内でも超有名なお好み焼き店があるため、逆にあまり目立たないものの、地元の人などを中心に人気のあるお店です。昔ながらのお店だけあってトンカツ専門店というよりは、街の洋定食店といったリーズナブルさも魅力でしょう。昼の営業時間は11:30〜14時、夜は17時〜ラストオーダー20:30となっています。時刻は18:30、早速店内へ入ってみましょう。

カウンター4席と6名テーブル席2卓、奥は座敷席です。ちょっと古めかしい雰囲気が昭和の洋食店といった感じで、高級店にはないカジュアルさがあります。管理人が何回か伺った数少ない経験で申し訳ないのですが、昼の方が混む傾向でしたので、落ち着いて食事をしたい人は夜がオススメかも知れません。もちろん、相席になる可能性はあるものの、昼夜を問わずお一人様でも利用しやすいお店です。今回は「味噌カツ」をいただくため訪問しましたが、念のためメニューを確認してみましょう。

どの定食もおおむね¥1,000前後と気軽に利用できる料金設定で、最高額は「名代ヒレとんかつ定食」¥1,690。「餃子ロースカツ定食」や「明太子ロースカツ定食」、「ピザロースカツ定食」いずれも¥1,210など、魅惑のメニューにも心躍ります。また、トンカツ専門店らしく「かつ丼」¥880も評判の高い逸品。冬など季節によっては季節限定メニューも用意されていて、普段使いしやすいメニュー構成ではないでしょうか。サテ、今回のお目当てである味噌カツは、基本となる「みそカツ定食」¥880に「(上)みそカツ定食」¥1,150、「みそカツ定食デラックス」¥1,210の3種類がラインナップ。「(上)みそカツ定食」は「みそカツ定食」よりロースカツの肉がブ厚く、「みそカツ定食デラックス」はエビフライとミートボールが付くセットとなっています。管理人は久しぶりの訪問ですので、今回は贅沢をして“デラックス”に決定。体型だけはデラックスですので、何となく親近感を抱いてしまいました。

「みそカツ定食デラックス」が到着。こちらのご主人は本場・名古屋で修行されたことがあるようで、この一見デミグラスソースのような焦げ茶色のソースが、普段味噌カツに慣れ親しんでいない人にもぜひオススメしたい味噌ダレです。大きめのエビフライ1尾とミートボール2個も付いてボリュームも満点。そしてトンカツ専門店や洋食店の味噌汁としては必須の赤だしで、和食店の赤だしとは異なる濃ゆい味もカツやフライのお供にピッタリです。モウモウと湯気の上がるトンカツは庶民のご馳走でしょう。ではこちらの「みそカツ」をいただきます。

やはり味噌とトンカツの相性は抜群です。豚ロース肉の脂の甘みと肉の旨味に、赤味噌ベースの味噌ダレが絶妙にマッチします。味噌ダレ自体は一般的な味噌カツよりも赤味噌の風味は控えめながら、口の中で赤味噌の風味と甘み、コクがジンワリと効いてくる味わい。味噌味噌と過剰に主張していないため、赤味噌に不慣れな人でも堪能できると思います。豚ロース肉も固すぎず&柔らかすぎずで食べごたえもあって、本当においしい。お高いトンカツ専門店のような肉質重視のお店ではないものの、気軽にいただけるトンカツとしては最高レベルではないでしょうか。何と言ってもご飯のオカズとしても相当に素晴らしいおいしさで、飲む人ならビールもヨシ、池波正太郎先生のように日本酒とのマリアージュも楽しめるでしょう。

揚げたてのエビフライに文句などありません。しかもタルタルソースがたっぷり!さすがはデラックスな内容、ミートボールも揚げたもので、箸休め?として有効です。この陣容で¥1,210であればランチでもディナーでも満足度は相当高いと感じました。そして糸のような千切りキャベツではない、ちょっと無骨な千切りキャベツがなぜだかとてもおいしい。このカットの千切りキャベツでおいしいと感じたことは、こちら以外ではほぼ記憶にありません。なぜおいしいのかもサッパリわかりません。まぁ長年の腕の賜物、といったことなのでしょうか。とにかくガチ?京都人の管理人でもクセになる味噌カツを堪能することができました。こちらは嵐電「等持院・立命館大学衣笠キャンパス前駅」から徒歩4分程度と交通アクセスも便利で、立命館大学の学生や教職員、関係者などからも長年愛されているお店です。京都市内でもあまり食べられない関西人も納得の味噌カツを食べたい人は、ぜひこちらの「みそカツ定食」各種をお試しください。

[2023年7月4日訪問]

とん八
●住所…京都市北区等持院南町35-19(Google マップ
●TEL…075-461-9871
●定休日…木曜日および第2・第3水曜日
●備考…禁煙
●ホームページ…なし
※詳しくは食べログ「とん八」をご確認ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました