柳馬場 梅乃井
京料理と言えば「ハモ」が有名ですが京都では鰻職人も多く、鰻の名店も数多く存在します。また、東山には鰻供養で知られる「三嶋神社」があるなど、鰻と京都人のかかわりは意外に深いと言えるでしょう。夏の「土用の丑」に繁盛する鰻料理店、実は鰻の旬は晩秋から冬にかけて。正月休み期間で少し気が大きくなっていたこともあり、久しぶりに脂の乗った旬の鰻を食べに行こうと出かけました。
向かった先は「柳馬場 梅乃井(やなぎのばんば うめのい)」。“ウメノイ”の屋号を持つ鰻料理店は京都に複数ありますが、それそれが系列店などではないようです。「柳馬場 梅乃井」は管理人オススメの鰻料理店の1店で、90年以上の歴史を誇り、鰻を比較的リーズナブルな価格で食べられるお店。あまり有名ではない隠れた名店ですが、平日のランチタイムには地元の方はもちろん、近年では観光客も多く見受けられるようになりました。今年2019年は本日1月5日から営業とのことでしたので、早速伺ってみます。

11:50に到着。本日が仕事始めのためかランチメニューはなく、グランドメニューのみの提供のようです。続けて店内へ入ってみましょう。

以前であれば土日の昼は割と空いているお店だったのですが、本日は地元の方でしょうか、すでに3名1組のお客さんが入店されていました。12時を過ぎると観光の方が続々と入店され、気づけば満席に。小上がりの4名座敷2組とテーブル席は6名席2組、4名席1組というこじんまりとしたお店です。お一人様でも入店しやすく、6名席での相席となります。グランドメニューには簡体字で書かれた中国人向けメニューも用意されていて、時代の流れを感じました。ではグランドメニューをご覧ください。



鰻重のラインナップは以下のとおりです。
○松[約1/2匹]…¥2,400
○竹[約2/3匹]…¥3,200
○梅[約1匹]…¥4,450
○特上[約1.5匹]…¥6,500
※プラス¥350で肝吸いが付きます。
本格的な鰻料理店としては高くはないものの、鰻は年々不漁で価格が高騰していることもあり、気軽に食べられないのも事実です。当ブログの方針として本来なら「松」¥2,400を注文しなくてはいけないのですが、新年最初の鰻重ということもあり、ちょっと贅沢をして「竹」¥3,200を注文してみました。
本物の鰻料理は注文してから時間がかかります。その間のつなぎとして「骨せんべい」が出てきました。

本日は友人と2名で伺ったので、こちらは2名分の「骨せんべい」です。鰻の中骨をじっくりと素揚げして塩を振っただけのものですが、サクサクとした食感と鰻の風味や脂の旨味が感じられ、ビールや日本酒にも最適なツマミではないでしょうか。「骨せんべい」を食べていると、しばらくして鰻重「竹」が登場しました。

ツヤのある蒲焼き、そして香りに心が揺さぶられます。漬物は白菜、赤カブ、柴漬けでどれも素晴らしい味わいです。よく“鰻屋の漬物はおいしい”と言われますが、こちらの漬物も例外ではありません。醤油を垂らさなくても十分おいしい、まろやかな塩気が箸休めにぴったりだと思います。いよいよ鰻重「竹」を食べてみましょう。

蒲焼きがふわっふわ!!
こちらの蒲焼きは関東風で、蒸して焼くスタイルです。関西の付け焼きスタイルと比べて鰻の脂が適度に抜け、仕上がりも柔らかくなるのが関東風の特徴。国産鰻の旨み、タレの味とご飯が口の中で渾然一体となり、スーッととけていきます。脂っこくなく川魚特有の臭みもまったくない、鰻のおいしさを純粋に味わうことができる鰻重。スーパーなどで販売されている鰻の蒲焼きとは次元の違うおいしさを、存分に楽しむことができました。
鰻の名店と言えば車がないと行けない郊外にあることも多いのですが、「柳馬場 梅乃井」は京都市役所から徒歩5分程度と便利な場所にあるのも見逃せません。“たまには本格的な鰻が食べたい”とちょっと贅沢をしたいときに手軽に訪問できるのも魅力ではないでしょうか。京都で手頃な価格で鰻重などを楽しみたい方は、ぜひ一度お試しください。有名店にも引けを取らない鰻料理が味わえるはずです。
[2019年1月5日訪問]
= 柳馬場 梅乃井 =
●住所…京都市中京区柳八幡町74-2
●TEL…075-221-5197
●定休日…火曜日
●備考…店内禁煙
●ホームページ…http://www.umenoi.com/
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