市場近くで魚の定食を手頃に食べられる定食店

和食編

お食事処 金時

祇園祭を迎えた夏、京都を代表する夏の魚と言えばハモ。この時期、京都人は他都道府県の人から“やっぱり地元ではハモをよく食べるんでしょう?”と聞かれ“そうですね〜京都の夏と言えばハモですから〜”などと不毛な会話をあっちこっちで繰り広げています。ハモ好きな京都人を演出しなければならない苦痛な瞬間で、実際にはハモなんて年に数回食べればよい方です。“しょっちゅうハモ食べてます”と言う人は漁師さんか魚屋さんぐらい。地元民よりも観光客の方がよく食べていると思います。よく考えれば当たり前の話で、ハモは今や高級魚ですからハモを買うなら肉買うわ!となるのではないでしょうか。そもそも、京都の庶民が昔から慣れ親しんでいた魚はハモでもアユでもなくサバ。それも鯖寿司のような立派なサバではなく、普通のサバの煮付けや塩焼きです。晩秋から初春までは旬のマサバ、それ以外は1年を通しておいしいゴマサバの、塩サバか冷凍サバが食べられていました。

しかし数十年前からサバが不漁となってサンマの豊漁が続き、最近ではサンマに変わって脂の乗った安値のマイワシをよく見かけます。サバが不漁となった理由については“魚種交替説”や“地球温暖化説”などさまざまな説があり、よくわかっていません。また、旬のマサバ(寒サバ)以上に脂の乗ったノルウェーサバ(タイセイヨウサバ)が全国的に流通しているものの、京都での人気は正直イマイチ。“サバは国産”という固定概念を持っている人が特にミドル以上に多い印象です。しかもノルウェーサバは脂が乗り過ぎでクドい、青魚特有のクセが強い、という意見も耳にします。個人的には痩せた国産サバであればノルウェーサバの方が圧倒的においしいと思うのですが、そんなこともあり京都の家庭でサバが食べられなくなっているようです。そこで今回は、京都で1年を通して食べられている“サバの煮付け”を求めて、京都市中央市場近くにある定食店「お食事処 金時(おしょくじどころ きんとき)」へ伺いました。

堀川五条の交差点を西へ100mほど行ったところにある、猪熊通の西側のお店です。京都市中央市場西本願寺龍谷大学 大宮キャンパスなども近く、地元の方や近隣オフィスのビジネスマンなどで賑わっています。創業は1952年(昭和27年)と約70年の歴史があり、和食から洋食のさまざまな定食をいただける京都らしい良店。市場に近いこともあり、特に魚の定食が充実している京都では珍しい定食店です。時刻は13:10、早速店内へ入ってみましょう。

ランチタイムは混み合いますが、昼の営業終了時刻が14時ということもあって、13時を過ぎればほぼ待たずに入店できます。店内は落ち着いた雰囲気で、客層はミドル以上が多いでしょうか。年配のご主人が調理を担当され、妙齢の美魔女3名が接客を担当されていました。かなり大きな声で注文しないとちょっとあやしい感じですが、妙齢の美魔女ですので諦めましょう。ではメニューを確認してみます。

“サバの煮付け定食なんてないじゃないか!”と思われるかも知れませんが、京都市内で「煮魚」と言えば9割方サバ。ごく一部ではハマチやブリもありますが、「煮魚」を注文してマダイアカミーバイなどは出てきませんのでご安心を。もし「煮魚」を注文してそんなのを提供しているお店がありましたらご一報ください必ず伺って最優先でREPORTします。今回はお昼の定食「煮魚」¥800と単品の「クリームコロッケ」¥350を注文してみました。

飴色に炊かれたサバが京都で食べられている“サバの煮付け”です。京都には“サバの煮付け”で有名なお店が数店あり、だいたい2〜3日煮込まれていて骨まで食べられますが、こちらの“サバの煮付け”は家庭でお馴染みの数十分で仕上げられたものでしょう。2〜3日煮込まれたサバもおいしいのですが、管理人が知る“サバの煮付け”ではなく、もはや別物。こちらの煮付けはサバの脂の味わいや旨味が身にしっかりと残り、砂糖や醤油、ミリン、酒、生姜で炊かれた濃厚な味わいが絶品です。ご飯が止まりません。赤だしやだし巻き、キンピラゴボウ、サヤエンドウのゴマよごしも京都のおばんざいらしい、家庭的なおいしさを堪能できます。

そして「クリームコロッケ」はカニの風味が香るやさしい味わい。サクサクに揚げられた「クリームコロッケ」は軽い食感で、中のなめらかなクリームは丁寧に作られています。こちらでは和定食だけではなく、洋風の定食にも定評があり、特にランチタイムでは注文される方が多いようです。洋食にも関わらず何となく和の雰囲気が感じられる、上品な「クリームコロッケ」を味わうことができました。

対外的には“ハモ食べてまーす”と言いながら、実際にはサバの煮つけや塩焼きをよく食べる京都庶民の秘密を暴露してしまいました。もし当ブログの更新が止まっていたら、京都庶民の密命を受けた陰陽師によって管理人は消されたと思ってください。ただ、鮮魚や活魚に乏しかった京都の知恵と工夫で編み出されたサバの煮つけは、ぜひ食べていただきたい。サバの味噌煮にはないサバ本来の旨味を存分に味わえるハズです。「お食事処 金時」ならお昼の定食「お刺身」¥1,100や「焼魚」¥800もあり、魚好きなら絶対に満足いただけると断言しておきます。

[2019年7月9日訪問]

お食事処 金時
●住所…京都市下京区柿本町593-2
●TEL…075-811-5903
●定休日…日曜日および祝日
●備考…店内喫煙可
●ホームページ…なし
※詳細は食べログ「金時」で検索してください。

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