キッチンぽあぶる
昨年2018年まで、北大路通と下鴨本通の交差点(洛北高校前)北東角に「タナカコーヒ」の洛北店がありました。貴重な下鴨エリアの喫茶店だったものの残念ながら閉業され、今年2019年の1月にオープンされたのが洋食店「キッチンぽあぶる」です。同じビルの敷地横には永年に渡って営業している「吉野家 京都洛北店」が鎮座しており、新しい洋食店の開業は厳しいのではないか、と勝手に心配していました。しかしコンスタントにお客さんが入っている様子だったこともあり、下鴨の住民として伺ってみることに。

7月27日はちょうど台風6号が到来していて、昼から夜まで雨でした。そんな中、13:30に到着。“ぽあぶる”とは“胡椒(Poivre)”を意味するフランス語だそうです。台風にも関わらず営業されていましたので店内へ入ってみました。

雨の中、意外にも女性2名1組、カップル1組、男性ミドルのお一人様1名が食事をされていました。お客さんはほとんどが地元のミドル以上の方でしょうか。ケチンボな下鴨の人でも外食するんだなぁ…と妙に関心しながら、店内に掲出されているメニューを確認してみます。

こちらで評判が高いのは「ぽあぶる風ステーキ丼」¥1,300。価格以上に柔らかな牛肉のステーキが食べられるとあって、人気があることは知っていました。また、一般の洋食店ではあまり馴染みがない海鮮を使ったメニューも好評で、洋食店というよりはビストロのようなメニュー構成です。しかも日替りメニューはすべて¥1,000以下という手軽さも良心的。今回はステーキ丼と海鮮メニューを両方楽しめる「ハーフぽあぶる風ステーキ丼と海老フライ」¥1,000を注文してみました。

¥1,000とは思えないゴージャスなセットが到着しました。中ぶりの海老フライ2尾はカラリと揚げられ、自家製のタルタルソースとの相性も抜群です。身がしっかりと詰まった海老で、海老の甘みと旨味が口の中に広がります。この海老フライとライス、味噌汁でも¥1,000の価値は十分にあると思いました。しかし主役は「ハーフぽあぶる風ステーキ丼」です。添えられている卵黄は、途中で味変するためのもの。まずはそのままで丼をいただきます。

価格的に外国産牛だと思い込んでいたのですが、もの凄く柔らかで国産牛以上のクオリティのステーキです。ロース肉だと感じたものの、この価格でロース肉は通常あり得ません。しかもシメジはともかく、比較的高価なマッシュルームまで入っています。かなりしっかりと味わったのですが、外国産牛のロース肉に下処理をして柔らかくしたような代物とは、どうしても思えませんでした。もちろん成型肉でもありません。ひょっとしてマスターは自宅で牛を飼い、マッシュルームを栽培しているのでは?と推理してみたものの、価格と釣り合っていない上質なステーキの謎を解明することはできませんでした。

“なぜこの値段でこのレベルのステーキ丼が食べられるのか”が気になってしまい、純粋においしさを味わえません。そこで味だけに集中するため、卵黄をかけて味変してみます。ステーキソースは軽くニンニクが効いた醤油味でご飯とよく合う上に、卵黄でより濃厚なコクがプラスされた絶品の丼です。最上級のTKG(卵かけご飯)と言っても過言ではありません。シメジとマッシュルーム、カイワレも味と食感のアクセントとなっています。味わい的にもビジュアル的にも“贅沢な丼”だと感心しました。
柔らかで肉の旨味と脂の甘みをしっかりと味わえるステーキ丼です。ガッツリ楽しむなら¥1,300の「ぽあぶる風ステーキ丼」がオススメ。管理人の体感的には¥3,000以上の価値は絶対にある!と断言できます。下鴨神社から徒歩10分程度ですので、観光ついでにでも訪問されてみてはいかがでしょうか。ステーキ丼の穴場店ですので、柔らかなステーキがお好きな方はぜひお立ち寄りください。
[2019年7月27日訪問]
キッチンぽあぶる
●住所…京都市左京区下鴨本町12-3 洛北ビル1F
●TEL…075-712-2890
●定休日…水曜日
●備考…店内禁煙
●ホームページ…なし
※詳細は食べログ「キッチンぽあぶる」で検索してください。
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