イタリアン出身のマスターが作り出すラーメン店

中華編

2019.09.14

らーめん家まあご

管理人は洋食が大好きです。どのぐらい好きかと問われると、みちょぱの次に大好きというぐらい好き。ものすごく変態好きということは何となくご理解いただけたハズ。しかし残念ながら京都で22時以降に洋食が食べられる飲食店はかなり限られます。ましてお一人様でも行きやすいとなると数軒でしょうか。“だからファミレスがあるんやで”という声も聞こえてきそうですが、夜のファミレスにお一人様で行くのはかなり抵抗があります。朝や昼はまったく気にならないものの、夜だけは別。だって陽キャと呼ばれる人種が集団でたむろしてそうじゃないですか。居心地いい訳ないので、まず行きません。でも何としても洋食が食べたい夜もあります。そこでふと、とあるラーメン店を思い出し、久しぶりに出かけてみることにしました。

北野天満宮前の交差点を西へ200mほど行ったところにある「らーめん家まあご」。こちらは3年ほど前まで円町エリアにて「らーめん家麻阿悟」として17年ほど営業されていたお店で、北野天満宮の近くに移転されました。円町時代はイタリアン出身のマスターが作られる洋風テイストなラーメンは人気を集め、また洋風な一品料理やワインも数多く用意されていたと記憶しています。北野天満宮近くに移転された当初に伺った際、一品料理やワインの種類が減ったように感じましたが、洋風テイストなラーメンは健在でした。23時まで営業されていて、夜遅くでも安心して洋食テイストをいただけます。ただし肥満系のことを考えると、料理をいただいた後に安心から不安へと変わるのですが。時刻は22時、早速店内へ入ってみましょう。

どう見てもラーメン店ではなくビストロ風のオシャレな店内です。カウンター席はなくすべてテーブル席で、愛想のいい奥様が接客を担当。訪問した9月2日は週の初めの月曜日ということもあり、お客さんは少なめでしたが、普段は地元の方や観光客などで賑わっています。メニューは壁面の黒板をご覧ください。

管理人は飲めないのでワインはいただけませんが、ノンアルコールビールは必須。そしてイチ押しのツマミは「ベシャメルコロッケトマトソースぞえ」¥480です。クリームコロッケのクリームソースのことをフランス料理ではベシャメルと呼びます。カニやエビなどは入っていないシンプルなクリームコロッケで、洋食店であればお店の実力が試されるメニュー。今回は「ベシャメルコロッケ」と、ラーメンとして「この味天下無双やみつき白」¥750を注文します。あっ、注文する際は「白」と言えば大丈夫ですよ。ほどなくして「ベシャメルコロッケトマトソースぞえ」が運ばれてきました。

本格的な洋食店のクリームコロッケです。カニやエビがないとは言え、¥480で4個のクリームコロッケはかなりお値打ち。自家製のトマトソースとパルメザンチーズがかかっているのはイタリアンらしいと言えます。サクサクに揚げられたコロッケをかじると、トロ〜リとしたちょうどいい粘度のベシャメルが口の中にあふれ出てきました。ミルクとバターの濃厚でクリーミーなコクのあるなめらかなベシャメルはプロの技術が光る逸品です。爽やかな酸味のトマトソースとほどよい塩気のパルメザンチーズも味のアクセントとなっています。予想以上に（ノンアルコール）ビールがグイグイと進むおいしさでした。

「この味天下無双やみつき白」が到着。鶏白湯を彷彿とさせる白いスープに豚と鶏2種類のチャーシュー、チンゲンサイがあしらわれています。そして中央にはバター。黒胡椒と乾燥バジルのいい香りが心地よく、見ているだけで食欲が高まります。では早速いただきましょう。

麺は太めの中華麺で、モチモチとした食感がスープとよく合います。白いスープは牛乳と魚介、鶏ガラだそうで、3種類の異なり旨味が融合されたチャウダー系のリッチな味わい。黒胡椒が加わり、カルボナーラのようなおいしさです。脂っこさはなく、ミルキーでマイルドな味は女性に人気なのもうなずけます。鶏チャーシューはチキンシチューを例に出すまでもなく、白スープとの相性も抜群。豚チャーシューは極限まで柔らかく煮込まれたやさしい味わいが絶品と言えるでしょう。一般的なラーメンとはまったく異なる洋風テイストなラーメンで、バターの風味も効いた洋食好きならたまらないラーメンではないでしょうか。

今回は体重が気になってしまい注文しませんでしたが、トッピングの「パルメザンチーズ」¥100と「ライス」¥150を残ったスープに入れると極上のリゾットに変身します。もう少し寒い季節に訪問していたら、確実にリゾットを食べていました。一番人気の「赤」¥750もトマトソースがベースのよりイタリアンらしい絶品ラーメンです。北野天満宮近くに来られた際は、ぜひ洋風テイストのラーメンという珍しいおいしさを堪能されてみてはいかがでしょうか。英語のメニューも店頭に掲出されていますので、外国人観光客の方も安心ですよ。