暖包食堂 ヤンパオ
管理人が幼い頃、「はじめ人間ギャートルズ」というアニメがありました。その中で主人公のゴンが食べていた肉があり、その肉がおいしそう過ぎて子どもの頃からの憧れとして現在に至っています。
俗に「マンガ肉」と呼ばれる骨付き肉、最近の方々は“海賊王になると言い張っている麦わら帽の少年”が食べている肉としてお馴染みでしょう。管理人は“あのマンガ肉を死ぬまでに食べてみたい”と永年想い焦がれていたのですが、この度ついに夢がかないました。京都のチャイナタウン(と勝手に命名)である元田中エリアに、あのマンガ肉を食べさせてくれるお店「暖包食堂 ヤンパオ(やんぱおしょくどう やんぱお)」があります。
ご夫婦で切り盛りされているお店で、今年2019年3月10日から注文システムや営業日、営業時間が変わっていました。以前は23時まで営業されていたのですが、現在は奥様が赤ちゃんの面倒の見ながら接客などをされているため、21時までの営業となっています。2002年4月の開業以来、多くの方がマンガ肉を食べようと訪れていて、特に京都大学の学生は必ず一度はこちらで食事を取るとの噂を耳にしました。いつもなら店内に入るところですが、こちらでは店頭のメニューを見ながら注文したい料理の木札を取って入店する注文スタイルとなります。
この「アナログ食券機」と呼ばれている注文スタイル、最初はかなり戸惑うことでしょう。料理名の表裏(おもてうら)で「定食」と「単品」に分かれているのもポイント。ちなみに「定食」はサラダ、スープ、ごはん、自家製旨豆冨付ですのでお一人様なら断然お得です。今回は友人2名が同行しており、2名が定食を注文していますが料理はシェアします。とりあえず絶対にはずせない「マンガ肉」単品¥1,000/定食¥1,350と「マーボー旨豆冨」単品¥600/定食¥750、「ヤンパオの甘酢唐揚」単品¥520/定食¥720、「とりめし」単品¥550/定食¥750の木札を取って入店しました。
奥にVIPルームと呼ばれるテーブル席はあるそうですが、基本はカウンター席のお店です。お客さんはほとんどが学生さんでしょうか、京大生とおぼしき学生でほぼ満席状態でした。店頭のアナログ食券機で注文は済ませているものの、改めてメニューをご覧ください。
“人類の夢!!”と書かれた「マンガ肉」をはじめ、表(おもて)面はほぼ肉メニューで占められています。裏(うら)面はサラダやツマミ、デザートで、飲む人にも便利なお店。全体的にエスニック&中華風な感じの料理メニューが多いのも特徴です。まずは定食に付く「自家製旨豆冨」が運ばれてきました。
ホイップクリームの絞り袋で絞り出されたような形状の自家製豆腐にダシベースの餡が張られた突き出しです。管理人は定食を注文しておらず、どうやら勘違いされてたようですが“どうぞどうぞ”と勧めていただきました。恐縮しながらありがたくいただくと、和風な温かいダシ餡になめらかで大豆の味が濃い温かい豆腐がおいしい一品。冷奴ではなく温かい料理だからこそ、手作り豆腐の味わいがしっかりと感じられました。
「ヤンパオの甘酢唐揚」です。濃厚なテリヤキ風のタレと鶏唐揚、野菜の組合せはごはんやビールなどにぴったり。一般的な酢豚などに比べると酸っぱさは控えめで、若い人なら絶対に喜ぶ味わいではないでしょうか。唐揚に使われている鶏肉はモモ肉なこともあり、ボリュームも満点です。
そして「マーボー旨豆冨」。自家製の大豆の味わいが濃厚な豆腐に本格的な麻婆餡がかけられています。激辛ではありませんのでご安心ください。四川山椒もかけられていて、しびれるピリ辛も堪能できる麻婆豆腐です。麻婆餡も濃厚で、やはりこちらも若い人向けといった味わい。これはごはんが進みます。
そして友人たちと物議を醸した「とりめし」です。こちらは定食を注文していない管理人のオーダーで、勝手に炊き込みご飯的な料理だと思い込んでいました。まさかのごはんナシ。メニューには“めっちゃ照り焼きの丸ごともも肉”とあり、確かにご飯物とは一言も書かれていません。全国にはさまざまな製法で作られている「とりめし」があることは知っていたものの、ごはんナシは見たことも聞いたこともありませんでした。味わいは鶏モモ肉の照り焼きで、添えられているワサビと温泉玉子がアクセント。単品でも(ノンアルコール)ビールによく合います。お一人様ならぜひ定食を注文し、ごはんの上にザバァとかけて食べても絶対においしいと感じました。
いよいよ今回の目的である「マンガ肉」が満を持しての登場です。これは管理人が47年間憧れていた“あのマンガ肉”。もう見た目だけで胸熱ではないでしょうか。一応ナイフとフォークは出されますが、ご主人、そして奥様から立て続けに“かぶりついてくださいね”と笑顔でプレッシャーをかけられます。もちろんマンガ肉を食べている漫画やアニメの主人公は骨を両手で持ってかぶりついていますので、それが正式な作法です。しかし…管理人は主人公キャラではありませんし、仲間とシェアしたいのでご主人や奥様の期待を裏切り、ナイフとフォークを使ってしまいました。
マンガ肉の断面図です。おそらく豚のスペアリブを成形されてマンガ肉を作られていると思いますが、製法は門外不出でしょうから詳細は省きます。豚肉は意外と赤身肉で脂身は少なめで、じっくりとローストされ旨味が凝縮している感じです。甘辛なタレもしっかりと付けられていて、こちらもごはんやビールとともにいただく料理でしょう。塊のチャーシューを想像していただくと近いように感じますが、骨付きだと途端に人類の夢へとランクアップしますね。
死ぬまでに一度でいいから食べてみたかった“あのマンガ肉”を堪能でき、もうこの世に思い残すことはなくなりました。“あのマンガ肉”を食べたことがない方は、ぜひ「暖包食堂 ヤンパオ」まで出かけられてはいかがでしょうか。肉塊をガブリとかぶりつく漫画やアニメの主人公になった気分にひたれます。ちなみに管理人はアニメ「アルプスの少女ハイジ」でおんじがハイジに与えていた伸びるチーズを食べるまでは死ねません。当ブログはまだしばらくは続きますので、あらかじめご了承ください。
[2019年9月21日訪問]
暖包食堂 ヤンパオ
●住所…京都市左京区田中飛鳥井町65
●TEL…075-712-3977
●定休日…日曜日および月曜日
●備考…禁煙
●ホームページ…twitter
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