京都夷川餃子 なかじま
キリスト教ではアダムとイブが生まれ、現在の人類になったと言われています。生物学的な観点では現生人類の祖先と言われる霊長類は、約500万年前に誕生したそうです。約500万年もの間、男女が愛しあうことで現在まで連綿と続いているのが人類の歴史と言えるでしょう。そして愛しあうという崇高な営みの中でも、とりわけ興奮重要な行為がキスではないでしょうか。そんなキスの感触をイメージした餃子を提供している、とんでもないお店が今年2019年2月にオープンしました。堀川通と夷川通の交差点を東へ300mほど行ったところにある餃子専門店「京都夷川餃子 なかじま(きょうとえびすがわぎょうざ なかじま)」です。
株式会社Burpという宿泊業や飲食業を経営されている企業が母体のお店で、そちらのプレスリリースには“店長の中嶋がキスの感触をイメージした柔らかさと香ばしさの混ざった触感です。”と書かれています。管理人は永年、さまざまな企業の広報・広告戦略に携わってきましたが、企業のプレスリリースで書かれる文章としてはかなり異例。中嶋店長はド変態なの?という疑問がわかないではないものの、管理人もキスの感触はぜひ試してみたい。そこで21時に入店してみました。
実は数週間前にもお店の前まで行ったものの、行列ができていたので諦めたお店です。訪問した2019年10月2日は22時営業終了ということもあり行列まではできていないものの、かなりの繁盛ぶり。しかもお客さんは若い女性が多めときたもんだ!これはキスの感触が楽しみになってまいりました。内装は昔ながらの食堂をイメージして作られたようで、昭和テイストは漂いながらオシャレさも感じられます。若い女性やお一人様でも安心して利用できそうなお店でしょう。早速メニューを確認してみます。
「ぎょうざディープ(にんにく入ぎょうざ 5個)」¥270、「ぎょうざフレンチ(にんにく無ぎょうざ 5個)」¥270と、どこまでキスにこだわったネーミングなのでしょうか。「茹ぎょうざ(パクチーのせ 5個)」¥350や一品メニューも充実していて、餃子酒場のような雰囲気です。もちろん飲まない人もライスなどがあるので大丈夫。今回はノンアルコールビールに「ぎょうざディープ(にんにく入ぎょうざ 5個)」、「もやしナムル」¥380、「エッグチャーシュー」¥580を注文してみました。翌日も仕事でニンニクがっつりは本来NGなんですが、もう“ディープキス”しか目に入っていません。
まずは「もやしナムル」が到着。いきなり“ディープキス”も何ですからね。見た目は韓国料理のナムルのような唐辛子多めのピリ辛かと思いきや、意外にあっさりで上品な味わいです。辛さも抑え気味で、モヤシのシャクシャクとした触感が心地いい一品。噛むごとにモヤシのみずみずしい味が口の中にあふれ出て、ツマミとしては有効だと感じました。もう少し辛味がほしい方は、テーブルに備え付けのラー油を適量かければ、しっかりとした辛さを楽しむことができるでしょう。
そして「エッグチャーシュー」。“ディープキス”をじらす悪女のようなお店です。ブ厚めにカットされたチャーシューに温泉玉子とトロミのあるタレが乗っています。見るからにおいしそうでビールやハイボールなどにもピッタリではないでしょうか。また、「ライス」(中:¥150・大:¥200)を注文すれば、温玉チャーシュー丼も自作できて〆にもよさそうです。では温玉をつぶしていただきましょう。
豚バラ肉の脂の甘みがとろける味わい。さらに甘めのタレと温玉のコクが加わって、絶品な仕上がりとなっています。この「エッグチャーシュー」だけでも、こちらに来た価値があると断言できるのではないでしょうか。最近ラーメン店などではやりの煮豚ではなく、しっかりと焼豚になっているのも高ポイントです。チビチビとつまむつもりが、ついパクパク食べてしまうほどのおいしさ。ただ、チャーシュー本体を食べると、お皿にタレと温玉が残ってしまうのはもったいなく感じました。プレーン(具なし)の中華饅頭(包子)があれば、お皿のタレや温玉を余すことなく味わえるだけでなく、チャーシュー饅としても楽しめますので、ぜひメニューに加えていただきたいと熱望しておきます。
いよいよ「ぎょうざディープ(にんにく入ぎょうざ 5個)」です。ぷっくりとした皮に期待感も高まり、ハァハァと興奮してしまいます。唇をとがらせて餃子にチュッチュしようと思っていたのですが、実は隣の席で若い女性店員さんがずーっと作業をされていて、確実にハレンチな姿を見られてしまう事態に。もしかすると挙動不審な管理人を見て監視されているのでは?と疑心暗鬼になってきました。チュッチュするのは次回のお楽しみとして、普通にいただきましょう。
おすすめの食べ方どおり、まずはカラシ酢醤油でいただきます。柔らかで口当たりのいい皮と、餡にたっぷり入っている豚肉の旨味がしっかりと感じられる餃子です。こちらの餃子の豚肉は「京都ぽーく」を使われているそうで、濃厚ながら上品な豚肉の味わいを存分に楽しむことができます。香辛料などは控えめなため、あっさり味でいくつでも食べられそうなおいしさ。大衆中華店のガツンとした味の餃子ではなく、高級中華店によく見られる素材の持ち味を活かしたさっぱりとした餃子です。これなら確かに酢醤油ラー油よりもカラシ酢醤油の方が合うかも知れません。もちろん酢醤油ラー油で食べてもラー油のピリ辛味によく合います。ビールなどのツマミにはカラシ酢醤油、ご飯のお供には酢醤油ラー油といった食べ分けもできると思いました。
“キスの感触”が何となくわかる官能的な皮の触感もおいしいニューカマーな餃子専門店です。あっさり・さっぱり味なだけあって、餃子をたっぷりと食べたい方には特におすすめではないでしょうか。地下鉄「丸太町駅」から徒歩6分程度の場所にありますので、お近くまでお立ち寄りの際にはランチやディナーにぜひキスの感触を楽しんでみてくださいね。ニンニクが苦手な方は「ぎょうざフレンチ(にんにく無ぎょうざ 5個)」をどうぞ。
[2019年10月2日訪問]
京都夷川餃子 なかじま
●住所…京都市中京区薬師町652-1
●TEL…075-223-0141
●定休日…火曜日
●備考…禁煙
●ホームページ
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