タンメンと餃子 KIBARU
“タンメン” は主に関東地方で食されている麺料理だとウィキペディアに書いてあります。確かに関西では“タンメン”が話題にのぼることあまりありません。しかし昭和の時代、京都の大衆中華店ではどこのお店でも“タンメン”はひっそりと提供されていました。仲間?である“五目そば”との違いがわかりにくかったり、あっさり味のためミドル以上の男性しか頼んでいなかったりと、京都では不遇なタンメン。さらに若者からはタンタンメンと勘違いされるなど、いまいちメジャーにはなりきれていません。そんな現状を打破するためかどうかは知りませんが、京都発祥のメガラーメンチェーン「魁力屋」が新業態としてタンメン専門店を開業してしまいました。
四条通と烏丸通の交差点(四条烏丸)を西へ300mほど行ったところにある「タンメンと餃子 KIBARU(たんめんとぎょうざ きばる)」で、今年2019年(令和元年)8月にオープンされたお店です。23時まで営業されていて、夜遅くの食事にも対応しています。伺ったのは月曜日、しかも22時にも関わらず、多くのお客さんで賑わっていました。早速店内へ入ってみましょう。
店内は若い女性でいっぱい!辛うじてカウンター席が空いていたため座れたものの、店内写真の撮影は諦めます。お客さんも若い女性なら店員さんも若い女性で“ちょっと思ってたのは違う”と感じたものの、メニューをチェック。“タンメンの辛さって何?”とメニューを見ても“やっぱり思ってたのは違う” 状態です。京都のタンメンと言えば白濁した鶏ガラスープに野菜がどっさり、豚コマちょっぴりでテキトーにコショウをかけていただく麺料理のハズ。それこそ五目そばや塩ラーメン的なもので、担々麺のように辛さを選べるたぐいのものではありません。しかし改めて調べてみると、確かに関東のタンメンは辛味噌で味を調節しながらいただくのが正解のようです。幼い頃から食べてきたタンメンは一体何だったんだ…とショックを受けつつ「タンメン(並)」¥650のトッピングに「生卵」¥50と「肉増し」¥200とした「餃子セット(餃子5ヶ+ごはん(小))」¥250の計¥1,150を注文。ちなみにタンメンの辛さは1〜5辛までは無料で、10辛¥50、20辛¥100も用意されています。今回は無料の中では最も凡庸中間の3辛をチョイスしました。
「タンメン(並)生卵・肉増しトッピングの餃子セット」が到着。見た目、中央の辛味噌以外はタンメン風のビジュアルです。辛味噌を溶かずスープをすすってみると…少し薄味な醤油ラーメンのスープ風。鶏ガラスープではなく豚バラと白菜のスープだそうで、淡白な旨味が奥深い味わいです。これまで管理人が食べてきたニセ?タンメンとはまったく異なる味ですが悪くはありません。では辛味噌を溶いて改めてスープをいただきましょう。
激辛とまではいかないまでも3辛でもそこそこ辛いのですが、すぐに辛味が消えてスープのコクと旨味が舌に残るおいしさです。辛味噌で1本芯の通った味わいとなり、辛味噌の重要性を実感。この味わいなら若い方にも受け入れられそうです。管理人はラーメンにまったく詳しくありませんが、例えるなら四川風ラーメンという感じでしょうか。このスープのおかげで具の豚肉や野菜の旨味も引き出されていて、しかもラーメンよりあっさりと食べられます。
麺はストレートの中華麺で食べた瞬間、似たものを食べたことがある!と思い出しました。それは自宅でキムチ鍋の〆で作るラーメンです。キムチ鍋の具を食べた後、残ったスープに中華麺を投入して〆ラーメンを作るのですが、その味わいにそっくり。考えてみればこちらのタンメンの具材である豚肉、白菜、ニラも調味料の辛味噌もキムチ鍋とほぼ同じ。まずい訳がありません。キムチ鍋の醍醐味でもある〆ラーメンを商品化したのがこちらのタンメンと言ってもよさそうです。
餃子は薄皮でオヤツ感覚で食べられる軽さがうれしい。しかもニンニク不使用の割にパンチの効いた味わいです。なるほど〜若い女性のお客さんが多いのもうなずけます。タンメンは野菜たっぷりでヘルシー、餃子はニンニクの香りが残らないため、若い女性でも気軽に食べられるということでしょうか。さすがは「魁力屋」、よく考えられた新業態のお店だと感心しました。もちろん男性でも普通に利用できますので、関東が本場のタンメンをぜひ味わってみてはいかがでしょうか。ラーメンとはひと味違う、具材の旨味と適度の辛味がクセになるおいしさですよ。
[2019年12月2日訪問]
タンメンと餃子 KIBARU
●住所…京都市下京区郭巨山町30(Google マップ)
●TEL…075-211-6778
●定休日…年中無休
●備考…禁煙
●ホームページ…なし
※詳細は食べログ「タンメンと餃子 KIBARU」で検索してください。
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