焼肉の名門 天壇 北山店
今でこそ焼肉店が各地に浸透し、高級店から格安店まで幅広い層に受け入れられている「焼肉」。しかしミドル世代以上の京都人にとって「焼肉」と言えば「天壇」と答える方が相当数いらっしゃると思います。管理人が子どもの頃、40年ほど前であれば四条川端にある「天壇」とかつて四条河原町にあった「南大門」が双璧でした。立地的にも京都を代表する繁華街、しかもその中心部に店舗を構えられていたこともあり、京都人には馴染みの深い焼肉店だったように記憶しています。特に「天壇」は1965年(昭和40年)の開業以来、着実に店舗数を伸ばし、現在では京都に6店舗、滋賀に1店舗、東京に2店舗を展開。その中でも京都では18年ぶりの新店となる「焼肉の名門 天壇 北山店(やきにくのめいもん てんだん きたやまてん)」を昨年2018年(平成30年)4月にオープンされました。
北山通と下鴨本通の交差点(下鴨本通北山)を西へ750mほど行ったところにある自社ビル店舗です。「天壇」各店舗はおおむね高級焼肉店に分類され、真新しいビルが意外にも似合っています。駐車場もあり、地下鉄「北山駅」から徒歩4分程度とアクセスも便利で、連日多くのお客さんで賑わっている人気店です。今回、なぜ「天壇」なのかと言うと、当ブログで下鴨の古老と紹介している母がどうしても「ビビンパ」を食べたいと言い出したから。今や京都には本格的な韓国・朝鮮料理スタイルのビビンパをいただけるお店がかなり増えているものの、古老にとっては焼肉もビビンバもすべて「天壇」に集約されているようです。という訳で珍しく親子で「焼肉の名門 天壇 北山店」を訪問してみました。
1階は駐車場・駐輪場で階段かエレベーターを使って2階のフロントへ向かいます。店頭にランチメニューが掲出されていましたので確認してみましょう。
夜は高級店ですがランチは比較的リーズナブルな価格です。焼肉ランチの種類も豊富で、お一人様でも安心して利用できるのではないでしょうか。もちろんビビンパや冷麺(韓国冷麺)、チゲなどのランチも充実しています。早速2階のフロントで受付を済ませ店内へ入ってみましょう。
時刻は12時前にも関わらずすでにほぼ満席。幸い4名テーブル席が空いていましたので案内されます。皆さん思い思いに肉を焼きながら幸せそうに食事されていました。これも焼肉の効果で、人と焼肉をすると親密度が増すような気がします。少なくともカニ鍋よりは仲良くなれそう。逆にあまりしゃべりたくない上司や得意先との会食ではカニ鍋がベストかも知れません。みんなカニをほじくり倒すのに夢中で会話は必要ありませんからね。では改めてメニューを確認してみましょう。
管理人は猫舌なこともありアツアツの石焼ビビンパよりも普通のビビンパの方が好みです。「ビビンパランチ」¥935にするつもりだったのですが、周囲から漂ってくる焼肉のかぐわしい香りにやられてしまい、焼肉のランチ追加用メニューから「ハラミ」¥550と「カルビ」¥550、単品で「天壇ロース(サーロイン)」¥1,150を注文してしまいました。当然、ノンアルコールビールは必須です。
脂の乗った素晴らしい肉質の「ハラミ」、「カルビ」、「天壇ロース(サーロイン)」が到着しました。これだけの牛肉が¥550〜¥1,150でいただけるのはお値打ちでしょう。焼肉好きからはおそらく1番人気の「ハラミ」、一般的に1番人気の「カルビ」ですが、ロース人気が異様に高いのも京都人の特徴です。管理人が社会人になって10年ほど近隣に住んでいた大阪のコリアンタウンでは、焼肉でロースなんて注文しようものなら例外なくバカにされていました。本場(?)の人にとってロースは子どもが食べるものだと。焼肉の真髄は「ハラミ」をはじめとする内臓肉(ホルモン)であり、脂の甘みを楽しむなら「カルビ」だと言うのが彼ら彼女らの言い分でした。確かに一理あります。ほとんどの焼肉店では「ハラミ」や「カルビ」よりロースの方がお高いものの、肉の濃厚な旨味は「ハラミ」に、パンチのある脂の甘みは「カルビ」に及びません。ロースのシンプルなおいしさは食べ続けると単調に感じられ飽きます。しかしここは「天壇」、京都焼肉の殿堂と言っても過言ではないお店。「天壇」のロースを好む京都人気質も理解できます。とりあえず食べてみてからのハナシですね。
網で焼いてこの琥珀色をしたタレにつけて食べるのが天壇流であり、京都焼肉のスタイルです。この琥珀色のタレは牛骨などから取ったスープでダシそのもの。薄味ながら典雅な味わいが口の中に広がります。このタレをつけて食べる「天壇ロース(サーロイン)」が絶品なんです。肉の下味として付けられた焼肉のタレの不要な味を洗い流しつつ、上品な旨味をまとわせていただくロースは、さっぱりとしながら肉の旨味と脂の甘みをちょうどいいバランスで味わうことができます。いくらでも食べることができる軽やかさとおいしさはロースならでは。濃厚な味や脂がちょっと厳しくなるシニアでも、ロースならとおかわりを注文される方もいらっしゃいます。他店ではともかく、「天壇」各店にお越しの際には「天壇ロース」は必食ですのでぜひお試しください。
そしてすっかり影が薄くなった「ビビンパランチ」が到着。このボリューム感で¥935はお得でしょう。ビビンパにわかめスープ、サラダ、豆もやし、キムチ3種(ハクサイ、大根、キュウリ)、牛すじのピリ辛煮込みと副菜も充実しています。本来ならこのセットメニューだけで十分に満足できるハズです。ビビンパも野菜たっぷりで控えめな味がうれしい。別添えのコチジャンをつけて味の変化を楽しむこともできます。スタミナがつき、しかもヘルシーなビビンパ。残り3分の1ぐらいでわかめスープをかけると韓国風お茶漬となりサラサラと〆ることができますよ。
ランチだけあってリーズナブルながら、高級店の味わいをしっかりと堪能することができました。「天壇」各店には長年培われてきた肉のプロが揃っていますので、どこのお店で食べても間違いありません。京都に来られ近くに「天壇」があれば、迷わず店内に入って味わってみてください。京都人が愛する京風焼肉や京風韓国料理のおいしさに驚かれるのではないでしょうか。
[2019年12月15日訪問]
焼肉の名門 天壇 北山店
●住所…京都市北区上賀茂桜井町106(Google マップ)
●TEL…075-707-4129(予約:050-3851-1143)
●定休日…年中無休
●備考…禁煙
●ホームページ
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