100年を超える歴史をもつ祇園の老舗洋食店

洋食編
スポンサーリンク

レストラン菊水

いきなりですが社会科・歴史の問題です。1914年(大正3年)から1918年(大正7年)にかけて世界中を巻き込んだ戦争を何と言うでしょうか?京都のブログだからといって“応仁の乱”とか“山崎の合戦”とかではありませんよ。正解は「第一次世界大戦」。義務教育である中学校の歴史(日本史や世界史)の教科書に間違いなく掲載されていますので、“習っていない”や“理系なので…”といった言い訳は認めません。とは言え、ほとんどの人にとって歴史上の出来事であり、リアリティが感じられないのも確かです。“あぁ、あの頃は意外と裕福で…” などと語り出す人はタイムトラベラー並にレア。100年以上も前の話で普通はピンと来ませんが、実は「大正デモクラシー」の真っ最中でした。「大正デモクラシー」を端的に説明する能力が管理人にはありませんのでリンク先などを参照していただくとして、ハイカラでモダンな文化が開花した時代なのだとか。そんな時代を現代に伝える洋食店が祇園にある「レストラン菊水(れすとらん きくすい)」です。

創業は1916年(大正5年)と第一次世界大戦が佳境を迎えようとしている時代。日本も連合国側として参戦していたものの本土は被害を受けることもなく、大戦景気もあってヨーロッパ風の進歩的で華やかな文化が発展しました。「レストラン菊水」の建物も国の有形文化財(建造物)に登録されています。四条通川端通の交差点北東角にあり、先日REPORTした「総本家にしんそば 松葉 本店」とは四条通を隔てた真向かい。祇園に古くからある老舗洋食店として京都人からも知られています。今回は少し遅めのランチを食べるため、14:30に到着。まずは店頭のメニューを確認してみましょう。

1階はレストラン・パーラーでリーズナブルな洋食や軽食、喫茶などで利用できます。2階は本格フレンチグリルとなっていて、お値段もそれなり。ただ、祇園という立地や100年を超える老舗の割にはお手頃価格です。今回は当ブログの主旨からお一人様でも利用しやすい1階のレストラン・パーラーを利用します。メニューラインナップも価格もちょっといい感じのファミレスといった風情で、気軽に立ち寄れるのが魅力です。では店内へ入ってみましょう。

管理人が幼い頃、年に1回ほど父に連れられて伺った店内の雰囲気がほぼそのまま残っています。今でこそ特別な感じはしませんが、40年前はとてもハイカラに思えました。伺った際には父がお気に入りであった「ビフテキ定食」をいただくことが多く、当時の価格は¥1,500。現在は¥2,080となっていて、物価の上昇率から考えても極力価格を抑えて頑張っておられるようです。現在の客層はミドルやシニア層が中心と思いきや、若い観光客の方も多く、外国人もチラホラと見受けられます。今回は本日のスープ・ハンバーグ・海老フライ・クリームコロッケ・グリルチキンとサラダ盛り合わせにライスとデミコーヒーが付く「ハイカラグリルスペシャルセット」¥1,280を注文してみました。

「ハイカラグリルスペシャルセット」が到着。この定食店のような手軽さがランチにはピッタリです。ただし味は本物。特にハンバーグにかけられているデミグラスソースや海老フライの下に敷いてあるタルタルソースはかなりの本格派と言えるのではないでしょうか。クリームコロッケもカラリと揚がっていて、なめらかなベシャメルとの組み合わせが心地いい逸品。グリルチキンもテリヤキ風の味わいでご飯のオカズとしても、ビールのツマミとしても有能だと感じました。

特筆すべきは海老フライです。サイズ的には決して大きいとは言えないものの、海老の甘さに驚きました。海老の調理法として最適な揚げ物の中でも、こちらの海老フライは特にエビの味が濃厚でおいしい。単にエビのコンディションの問題なのかも知れませんが、極上の天ぷらをいただいているような味わいを堪能することができました。

ミルクピッチャーが巨大なのではなく、デミタスカップのコーヒーです。デミ(タス)コーヒーは相当濃いため、たっぷりのミルクが添えられているのは老舗店ならではの細やかな心遣いでしょう。一連のコース料理の〆としてもふさわしい味わいです。祇園の老舗店としては¥1,000台で満足度の高い食事ができる貴重なお店だと感じました。祇園にお越しの際、手軽に洋食を食べたい方はぜひこちらまで足をお運びください。

[2019年12月30日訪問]

レストラン菊水
●住所…京都市東山区川端町187(Google マップ
●TEL…075-561-1001
●定休日…年中無休
●備考…分煙(?)
ホームページ

コメント

タイトルとURLをコピーしました