贅沢カレーうどんが名物なうどん・蕎麦店

和食編
スポンサーリンク

麺房 美よし

2020年(令和2年)も2月に入り、ようやく冬らしい寒さを感じられるようになりました。1月は暖冬により農作物や漁業、アパレル、ウインタースポーツ関連などの産業への影響が懸念されています。とは言え正直に告白すると、管理人のような中年サラリーマンにとって暖冬はありがたいのも事実です。まず厳しい寒さによる健康被害が緩和されます。寒さは体内の血管を収縮させ、高血圧や心筋梗塞、脳梗塞といった重篤な病気発生の可能性が高まるのは間違いありません。また、雪により公共交通機関が止まると仕事や買物などもかなり困難な状況に。この冬、京都市内の中心部は降雪がほとんどなく、活動に影響が出ていないのは本当に助かっています。ただ、暖冬とは言え管理人のように原付で京都市内を移動していると寒さが身に堪えるのも否定できません。特に夜は身も心も財布も寒くなりがちです。そこで今回は身体が温まるご馳走を求めて、木屋町まで出かけました。

先日REPORTした「麺と人 京都本店」や「大黒屋 本店」などのすぐ近くにある「麺房 美よし(めんぼう みよし)」。創業は1926年(昭和元年)と100年近い歴史をもつ老舗のうどん・蕎麦店です。木屋町古くから京都有数の歓楽街としても知られ、さまざまな飲食店が軒を連ねています。「大黒屋 本店」やこちらのような老舗店も多く、京都の食文化を体現している地域と言えるでしょう。

こちらは水とダシにこだわられているお店としても知られています。京都水盆と呼ばれる京都の地下水を使っているタダモノではないお店です。歓楽街の飲食店はヨッパライ相手の商売なのだから料理はテキトーでもいいよね?と思いがちですが、そういう雑な店はまず潰れます。これは別に京都に限ったハナシではありませんし、飲食店に限ったハナシでもありません。普通レベルのお店ですら経営が難しい現代では、何か1つでも他店と差別化が図れる特徴が必要とされます。例えば喫茶店がA店・B店と2軒あり、どちらのドリンクやフード類が可もなく不可もなくだったとしてですよ、A店は普通の店員さん、B店は店員さんがみんな黒ギャルだとしたら、全員B店へ行くでしょ?えっ、そんなことはないですって??…管理人がカフェをオープンさせる時は、絶対に黒ギャル店員だらけにして大儲けしてやるからな!飲食店関係者に経営のヒントを与えたところで本題に戻りますが、こちらのように“水にこだわる”うどん・蕎麦店はそれだけ品質に自信がある証拠であり、お客さんから支持されるのもうなずけます。時刻は22時、店内へ入ってみましょう。

平日の夜遅くだけあってお客さんはまばらでしたが、週末には飲んだ帰りに〆のうどんや蕎麦を求めて多くの方が足を運ばれます。こちらは木屋町にあるお店らしく、ラストオーダー24:40(日曜日のみ22:40)と深夜の飲食も可能です。木屋町で遊んだ京都人だけでなく観光客にも人気で、100年近い歴史と伝統はダテではありません。早速メニューを確認してみましょう。

うどん、蕎麦、丼とひととおりのメニューが揃っていて、名物は「カレーうどん」各種でしょう。特に全種類のカレーうどんの具を乗せてしまった「贅沢カレーうどん」¥1,330は必食です。「ケンドーコバヤシのたまらない店」でも掲載されていて知名度も抜群。そして個人的に隠れた人気メニューだと思っているのが「かやくご飯」¥430(大:¥530、小:¥380)。今回は「贅沢カレーうどん」と「かやくご飯(小)」を勝手にセット状態として注文してみました。

「贅沢カレーうどん」と「かやくご飯(小)」の勝手にセットが到着します。海老天が巨大過ぎて写真に収まりません。「贅沢カレーうどん」は海老天に鶏肉、薄揚げ、温泉玉子、九条ネギが入った、鍋焼きうどんのカレーうどん版と考えればわかりやすいでしょう。確かに具材は贅沢で¥1,330でも決して高くはありません。

海老天の全貌解明だけのために撮影しました。この凛とした海老天の見事なビジュアルは、いかにもインスタ映えしそうじゃないですか。ウェーイとか言いながら写真を撮られる際は、くれぐれも周りの迷惑にならないようお願いしますね。ではダシからいただいてみましょう。

最初は粘度高めなトロミ餡ですが、食べ進むにつれ熱でトロミは薄まります。適度にスパイシーながら昆布や鰹節などのダシの味が活きていて、これぞ京都のカレーうどんという味わい。子どもの頃から食べていた味であり、身も心も温まるカレーうどんだと懐かしさすら感じます。ダシに使われる食材や地下水の効果で味も単調ではなく重層的であり、ダシも十分に贅沢だと断言できるおいしさです。

うどんも京都らしくコシがあまりないタイプ。「京カレーうどん お多やん」のREPORTでも書きましたが、濃厚なダシのカレーうどんに関してはコシのないうどんがベストではないでしょうか。トロトロのダシと柔らかなうどんの組み合わせが口の中で馴染み、全体として一体感のある味わいとなっています。もちろん好みの問題ですので絶対ではありませんが、少なくとも京都らしさという点ではコシのないうどんが正解だと言えるでしょう。

巨大な海老天も揚げたてサクサクでおいしい。コロモが巨大化した海老天ではなく、エビ本体も大きい海老天ですのでご安心ください。鶏肉、薄揚げ、温泉玉子、九条ネギといった具材もカレーうどんとよく合っていて、さまざまなおいしさを楽しめます。シンプルなカレーうどんも悪くはありませんが、具の種類が豊富だと味の満足度も高まりますし、何より夜の食事にふさわしい逸品ではないでしょうか。食べごたえもあり、深夜に贅沢気分を味わえるカレーうどんです。

「かやくご飯」は一般的には炊き込みご飯と呼ばれているもので、京都らしい薄味ながら風味豊かなダシがポイント。あっさりとしていて食べやすく、何杯でもオカワリしたくなる代物です。この「かやくご飯」だけでも食べる価値はあると思います。観光や商用で京都に来られたら木屋町まで足を運ばれる機会もあるでしょう。そんな時、京都らしいうどんやかやくご飯をぜひ一度味わっていただきたい。100年近く京都人に愛されてきた味を試していただき、京都の食文化に触れていただきたいと願っています。

[2020年1月22日訪問]

麺房 美よし
●住所…京都市中京区南車屋町288-2(Google マップ
●TEL…075-211-7754
●定休日…火曜日(祝日の場合は営業)
●備考…禁煙
ホームページ

コメント

タイトルとURLをコピーしました