レモンの爽やかな味わいが心地いいイタリアン

洋食編
スポンサーリンク

カプリ食堂

フランス料理店よりイタリア料理店の方が圧倒的に多いと思い込んでいました。しかしちょっと調べてみると、日本全国でフランス料理店が7,537軒(出典:都道府県別統計とランキングで見る県民性 フランス料理店舗数 2014)に対し、イタリア料理店は7,917軒(出典:タウンページ データプラス 「イタリア料理店」の登録件数推移(2014年))と意外に拮抗しているようです。フランス料理にはバターや生クリーム、チーズをふんだんに使った油っぽくて健康によくないイメージがあり、庶民が行きづらい高級店が多そうな印象を持たれているのに比べ、イタリア料理はオリーブオイルやトマト、レモンなどを多用したヘルシーな感じが評価されています。しかも「サイゼリア」や「カプリチョーザ」など、誰でも手軽に利用できるイタリアン系ファミリーレストランの出現により、イタリア料理は日本人にとって馴染み深い存在であると言えるでしょう。そして両者の印象を決定づけているのは、個人的な意見として“女性人気”だと睨んでいます。コッテリとして太りそう、しかもお高いフランス料理より、ヘルシーでオシャレ、手頃なお店が多いイタリア料理に女性層の支持が集まるのは当然と言えば当然。フランス料理が好きな管理人にはいろいろと反論したいところもあるのですが、常に女性の味方ですのでここは素直にイタリア料理を讃えたいと思います。そこで今回は、ちょっと変わったイタリアンを提供されているリーズナブルなお店をREPORTしてみましょう。

烏丸通五条通の交差点(烏丸五条)を北へ200mほど行ったところにある、創作レモン料理専門店「カプリ食堂(かぷりしょくどう」。2016年(平成28年)12月のオープン以来、昼夜を問わず繁盛しています。そして2018年(平成30年)11月には2号店となる「カプリ食堂 LIMONE VERDE(リモーネ ヴェルデ)」をオープンされるなど、着実に京都市民の人気を集めているようです。ところで…“創作レモン料理専門店”って何?そもそも“レモン料理”とは一体??と疑問に思われる方も少なくないでしょう。こちらの店名である「カプリ食堂」は、イタリアにあるカプリ島が由来。“青の洞窟”などで有名なイタリア屈指の観光地として知られ、特産品はレモンで別名「レモン島」とも言われているそうです。そんなレモンを使ったアルコールやソフトドリンク、料理なども有名で、こちらではレモンをふんだんに使った料理などを提供されていることから“創作レモン料理専門店”と謳われていると勝手に想像しています。時刻は11:50、まずは店頭のメニューを確認してみましょう。

ランチメニューはイタリアンというよりは洋食的な親しみやすい内容となっています。料理の写真を眺めていると、ほぼすべての料理にレモンスライスが乗っていることに気づきました。ランチ限定の「レモンラーメン」¥950にも興味があるものの、オッサンはほとんどの酸っぱいものが得意ではありません。レモンの香りがする甘酸っぱい青春時代も体験していません。悔しい。できることなら中学時代に戻ってアオハルしたい。テレビとラジオで1日を終えていた中学・高校時代を後悔しつつ、スープ、ライス、前菜3種、イタリアンサラダ、チキンコンフィ、レモンバニラアイスがセットになった「プレミアムレモンセット」¥1,680に決めて店内へ入ってみました。

ラテンなノリの明るい店内は、何となくですが管理人が思い描くイタリア人(ジローラモさん)を思い出します。カウンター6席と2名テーブル2席、4名テーブル2席というコンパクトな店内。夜にお店の前を通ることが多いのですが、女性のグループやお一人様も利用されています。訪問時にも女性のお一人様がランチをされていて、さすがはイタリアンといったところでしょうか。管理人もイタリア人(ジローラモさん)になりきってモテたいと考え、「プレミアムレモンセット」を注文してみました。

スープと前菜3種が到着。スープはコンソメで、前菜3種は左からカポナータ(野菜のトマト煮込み)、ムール貝のボイル、ツナクリームのフィットチーネです。カポナータはトマトの旨味と野菜の滋味がしっかりと味わえる、イタリアンらしいおいしさ。何よりヘルシーで日々野菜不足を感じている管理人にはありがたい料理です。ムール貝は磯の風味がフッと香り、レモンの酸味とよく合います。ムール貝自体は和食や中華ではほとんど見かけることはないものの、イタリアンやフレンチでは定番の貝類。身もしっかりと食べごたえがあり、さまざまな料理で利用できる可能性を秘めた食材と言えるでしょう。フィットチーネはツナクリームのコクが効いている安定感のあるおいしさです。イタリアが美食の国と形容されるのも理解できます。

メインディッシュのチキンコンフィがサラダ、ライスとともにワンプレートとなって運ばれてきました。“コンフィ”とは肉料理の場合、低温の油でじっくりと煮るフランス料理の技法です。しかしイタリア料理店でも鶏や鴨などの“コンフィ”はよく提供されます。そもそもフランス料理の源流はイタリア料理であり、調理法などが似ているのはそのため。日本人がイメージするコッテリなフランス料理、実は北イタリア地方の料理もチーズやバター、生クリームなどの乳製品を多用し、コッテリ味がかなり多いのです。一方、日本人がイメージするヘルシーなイタリア料理、これは南仏地方の料理に共通点が多く、トマトやニンニクを多用します。先ほどいただいた「カポナータ」にしても作り方や食材は微妙に異なるものの、ほとんど南仏料理の「ラタトゥイユ」にそっくり。日本のイタリアンはイタリア南部の料理が多いため、イタリアンがお好きな方なら南仏料理も好きになるのではないでしょうか。では、チキンコンフィをいただきましょう。

低温の油でじっくりと煮ているため、ホロホロと柔らかいのが最大の持ち味です。鶏モモ肉の自然で嫌味のないおいしさを存分に味わえます。そして鶏皮の旨さはまさに絶品。塩とハーブだけの味付けのため、コクがありながらしつこくなく、サッパリといただけます。意外に効果的なのがレモンの酸味。フランス料理のコンフィであればだいたいバターとフォンドボーを使ったソースがかけられるように感じますが、レモンの酸味がソース代わりとなっていて、心地いい爽やかな、日本人好みの味に仕上がっています。アルコールを嗜む方なら冷えた白ワインがよく合うでしょう。個人的にはライスではなくパンかマッシュポテト、ポレンタの方がうれしいと感じました。

食後のデザートはバニラアイスのレモン添えです。ワンディッシュに必ず1つはレモンが添えられている、“創作レモン料理専門店”らしい工夫が見受けられます。食べている当初は“少しレモンの味が少ないかな…?”と思っていたものの、隠し味程度の方が料理本来の味を楽しめると考えを改めました。手軽かつカジュアルにイタリアンを楽しめるお店です。お会計時には全品20%OFFとなるカードもいただけるお得なサービスも受けられます。烏丸五条近辺でのランチやディナーなら、ぜひほのかに香る爽やかなレモンの風味を愉しんでみられてはいかがでしょうか。

[2020年3月1日訪問]

カプリ食堂
●住所…京都市下京区大堀町479(Google マップ
●TEL…075-708-8870
●定休日…不定休
●備考…禁煙(?)
●ホームページ…ホームページ/facebook

コメント

タイトルとURLをコピーしました