丁寧に作られた洋定食がうれしい街の洋食店

洋食編
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マリーアントアネット【閉業】

※お知らせ※
「マリーアントアネット」は2021年10月9日で閉業されたと、twitterのフォロワーさんから店頭の閉店のお知らせの告知とともに連絡がありました。34年間、ショッピングセンターの京都ファミリーのほど近くで営業されていて、管理人も30年近く前に京都ファミリーで仕事をしていた際には利用させていただいていました。リーズナブルでおいしい定食類や喫茶を楽しむことができ、本当にありがとうございました。

使い捨てマスクやアルコール消毒剤などの衛生用品に続き、今度はトイレットペーパーが日本の街から消えました。衛生用品がなくなったのは新型コロナウイルス対策で多くの人が購入したから、と理解できますが、トイレットペーパーは意味がわかりません。管理人は実際に、以下のような“トイレットペーパー消失の理由”を見聞きしました。

① 材料(紙)枯渇説
使い捨てマスクの材料である紙がマスク増産で少なくなり、トイレットペーパーが生産されなくなったから
② 製造ライン説
使い捨てマスク増産で工場のトイレットペーパー製造ラインもマスク製造にあてられ、トイレットペーパーが生産されなくなったから
③ 輸入困難説
トイレットペーパーの製造を支えている海外工場からの輸入が途絶え、国内からトイレットペーパーの在庫がなくなるから

すべてデマ。大嘘です。仕事柄、製紙会社や印刷会社と取り引きしていますので、上記の説のデタラメ具合には呆れるしかありません。①については、使い捨てマスクの材料は不織布であるのに対し、トイレットペーパーはパルプ。使い捨てマスクは紙ですらありません。不織布やパルプの材料も当然異なります。②は製造しているメーカーがそもそも違います。使い捨てマスクは衛生用品を扱うメーカーがほとんどの一方、トイレットペーパーは主に製紙会社。製紙会社でも使い捨てマスクとトイレットペーパーの両方を作っていますが、製造過程が異なるためラインを共有している訳がありません。③は信憑性が高そうに思えるものの、実はトイレットペーパーは95%以上が国内生産。輸入に頼らずともトイレットペーパーを供給可能です。なぜこんなデマが拡散しているのかはわかりませんが、洋の東西を問わずデマは昔から存在しています。そして昔に発生したデマが現在まで事実扱いをされているものの少なくありません。例えばフランス革命前、ルイ16世の王妃であったマリー・アントワネットの名言(?)。“パンがなければケーキを食べればいいじゃない”が彼女の代名詞として定着していますが、これも現在の学説では明らかなデマとされています。ただ、本当はデマであったとしても、一度定着した事実はなかなか改められません。特に近年ではSNSによって情報の伝達速度が速くなり、デマも広がりやすくなっています。管理人も当ブログtwitterをしていますのでデマを流布しないよう、気をつけなければと肝に命じました。今回はそんな思いも込めて、マリー・アントワネットを店名としている洋食店をREPORTしてみることにします。

葛野大路通四条通の交差点(四条葛野大路)を北へ300mほど行ったところにある「マリーアントアネット」。店頭の看板は“マリーアントネット”となっていますが、箸袋は“マリーアントネット”となっています。お店の方にとってはあまりこだわりがないのかも知れません。こういう時はGoogle先生の出番です。Googleではどちらの表記になっているのでしょうか?

まさかの業種名!Google先生もお疲れなのでしょうか…。看板の修正は難しいですが箸袋はなくなれば増刷する消耗品であり、その際に修正するのは簡単であること、大手グルメブログではほぼ“アントネット”表記で統一されていることを踏まえ、当ブログでは「マリーアントアネット」とさせていただきます。こちらもかなり昔から営業されていて、しかも9時〜20時までの通し営業。地元の方や近隣のショッピングセンターなどへ来られた方が、喫茶店として利用されることも多い地元密着型のお店です。時刻は14時、まずは店頭のメニューを確認してみましょう。

洋食の定食が豊富&リーズナブルなラインナップ。こちらの近隣には京都外国語大学京都先端科学大学などがあり、学生も利用しやすいメニュー構成となっています。ショーケースの食品サンプルもリアリティがあり、食欲も高まりそうです。通し営業のため遅めのランチにも対応するありがたいお店ではないでしょうか。早速、店内へ入ってみましょう。

思った以上に広々とした店内です。ランチタイムが終わり、ティータイムが始まる前の時間帯であったためか、お客さんはいらっしゃいません。休日の昼下がりにノンビリとくつろげる雰囲気で、ゆったりとランチをいただくことができます。喫茶店として利用される方も多いので、お一人様でも入りやすいのも高ポイント。では、改めてメニューを確認してみましょう。

洋食の定食メニューのほか丼やカレー各種も用意されています。そして喫茶店の定番でもあるトーストやご飯モノもあり、軽食にも便利なお店です。店員さん(奥様?)から“今日の「日替わり」¥840はヒレカツとフランクフルトソーセージ、白身魚のピカタです”と案内していただき、“定食メニューの「おまかせ」¥1,000は何でしょうか?”と尋ねたところ、“「おまかせ」は…おまかせです”哲学的な回答をいただきました。ナルホド、間違いないでしょうね。という訳で、今回は内容が気になってしまった「おまかせ」を注文してみました。

「おまかせ」が到着、¥1,000とは思えないボリュームです。メインプレートとは別に、副菜にはカップサラダとキュウリとハムのコールスロー、赤だし、漬物まで付いて野菜もしっかりと取れます。メインプレートは「日替わり」のヒレカツ、フランクフルトソーセージ、白身魚のピカタに、鶏の唐揚げと白身魚の野菜あんかけがプラスされた「日替わり」のアップグレード版といったところでしょうか。栄養バランス的にも申し分なく、日頃の野菜不足も解消できそうです。まずは白身魚の野菜あんかけをいただきましょう。

唐揚げにされた白身魚と塩ダレの野菜あんかけが中華風のやさしい味わいです。白身魚の淡白で柔らかな味わいに野菜あんかけがベストマッチのおいしさ。洋食だと白身魚はフライかムニエルが常道ですが、この一捻りがうれしい。ご飯に合うオカズと考えれば、白身魚の野菜あんかけはフライやムニエル以上だと感じました。

ヒレカツはとにかく柔らかく、豚肉の旨味が濃い逸品です。トンカツ専門店レベルのクオリティと言っても過言ではありません。定食店の一口カツやヒレカツは肉質が固めなことも多いのですが、こちらはやはり洋食店なのでしょう、ヒレカツに欠かせない柔らかさと肉の旨味、サクサクの揚げ加減がしっかりと味わえるおいしさです。このヒレカツだけでも¥1,000の価値は十分あるように思いました。

白身魚のピカタもなかなかのおいしさです。ピカタは本来イタリア料理で、豚肉を使ったポークピカタが一般的ですが、日本では白身魚もよく使用されます。そして本場イタリアのピカタのようにチーズはほとんど入りません。イメージとしてはオムレツに近く、こちらの白身魚のピカタも、白身魚のソテーをオムレツ風に玉子で巻いた味わい。トマトソースの酸味とさっぱりとした白身魚の旨味に玉子のコクが渾然一体となったおいしさとなっています。

どの料理も手作り感にあふれ、丁寧に作られている印象を受けました。これだけの内容とボリュームで¥1,000は、お得と言わざるを得ません。日によって「おまかせ」の内容は変わるでしょうが、“今日の「おまかせ」は何かな?”という楽しみがあります。「おまかせ」以外の定食類なども間違いのないおいしさ。もちろんデマではなく真実です。近くにはショッピングモール「京都ファミリー」もありますので、お買物ついでにでも立ち寄られてみてはいかがでしょうか。

[2020年3月7日訪問]

マリーアントアネット
●住所…京都市右京区山ノ内池尻町16(Google マップ
●TEL…075-321-0730
●定休日…日曜日および祝日
●備考…喫煙可(お一人様3本まで
●ホームページ…なし
※詳しくは食べログ「マリー・アントアネット」で検索してください。

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