洋食の店 CROSS ROAD
どのような境遇の方であっても、人は幾度となく岐路に立たされます。どの方向に進むべきか、このまま真っ直ぐ進んでいいのか、それとも別の道を探して向かう方がいいのか。進む道によって成功することもあれば、失敗することもあるでしょう。ただ、進む先の未来は誰にもわかりません。ガムシャラに進むことも大事ですが、進むべき道が複数ある交差点に出くわした時、ふと立ち止まって、その先の道を考えることも成長のためには必要です。進学、就職、転職、独立、交際、結婚、食事などで悩んだ時に、結果はどうあれ悔いのない道を進んでいただきたい。管理人も12時に、西大路通と丸太町通の交差点(円町)で立ち止まっていました。ランチに何を食べるべきか、を考えるために。そして決断したのが、円町の交差点を南へ100mほど行ったところにある「洋食の店 CROSS ROAD(ようしょくのみせ くろすろーど)」です。
円町エリアには人気洋食店が多数ひしめく激戦区で、当ブログでもこれまで「とんかつ&ステーキ 岡田」や「Restaurant Vert-Pre」などの洋食店をREPORTしてきました。こちらも古くからの洋食店で、地元の方はもちろん、京都府内外からお客さんが来られる人気店。円町・西院(西大路四条)エリアには新しい洋食店も多数生まれてはいるものの、相変わらず繁盛されています。時刻は12時、早速店内へ入ってみましょう。
こちらとしては珍しく、お客さんは常連らしき女性のお一人様だけ。やはり新型コロナウイルスの影響なのでしょうか、飲食店はここ1ヵ月ほどが正念場だと思います。先日も近所のスーパーに立ち寄った際、いつもなら山積みされているうどんパックの棚がスッカラカンで驚きました。皆さん外食は控え、自宅で食事される方が多い証拠です。管理人はお一人様ですのでスーパーに行くのも飲食店に行くのも感染リスクは同じ、と割り切っていますが、ご家族の方は代表者1名が人数分の食料品を購入した方がいいとの判断なのでしょう。ついに外食においてはお一人様の時代が来たな…と勝ち誇りながらメニューを確認しました。
こちらではフレンチの技法を用いられた正統派の洋食をいただけます。洋食の王様・ハンバーグ各種を中心に、各種洋食メニューなどをリーズナブルな価格で味わえる良店です。以前は用意されていた「ビーフシチュー」はなくなっていましたが、ライス・スープ・サラダが付くセットメニューの「鯛のムニエル(オリーブオイルまたは照り焼きソース)」¥1,600や「鴨ステーキ(赤ワインソース)」¥1,600などのビストロ風メニューは健在。かなり食べたかったのですが、ここはやはり洋食店ということもあり、王道のハンバーグのセットメニューから「デラックスハンバーグ」¥1,700を注文してみました。
まずはスープが到着。枝豆のポタージュでしょうか、なめらかな舌触りとやさしく深い味わいは丁寧に作られている印象です。フランス料理店のポタージュにも匹敵するクオリティではないでしょうか。カップスープと言えども手は抜かない、気さくで笑顔で接客するマスターの料理に対する姿勢を味わうことができるスープだと実感しました。
スープを飲み終えたタイミングで「デラックスハンバーグ」が運ばれてきました。 肉厚のハンバーグに大きめの海老フライが2本、チーズ入りのライスコロッケという完璧な陣容です。たっぷりのタルタルソースが別添えなのもうれしい。付け合せのホウレンソウはバターソテーなのかと思いきや、グラッセ風の温野菜でほのかな甘みが西洋料理らしいおいしさです。一方、小皿には山芋の短冊とシメジの大根おろし和えでポン酢醤油の味わいは、しっかりと和の味わい。ライスにヨシ、ビールのツマミにもヨシと、まったくスキのないセットメニューではないでしょうか。では海老フライからいただきましょう。
タルタルソースをどっぷりと付けていただくと、エビの甘みと旨味を存分に堪能できます。やはり海老フライは大きなエビに限りますね。小さな海老フライを食べると、何だか貧困とか貧弱とか、貧しさを感じてしまうのです。もちろん小さくても海老フライですから、コロッケやハムカツなどよりは高額なのですが。逆に有頭エビはビジュアルも価格もゴージャス過ぎて、エビの頭をカチ割ってミソを食べるという、人前ではあまりやりたくない行為をせざるを得なくなります。お一人様で外科手術のようにエビの頭をカチ割っている人を見かけたら管理人かも知れませんので、くれぐれも声はかけないでください。
そしてメインのハンバーグ。軽めのデミグラスソースですが、ハンバーグ自体の肉の味わいが濃厚で、さすがは人気洋食店だけのことはある仕上がりとなっています。肉汁もたっぷりと蓄えられていて、箸で切っても肉汁が流れ出さない本物のハンバーグと言えるでしょう。口の中に入れて噛むと口いっぱいに肉汁があふれ出る逸品。洋食の王道にして正統派の味わいを、ぜひご賞味いただきたいと思います。
食後にはデザートまで付く徹底ぶり。リンゴのコンポート風のゼリーで、リンゴのとろける食感と味わいが絶品です。こういうシンプルなデザートは実は奥深く、作る人の技量が試される料理と言えます。¥1,700で身も心も満足できるランチをいただくことができました。皆さんも進むべき道に悩み疲れた時は、おいしい料理でお腹を満たしてから進むべき道を決められてはいかがでしょうか。「洋食の店 CROSS ROAD」の料理には、人生の交差点で未来の道へ踏み出す力があるのかも知れませんね。
[2020年3月20日訪問]
洋食の店 CROSS ROAD
●住所…京都市中京区西ノ京南円町135(Google マップ)
●TEL…075-822-6205
●定休日…水曜日
●備考…禁煙
●ホームページ…なし
※詳しくは食べログ「クロスロード」で検索してください。
コメント