フランス菓子の贅沢で貴族的な体験ができるカフェ

喫茶店・カフェ編
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童夢

今出川通河原町通の交差点(河原町今出川)を西へ60mほど行ったところにある「童夢(どうむ)」。2018年9月8日に訪問しREPORTした後、2019年2月末日にいったん休業されていました。お店の方から2020年春に再開予定と聞いていて、2020年3月17日に再開されたと知り、早速訪問してみることに。約1年間の休業を経て、お店はどのように変わったのでしょうか。

13:40に到着。外観は以前とさほど変わっていないように見えるものの、ケーキの陳列ケースがなくなっていました。“ケーキの小売りはしていないのかな?”と疑問に思いつつ、店頭にメニューが掲出されていましたので確認してみます。

「La dessert pâtisserie」と表記されたメニュー3種類が黒板に書かれていました。“pâtisserie”とはケーキやタルトなど小麦粉を使った焼き菓子やそれらを提供するお店を指すフランス語で、「La dessert pâtisserie」を簡単に意訳するとデザートケーキといったところでしょうか。メニュー3種類ともコーヒー・紅茶付きで¥1,500と、フランス貴族のようなメニューです。ともかく、よくわかりませんので、早速店内に入ってみましょう。

店内はアンティークな調度品などが印象的で、以前と同様に明るい印象です。かつての厨房にはオーナーを含め3〜4名の職人さん(パティシエール)が作業をされていましたが、現在はオーナーとホールの女性お一人ずつ。オーナーに少しお話を伺うと、もう40年も営業をしてきたので、これからは一人でできる範囲で営業しようと再開されたのだとか。ケーキの小売りやランチも止めて、3種類のデザートプレートを提供するスタイルに変えられたそうです。確かに、かつてのお店はケーキ作りやランチ提供で戦場のようでした。勤められていた職人さんに自らの技術を継承し終えて、完全引退ではなく趣味的なお店にシフトチェンジされたのは正解なのでしょう。管理人は現在の仕事である広告制作に携わって約25年になりますが、これからさらに15年続けることを考えると正直ゾッとします。しかし、本物の職人魂を教えていただいたような気もしました。では、改めてメニューを拝見してみましょう。

おそらく日替わりなのでしょうか、訪問した3月21日のメニューを確認します。果実を使った「いちごのタルト」、チョコレート系の「童夢ショコラスペシャル」、以前から評判の高かったチーズケーキから「チーズタルト」の3種類。今回は1年以上ぶりの訪問ということもあり、管理人が最もよく購入していたチョコレート系ケーキをいただこうと「童夢ショコラスペシャル」と「ホットコーヒー」のセット¥1,500を注文してみました。

「童夢ショコラスペシャル」と「ホットコーヒー」が到着。ナルホド、ケーキの小売りでは不可能だったデザートプレートを提供されたかったのだと理解できました。これは古典的なフランスのデザートスタイルです。どちらかと言えば、クラシカルなフランス料理のコースの〆に提供されるデザートの雰囲気が感じられます。コースの〆のデザートとして日本人の感覚であれば軽いものと考えがちで実際、和食や中華のコース料理のデザートは果実ゼリーやシャーベット系が主流。しかしクラシカルなフランス料理では〆のデザートもガッツリ系で、しかも本場のレストランであればさらにさまざまなチーズまで愉しむなど、胃袋の感覚がアジア人とは違うのでは?と思わせる内容です。そしてほとんどの和食や中華では料理人がデザートまで担当するのに対し、フランス料理では料理を作るシェフとデザートを作るパティシエ(女性ならパティシエール)が厳然と区別されており、デザートに対する本気度が違います。クラシカルのフランス料理店のフルコースであれば最低でも¥10,000はするでしょうから、こちらのデザートプレートとドリンクのセット¥1,500は決して高くはない価格ではないでしょうか。

カスタードソースにチョコレート風味のホイップと生チョコのようなベースが絶妙なおいしさを奏でています。これは以前いただいていたケーキとは別次元の味わいです。以前販売されていたケーキも管理人の中では京都で五指に入るクオリティだと思っていましたが、もうそのケーキの範疇では収まらない味に衝撃を受けました。管理人がこれまでに食べたフランス料理のフルコースのデザートと比較しても、間違いなく上位に入る逸品だと断言できます。厳選された素材をふんだんに使われているのがわかる、官能的なおいしさを体験することができました。

コーヒーも丁寧に淹れられた濃厚なおいしさです。じっくりと味わいながら贅沢な時間が愉しむことができます。コーヒーを飲んでいるとかつての常連客なのでしょうか、“もうケーキは販売されてないのですか?”と訪ねて来られる方を何度か目撃しました。それぐらい人気があったケーキ店であり、その実力を存分に発揮されたデザートプレートもいずれ人気となることでしょう。近隣には同志社大学同志社女子大学のキャンパスもあり、若い女性も本物の西洋菓子に触れられる貴重なお店だと思います。甘いものがお好きな方なら何かの記念日や自分へのご褒美として、ぜひこちらで貴族的に贅沢な時間をお過ごしください。

[2020年3月21日訪問]

童夢
●住所…京都市上京区一真町92(Google マップ
●TEL…075-256-3557
●定休日…日曜日および月曜日
●備考…店内禁煙
●ホームページ…なし
※2020年3月再開後の詳しい情報をWebサイトでは確認できませんでした。

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