下鴨神社近くでいただく人気の鯖寿司専門店

和食編
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鯖街道 花折 下鴨店

毎年5月15日に開催される葵祭。京都三大祭の1つとして、上賀茂神社(正式名:賀茂別雷神社)と下鴨神社(正式名:賀茂御祖神社)で行われています。今年2020年(令和2年)は新型コロナウイルスの影響により、メインイベントである行列行事「路頭の儀」をはじめ、さまざまな神事の中止が決まりました。下鴨で生まれ育った管理人にとって葵祭最も馴染み深く、最も縁遠いお祭りです。下鴨小学校に通っていた生徒は5月15日が平日の場合、授業は午前中だけ。午後からは課外学習という名目で、実質は自由参加ですが葵祭見学に行きます。そう、“見学”なのです。下鴨小学校の生徒は、神道以外の宗教を信仰している人を除けば、そのほとんどが下鴨神社の氏子であるにも関わらず、観光客と同じ立ち位置。葵祭に参加している同級生も少ないながら存在していたものの地域の名士か大金持ち、平安時代に置き換えれば貴族の子どもに限られていました。よく考えればかなり異様なお祭りです。地域の人がまったく参加できない、地域の人にとって最も縁遠いお祭り。ただ、子どもたちは神事よりも露店に夢中で、規模は小さいながら境内に立ち並ぶ露店に興奮して輪投げや串カツ、金魚すくいなどに散財するイベントだったように思います。そして地域の大人たちも特に葵祭と関わる訳ではなかったものの、おめでたいハレの日ということで鯖寿司を食べていました。

昔は自作されている主婦も多く、各家庭なりの味があります。もちろん、馴染みの寿司店から購入される人の方が圧倒的多数でしたが。下鴨エリアや近隣の出町桝形商店街祇園など繁華街の寿司店では、ほぼ間違いなく鯖寿司を販売しています。鯖寿司とは、京都人が昔から食べてきた熟鮨(なれずし)の1種。福井県の若狭湾などで水揚げされた鯖を塩で締め、滋賀県の琵琶湖西側(湖西)を通り、出町桝形商店街を終着とする鯖街道により、京都に良質な塩サバが入ってきていました。現在でも鯖街道沿いにある滋賀県湖西の朽木村などでは鯖寿司を提供している店舗が多く、当時の面影が残っています。京都を代表するソウルフードであり、ハレの日のご馳走であった鯖寿司。今年は葵祭の見学はできませんが、せめて鯖寿司だけでも味わおうと下鴨神社の南端に位置する鯖寿司専門店に伺いました。

河原町通今出川通の交差点(河原町今出川)を北へ300mほど行き、葵橋を渡って300mほど行った場所にある「鯖街道 花折 下鴨店(さばかいどう はなおれ しもがもてん)」。ちなみに河原町通葵橋以北から下鴨本通と名前が変わりますのでご注意ください。こちらは1913年(大正2年)創業の100年以上の歴史を持つ老舗店の京都本店。現在はこちらと実質的な生産拠点である滋賀県湖西の「鯖街道 花折 工房」の2店舗を展開されています。また、全国のデパートやショッピングセンターといった商業施設などでも不定期出店されているようです。下鴨神社だけでなく鯖街道の終着地である出町桝形商店街からも近く、葵祭に食べる鯖寿司としてはうってつけ。時刻は14時、まずは店頭のメニューを確認してみましょう。

どちらかと言えば持ち帰り主体のお店ですが、店内飲食も可能です。古くから京都にお住まいの方なら共感していただけると思うのですが、鯖寿司は今やすっかり超高級品。昔からハレの日のご馳走ではあったものの、昭和の後半でも鯖寿司は1本(1貫ではなく)で¥1,000円もしなかったように記憶しています。まぁ昔はサバが圧倒的に安かった、ということも関係しているのでしょう。持ち帰りだけでなくホームページからお取り寄せも可能で、手軽にこちらの鯖寿司をいただくこともできます。最も高額な「吟撰龍飛巻」は1本¥8,640!!鯖寿司の種類によって価格が異なるのは、ほぼサバの品質によっての違いだと思われます。一番お安いスタンダードな「鯖街道」¥3,500でも十分おいしいので、遠方の方は通販でお試しください。では早速、店内へ入ってみましょう。

カウンター数席と小上がりの4〜6名が座れる座敷3組でイートインできます。店内入ってすぐのところに鯖寿司各種や惣菜、漬物などが置いてあり、持ち帰りの方はショーケースを見て購入してください。10時〜18時までの通し営業で、下鴨神社などに立ち寄られた方がランチで利用することも多い人気店です。改めてイートインメニューを確認してみましょう。

通常の鯖寿司3切れと炙り鯖寿司2切れのお得メニューで数量限定の「花折膳」¥1,760がオススメです。最近でこそ炙り鯖寿司は珍しくなくなりましたが、管理人が学生時代であった30年ぐらい前まで、京都では炙り鯖寿司はかなり珍しかったのではないでしょうか。確か管理人が初めて炙り鯖寿司を目にしたのは、福井県の小浜市だったハズです。あちらではサバ1匹を串に刺して焼く豪快な「浜焼き鯖」が名物で、同時に炙り鯖寿司が販売されているのを見て“小浜では焼き鯖がデフォなんだなぁ”と感じたことを覚えています。しかし最近では大阪市内でも炙り鯖寿司が多く販売されていて、ニーズの高さを感じざるを得ません。今回は、京都らしい鯖寿司と炙り鯖寿司の両方を味わえる「花折膳」を注文してみました。

「花折膳」が到着しました。ある意味、最も京都らしいランチと言えるビジュアルではないでしょうか。吸い物はイトヨリ?など白身魚とシメジを具としていて、白身魚の味わいが濃厚で贅沢な味わいを楽しめます。小鉢のコンニャク田楽は、こちらのお店らしく味噌に鯖味噌を使われている逸品。鯖味噌とは焼いたサバの身をほぐし、味噌とあえた特製味噌です。お持ち帰りや通販でも販売されていて、熱々ご飯のお供にも堪えられないおいしさ。もちろん、コンニャクやダイコンなどの田楽味噌としてその真価を発揮します。焼き鯖の旨味を存分に楽しめる、他ではなかなかお目にかかれない希少な味噌と言えるでしょう。それではいよいよ、鯖寿司をいただきましょう。

まずは京都によくある鯖寿司です。このサバの肉厚をご覧ください。脂がたっぷりと乗った腹身と血合いのバランスが最高です。皮には白板昆布が乗せられていて、これが鯖寿司店の流儀。家庭の鯖寿司では白板昆布までは乗せません。一口食べると、鯖の脂の甘みと旨味が口の中に広がり、そこに酢飯の甘み、白板昆布の旨味と風味が渾然一体となった極上のおいしさを実感できます。味付けも専門店らしく上品で、おだやかな酢の酸味と塩梅が絶妙です。家庭で作る鯖寿司は保存性を重視するため、かなり強めに酢で締めることから、サバの旨味を少し損なっていると、こちらの鯖寿司を食べて気づきました。酢飯も甘さ控えめで、サバの旨味や味わいが際立っています。

そして炙り鯖寿司です。皮目を炙っていてキャラメリゼされた香ばしさが鼻孔をくすぐります。なぜフランス料理のように“キャラメリゼ”なんて書いてしまったのでしょうか。おそらく見た目のビジュアルがクレームブリュレ(焼きプリン)に似ていると感じたからでしょう。おフランスかぶれのようで鼻につきますが、とにかくいただきます。これは焼きサバ寿司ですね。焼きサバがおいしいのは当然で、ご飯にもよく合うオカズです。寿司にしてもおいしいに決まっています。しかもよくある小さなサバではなく、肉厚なサバを使った焼きサバです。贅沢な焼きサバを寿司にしているだけでなく、味わうごとにサバ本来の旨味もわかるおいしさ。鯖寿司やシメサバが苦手な方も多いそうですが、これなら万人に受け入れられる味だと思いました。

下鴨神社の近くに佇む、茶屋のような外観の鯖寿司専門店です。今年は新型コロナウイルスの影響で下鴨神社を訪れる方も少ないとは思いますが、来年以降に葵祭が復活した際には見学ついでに立ち寄られてみてはいかがでしょうか。もちろん、通年をとおして販売されていますので、京都観光などの際のランチやお土産にもピッタリです。下鴨神社近くに来られた方は、京都のソウルフードである鯖寿司をぜひご賞味ください。

[2020年4月18日訪問]

鯖街道 花折 下鴨店
●住所…京都市左京区下鴨宮崎町121(Google マップ
●TEL…075-712-5245
●定休日…水曜日および1月1日
●備考…禁煙
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