ル・プチメック 今出川店
意外にパンを食べていて、近年では全国上位の消費量に挙げられている京都府。京都府と神戸市を擁する兵庫県でだいたい全国パン消費量のワン・ツーフィニッシュになることが多く、近隣の大阪府や滋賀県なども全国有数のパン消費量を誇っています。和の文化が息づく古都であり、京料理の本場・京都で、なぜパンの消費量が多いのか。これまで数多の研究者や好事家からさまざまな説が提唱されていますが、アラフィフのパン好き京都人である管理人には思い当たる節があります。“学生の街だから”とか“京都人はハイカラな人が多いから”という従来の説もおそらく間違いではないのでしょうが、もっと本質的な気質がパンを買わせているのだと思うのです。ズバリ、京都人はエエカッコしぃだから。“なぜエエカッコしぃがパンを買うのだ?”と疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。よく考えてください。「昼飯は牛丼」の人と「ランチはサンドウィッチ」の人、どちらがカッコイイですか?「朝飯はアジの干物」の人と「モーニングはクロワッサン」の人、どちらがカッコイイでしょうか?もう、おわかりですね。そう、このエエカッコしぃな京都人気質が、パンを愛してやまない根本的な理由なのです。もちろん、京都にはおいしいパン屋さんが多いのも理由の1つでしょう。そして、そんな数あるおいしいパン屋さんの中でも、個人的にはベスト5に間違いなく入ると断言できるのが「ル・プチメック」です。
“京都のパン”と言えば必ずその名前が挙げられる「ル・プチメック」の本店格が「ル・プチメック 今出川店(る・ぷちめっく いまでがわてん)」。開業は1998年(平成10年)で、フレンチスタイルのブランジェリー(パン屋さんの仏語)としてオープンして以来、またたく間に京都府民だけでなく全国からお客さんが来られる人気店となりました。現在では京都市内に4店舗・東京の千代田区に1店舗を構えるまでに成長。今でこそ京都でもフランス風のブランジェリーは増えていますが、おそらく京都のブランジェリーとしては最初のお店です。この“フレンチスタイル”というところも京都人の心をくすぐるのでしょう。いつ行ってもお客さんで賑わっているため、人混みが苦手なコミュ障の管理人は永らくご無沙汰していました。しかし、京都グルメを語るうえで欠かせない1軒であることから、今回は意を決してREPORTしてみます。時刻は11:20、早速店内に入ってみましょう。
テイクアウト主体のパン屋さんではあるものの、イートインもOKでカフェ使いにも利用できます。緊急事態宣言の影響もあり、イートインスペースはカップル1組だけでしたが、パンを購入するお客さんはひっきりなしに来店されていました。せっかくですので早めのランチをいただこうとイートインスペースに着席し、まずはパンを選ぶため売り場へ向かいます。
香ばしい焼けた小麦粉の香るが食欲をそそりますね。惣菜パンとしてハード系のくるみパンのサンドウィッチ「自家製ローストビーフと青カビチーズのソース」¥396、菓子パンは「ハニークアトロフォルマッジ」¥330と「タルトショコラ」¥363をチョイス。ドリンクは「アイス・カフェ・オ・レ」¥440を注文し、イートインスペースへ戻ります。
パン3種と「アイス・カフェ・オ・レ」が運ばれてきました。イートインはパンの温めやカットもしていただけるのでオススメです。若い女性の店員さんから何か声をかけられたものの、マスクをされていたため聞こえずテキトーに愛想笑いでうなずいていたのですがオマケでしょうか、小さな「くるみのタルト」もいただきました。これはイートインのお客さん全員にいただけるサービスなのか、それとも…?いつものように変態想像力を発揮して若い女性の店員さんの気持ちを書こうとも思ったのですが、どう考えてもサンプルカットにしか見えない「くるみのタルト」でしたので、セクハラまがいの妄想劇場はやめておきます。ではまず、「自家製ローストビーフと青カビチーズのソース」からいただきましょう。
絶品です。パストラミビーフ風の自家製ローストビーフと、フルム・ダンベール(青カビチーズ)のクセがありつつコクと旨味のあるソースが重厚で贅沢な味わいとなっています。さすがは京都を代表するブランジェリーだけあって、これはもうフランス料理といっても過言ではありません。管理人は基本、ハードタイプのパンは好みではありませんが、こちらのパンはただ固いだけではなく、適度にしっとりとしていてパンのおいしさもしっかりと味わえる逸品です。食べると口の中が血だらけになりそうなハードタイプのパンとは次元の異なる味わいで、フランスパンの本当のおいしさを堪能することができました。
「ハニークアトロフォルマッジ」は4種類のチーズとハチミツが混ぜられたデニッシュタイプの菓子パンです。チーズのコクとほんのり甘いハチミツの風味が、フワサクのデニッシュ生地で焼き上げられたおいしさを味わえます。心地のいい軽めの食感で、いくらでも食べられそうな菓子パンではないでしょうか。
「タルトショコラ」も文句のつけようのないおいしさ。これはもはや一流ケーキショップのチョコレートタルトにも匹敵するクオリティです。濃厚なチョコレートとサクサクで豊かな味わいのタルトのコラボレーションは絶品と言えるでしょう。チョコレート好きなら必ず食べていただきたいと感じました。
小さな「くるみのタルト」もくるみの香ばしい風味と味わいが見事な仕上がりで、結局テイクアウト用に「くるみのタルト」¥341と「赤い実のタルト」¥308も追加で購入。自宅でもしっかりと楽しむことができました。パン1個でだいたい¥300前後〜と少しお高めな価格設定ですが、それだけの価値は十分にあるおいしさです。今出川通と堀川通の交差点(堀川今出川)を西へ350mほどのところにあり、地下鉄「今出川駅」から徒歩14分程度と交通の便は少しよくないものの、散歩がてらにでも足を運ばれてみてはいかがでしょうか。こちらの営業日は金曜日・土曜日・日曜日および祝日ですので、休日の朝食やブランチなどでぜひご利用ください。
[2020年4月26日訪問]
ル・プチメック 今出川店
●住所…京都市上京区元北小路町159(Google マップ)
●TEL…075-432-1444
●定休日…月曜日・火曜日・水曜日・木曜日(祝日は営業)
●備考…禁煙(イートインスペースあり)
●ホームページ
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