中国料理 四川
先日「中華飯店 夜来香」のREPORTで町中華について触れた際、高級店は含まなれない旨のことを書きました。中華の高級店とは、1回の食事で1人前だいたい¥5,000以上するお店と考えれば、ほぼ間違いありません。管理人はそんなお店にはまったく縁がなく、せいぜいお客さんを接待する時に利用する程度でしょうか。接待ですので料理を味わうことも楽しむこともできません。そして、自腹に至っては収入の関係もあってもってのほか。ただ、ランチであれば手が届くお店もあります。特に高級ホテルに入っている中華料理店、いわゆる“ホテル中華”は狙い目です。観光都市である京都にはさまざまな高級ホテルが営業していますが、今回はランチとして京都の“ホテル中華”の中でも老舗店をREPORTしてみました。
新幹線乗り場があるJR「京都駅」八条口から八条通を挟んだ南向かいにある「都ホテル 京都八条」。京都人にとっては旧名の「新・都ホテル」の方が馴染み深いかも知れません。「都ホテルズ&リゾーツ」が運営するホテルで、1890年に開業された「ウェスティン都ホテル京都(旧名:都ホテル)」より新しく1975年(昭和50年)に開業されたことから「新・都ホテル」と呼ばれていました。都ホテル系は京都を代表する高級ホテルではあるものの、実は「都ホテル 京都八条」は比較的安価に宿泊できます。時期にもよりますが、ちょっとイイ感じのビジネスホテルより安く泊まれることも多く、普段は京都で宿泊なんてしない管理人も仕事の関係で何回か利用することも。例えば今日まで東京、明日から福岡、なんて時は自宅へは戻らず、いったん「都ホテル 京都八条」で泊まって早朝の新幹線で博多へ向かったりしていました。そんな「都ホテル 京都八条」ですが位置づけとしては高級ホテルで、地下1階にある「中国料理 四川(ちゅうごくりょうり しせん)」は、管理人が子どもの頃から営業している名店です。
父がよく利用していたこともあり、管理人も幼い頃に何度か連れて行ってもらいました。ディナーコースは¥5,000以上しますので、自分で支払わなければいけなくなった現在、夜はムリ。しかし、ランチなら何とかなります。ランチメニューはコチラをご確認ください。「四川」と言えば四川料理、四川料理と言えば麻婆豆腐でしょう。そこで今回は、“四川名物「激辛陳麻婆豆腐」と主菜一品に、前菜やスープもついた土日祝日限定のランチです。主菜は6種類よりお選びいただけます。”と書かれた「ホリデー麻婆豆腐ランチ」¥2,400に決めて、友人と2名で店内へ向かいました。
店内に入ってすぐのフロントには、「五ッ星お米マイスター 京の米老舗 八代目儀兵衛」のプレートが飾られています。以前REPORTした「創作料理 かわ道」でも使用されているお米で、ご飯がおいしいのは間違いなさそうです。「米料亭 八代目儀兵衛」は祇園にも店舗がありますので、いずれREPORTします。スタッフの方に案内され、さらに奥の部屋へ通されました。
高級店らしい内装や調度品です。思わず持って帰りたくなりますが、絶対に持って帰ってはイケマセン。こういう高級店は一般的にお一人様での利用は躊躇しがちなものの、ホテルの飲食店は大丈夫です。なぜなら一人で滞在している宿泊客が多いから。立地的にも観光客よりビジネスパーソンが多く、宿泊ついでにお一人様で食事をされる方も少なくありません。当然、宿泊しなくても利用できます。スタッフの方に「ホリデー麻婆豆腐ランチ」を注文してワクワクしながら待ちましょう。
まずは前菜として「冷菜盛合せ」が到着。1品1品が丁寧に調理されていて、高級店らしく上品な味わいです。甘酢ベースの味付けで、ムセるなんてこともなく、ただただおいしい。素材の旨味がしっかりとわかる前菜で、この「冷菜盛合せ」を使った冷やし中華を作ってくれないかなぁ〜と考えてしまいました。ちなみに去年、一昨年とこちらで食事をしたのですが、冷やし中華は残念ながら提供されていません。もし、関係者の方で当ブログをご覧になられた方がいらっしゃいましたら、シェフにそれとなく冷やし中華をプッシュしてみてください。
「スープ」と「副菜」が運ばれてきました。「副菜」はレタスとシメジの豆鼓ソースでしょうか、滋味あふれる豊かな味わいです。野菜だけとは思えない旨味はさすがの一言。一緒に注文したノンアルコールビールもグイグイと進みます。では、スープを飲んでみましょう。
絶品です。中華料理ではカニと卵白のスープですが、カニの風味や旨味を存分に楽しめる逸品です。トロみも申し分のない粘度で、胃にやさしく入っていきます。二日酔いや体調が優れない時でも、このスープなら飲み干せるのではないでしょうか。管理人のような中年のオッサンにとってもありがたい、やさしい味わいに感心しました。
いよいよ「激辛陳麻婆豆腐」です。こちらの麻婆豆腐は本格派であり、相当に辛いことでも有名。テーブルごとにはなりますが、注文時に“辛さ控えめでお願いします”と伝えれば、適度にピリ辛な「激辛陳麻婆豆腐」をいただくことができます。今回は辛さに少しビビってしまったこともあり、“辛さ控えめ”バージョンを注文しました。ひと口食べると…それでも結構なピリ辛です。ただ激辛レベルではなく、旨味とコクにあふれた味付けもあって、ご飯が進む進む。四川山椒(花椒)の爽やかなシビれる辛さと唐辛子の辛味のバランス、京都らしいなめらかで濃厚な豆腐との相性が素晴らしい逸品。京都の高級四川料理店としては、おそらく草分け的な存在であるこちらの実力を存分に発揮されている麻婆豆腐ではないでしょうか。
主菜は6種類の中から1品を選べます。管理人は「白身魚の甘酢あんかけ」を、友人は「青椒牛肉絲」をチョイス。どちらも四川料理ではありませんが、ホテル中華の料理人は広東料理や北京料理、上海料理などを一通り修行される方が多いそうで、どの料理も確かな味わいです。ホクホクとした白身魚の唐揚げと素揚げされた野菜に、ケチャップ味で甘めの甘酢あんがよく合います。ケチャップが大好きだった子どもの頃を思い起こさせる、ちょっと懐かしい味を堪能できました。
〆は中華の定番「ココナッツミルクのデザート」です。管理人はココナッツミルクが大好きで、ココナッツミルクを使ったプリンなどを自作したりもする、よく考えれば相当にキモいオッサンです。キモいと思われ落ち込みますが、気にせずいただきましょう。
大きいのが白玉、小さいのがタピオカですね。これはもう安定のおいしさで、プロが作るデザートとなっています。スーパーやコンビニなどでもタピオカ(ココナッツ)ミルクのデザートは市販されていてよく購入するのですが、数ランク上の味わい。贅沢なおいしさながらサッパリとしたコース料理の締めくくりにふさわしいデザートでした。高級店の雰囲気と味をランチなら比較的、手軽に楽しめる中華料理店です。JR「京都駅」付近に来られた際や、商用などで宿泊される場合は、「都ホテル 京都八条」に宿を取られ、こちらの料理を味わってみられてはいかがでしょうか。
[2020年5月9日訪問]
中国料理 四川
●住所…京都市南区西九条院町17 都ホテル 京都八条B1F(Google マップ)
●TEL…075-662-7956
●定休日…年中無休
●備考…禁煙
●ホームページ
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