中華料理 昇仙
かつては頻繁に映画やテレビで上映・放送されていた時代劇の撮影所のメッカであり、現在は観光客にも人気の東映太秦映画村や京都最古の寺院・広隆寺があることでも知られる太秦（うずまさ）エリア。難読地名としても有名で、一説には古墳時代に中国大陸や朝鮮半島から渡ってきた渡来人の秦氏が拠点を置いたことから、拠点を意味する「太」と「秦」を取って太秦という地名になったと言われています。太秦が“うずまさ”と読まれるのは、時の朝廷が太秦の秦氏に「兎豆満佐（うずまさ）」の姓を与え、やがて太秦の読みに“うずまさ”が当てられるようになったからだそうです。そんな古い街には古くからの商店や住宅も多く、地元の人に愛されている飲食店も数多く存在します。その中から今回は、有名店ではないものの街の名店と呼ぶにふさわしい中華料理店をREPORTしました。
三条通と京都府道132号太秦上桂線（通称：梅津街道）の交差点（太秦）から大映通り商店街を西へ350mほど行き、南へ100mほど行ったところにある住宅街の中にひっそりと佇む「中華料理 昇仙（ちゅうかりょうり しょうせん）」。細い道沿いにあり少しわかりにくい場所にありますので、初めてお越しの際にはGoogle マップをご確認ください。メディアに取り上げられることはほとんどないお店ですが、地元の方や映画・ドラマ関係者には知られている町中華のお店です。ご近所であれば出前も頻繁にされていて、この近辺の方であれば利用されることも多いのではないでしょうか。時刻は13：20、早速店内へ入ってみましょう。
お昼時も過ぎて、お客さんも少なく落ち着いています。が、しばらくするとお一人様ばかりひとり、またひとりと店内に入ってこられました。根強い人気に支えられたお店であると、改めて実感します。店内はゆったりとくつろげる雰囲気で、ご主人が調理、奥様が接客、ご子息が出前と役割を分担されている家族経営。たまに家族間で口喧嘩が勃発することもありますが、家族経営の商店ではよくある光景ですのでBGM代わりぐらいの軽い気持ちでご利用ください。接客担当の奥様はお客さんには笑顔で応対していただけますので心配ありません。それではメニューを確認してみましょう。
黒板やブラックボードのメニューは上手に撮影できませんでしたので、管理人が似たようなイメージで作成しています。よくある街の中華屋さんと思いきや、本格的な一品メニューも豊富にラインナップされていて、ご主人の実力のほどが伺えるでしょう。ランチではやはり定食メニューがメインとなっていて、訪問した日も皆さん定食メニューを注文。管理人はもちろん「冷麺」¥680（大：¥980）なのですが、せっかくですので「炒飯」¥580もお願いしたところ、奥様から“メニューにはありませんがサービスメニューにしときますね〜”と、¥980で注文することができました。お得になってうれしい反面、家族間での口喧嘩が始まらないかを心配しつつ、「冷麺」と「炒飯」を待ちます。
「冷麺」と「炒飯」のセットが到着しました。「冷麺」はキュウリ、チャーシュー、錦糸玉子、春雨と中央に紅生姜が乗せられた5色が彩りが鮮やかな、街の中華屋さんらしいビジュアルです。王道の具のように見えますが、春雨は結構珍しいのではないでしょうか。タレは酢醤油ベースの王道派で、爽やかで涼しげな印象です。底に仕込まれた氷も冷たさを演出しています。とりあえず麺からいただきましょう。
こちらの麺も素麺と間違えそうになる極細麺です。うどんも蕎麦もラーメンも細麺好きな京都人らしい麺と言えるでしょう。酢醤油ベースのタレは酸味控えめでコクがあるタイプ。たっぷりのチャーシューの濃厚な味わいで食べごたえも十分です。チャーシューは赤身がほとんどのものを細かくカットされていて、麺やタレによくからみます。麺とは異なる春雨の食感もアクセントとなっていて、さすがは地元の人に長年親しまれているお店だけのことはあるクオリティだと感じました。
そして「炒飯」です。こちらの「炒飯」にもチャーシューがたっぷりと使われていて、濃厚なおいしさを堪能できます。パラパラ炒飯とシットリ炒飯の中間的な炒め具合となっていて、双方の良さを感じられる味わい。この「炒飯」だけでも食べる価値はあるように思いました。観光客はあまり来ない感じのお店ですが、太秦エリアには観光スポットが多いこともありますので、東映太秦映画村などに行かれた際にでも立ち寄られてみてはいかがでしょうか。
［2020年7月5日訪問］
中華料理 昇仙
●住所…京都市右京区太秦多藪町14-210（Google マップ）
●TEL…075-861-1930
●定休日…水曜日
●備考①…「冷麺」は夏季限定
●備考②…禁煙
●ホームページ…なし
※詳細は食べログ「昇仙」で検索してください。
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