価格以上の価値がある味を提供する伏見の中華店

2020冷やし中華
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中華屋 がっつ

梅雨もそろそろ明けそうな感じですね。今年は九州地方を中心に全国各地で災害が発生するなど、本当に雨がよく降った梅雨だと思います。風流人なら梅雨をも愛でて俳句を作られるのでしょうが、管理人は俳句の才能もなく梅雨がキライです。もちろん四季の節目であり、農作物や海産物の生育には欠かせないのは頭では理解しています。しかし、この移動しずらい雨、どんよりとした空、むあっとした暑さ、どれをとっても気分が滅入ります。帰宅途中も何だか投げやりな気持ちになり、つい京阪「伏見桃山駅」で途中下車をしてしまいました。

京阪「伏見桃山駅」と直結しているのが京都市有数の規模を誇る商店街伏見大手筋商店街」です。時刻は20:30と、普段ならもっと人が多くてもおかしくない商店街なのですが、やはり新型コロナウイルスの影響でしょうか、行き交う人も少なめ。とは言え「伏見大手筋商店街」および周辺エリアはさまざまな飲食店が軒を連ねる人気スポットであり、落ち込んでいた気分も徐々に高まります。“サテサテ、どこのお店で夕食を取ろうかな?”とウキウキしながら、商店街近くのカジュアル中華店へと向かいました。

大手筋通国道24号の交差点(御香宮前)を西へ350mほど行き、両替町通を南へ150mほど行った両替町通魚屋通の交差点のほぼ南西角にある「中華屋 がっつ」。2003年(平成15年)のオープン以来、リーズナブルな価格ながら本格的な味わいで人気を博している町中華店です。この近辺は中華料理店も数多くある飲食店の激戦区ですが、こちらは常にお客さんで繁盛しています。管理人にとってはかなり久しぶりの訪問ですので、まずは店頭のメニューを確認してみましょう。

四川料理を中心とした馴染み深い中華料理がラインナップされています。そして“バンバンヂーのような…”と書かれた「冷麺」¥850も始まっていました。当然、「冷麺」は食べるのですが、問題は「冷麺」以外の副菜に何を食べるか、です。メニューが魅力的過ぎてしばし長考。ご飯物が順当なのでしょうが、夜に麺+飯はもう卒業したため注文できません。“そう言えば「麻婆豆腐」¥680もおいしかったなぁ〜「春巻(2本)」¥420もイイなぁ〜”と雨に濡れながら考えていてもラチがあかないので、とりあえず店内へ入ってみました。

今宵はなぜかカップルのお客さんばかりで、せっかくテンションが上がっていた気分も落ち込みモードに。雨だからでしょうか、かつて「恋人も濡れる街角」という曲が流行したことを思い出しました。「オッサンも濡れる中華屋」という曲を作ってユーチューバーにでもなろうかと考えたのですが、再生回数2とかで余計にヘコみそうなので止めておきます。清潔感のある店内は小上がりの掘りごたつやテーブル席、カウンター席もあり、お一人様やカップル、グループなどで利用しやすい感じです。お酒の種類も豊富で、飲む人にとっても便利なお店ではないでしょうか。では副菜を決めるべく、改めてメニューを確認しておきましょう。

「冷麺」とノンアルコールビールは確定として、この蒸し暑さから逃れるためには、漢方的な観点から身体の中から冷やすことが重要です。いにしえの中国では身体を冷やす食材としてカニや夏野菜が知られています。中でもキュウリやナスなどの夏野菜は旬であり、医食同源にふさわしい食材でしょう。そこで今回は「冷麺」と「麻婆茄子」¥790を注文してみました。もうご飯物に頼らなくても大丈夫な、梅雨にふさわしいチョイスです。

まずは「麻婆茄子」が到着。ひとくち食べると濃厚な餡のおいしさに驚きます。旨味のかたまりと言っても過言ではない味わいで、豆板醤やオイスターソースなど、さまざまな醤(ジャン)の奥深い味は絶品の一言。素揚げされたナスとの相性も抜群です。ひとくち食べるごとに(ノンアルコール)ビールがグイグイと進みます。“…白ごはんと食べたい”。思わず心の声が漏れてしまいました。白いごはんの上にこの「麻婆茄子」を乗せて食べることができたなら、もう何も望むものはない、とさえ思ってしまいました。イヤイヤ、もう麺+飯は卒業した身です。そもそもメニューに「白ごはん」はありませんが、言えば出していただけそうな気もします。でもメニューにないものを注文するのも気が引けるし、何より麺+飯は卒業したハズです。頼むべきか、頼まざるべきか。そんな葛藤に苦しむこと数分、場の空気をリセットするかのように「冷麺」が運ばれてきました。

「冷麺」が来て本当にヨカッタ。危うく“白ごはんはありますか?”と尋ねるところでした。気を取り直して「冷麺」に集中できます。具は蒸し鶏とキュウリ、クラゲ、トマトでゴマダレの冷やし中華です。キュウリも身体を冷やす夏野菜で、冷やし中華には付きものの食材。ビジュアル的にも鮮やかな緑が涼しさを感じさせます。

麺は細めの中華麺で、ゴマダレはゴマの風味がしっかりと感じられる味わいです。辛くない冷やし担々麺といったおもむきでゴマのコクが活きています。蒸し鶏やクラゲなどともよく合う、高級店の冷菜としても十分に通用するおいしさだと感じました。ゴマダレ冷やし中華の中でもかなりハイレベルな逸品と言えるでしょう。「麻婆茄子」同様、旨味を追求された、価格以上の価値がある「冷麺」の味わいで、他の料理も逸品揃いなのは間違いなさそうです。庶民の台所でもあり、観光スポットとしても人気の「伏見大手筋商店街」に来られた際には、ぜひこちらにもお立ち寄りいただき、絶品中華の数々をご堪能ください。

[2020年7月7日訪問]

中華屋 がっつ
●住所…京都市伏見区魚屋町573-17(Google マップ
●TEL…075-602-1725
●定休日…水曜日
●備考①…「冷麺」は夏季限定
●備考②…禁煙
●ホームページ…facebook
※さらに詳しくは食べログ「中華屋がっつ」で検索してください。

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