slowflow
午前中に円町で用事があり、終わったのが11時。円町は洋食をはじめ、さまざまなジャンルの飲食店が軒を連ねる激戦区であり、基本、食事に困ることはないのですが、さすがに11時はランチとしては早過ぎです。喫茶店など朝から営業しているお店を除き、昼間から営業される一般的な飲食店は11:30か12時から営業を開始されます。サテ、どうしたものか…と2秒ほど思案し、ふと“あそこは確か11時開店だったハズ”とイソイソと向かったのは、京都でも有名な洋食のお店です。
西大路通と丸太町通の交差点(円町)を南へ350mほど行き、新二条通の交差点(西大路太子道)を西へ70mほど行ったところにある「slowflow(スロウフロウ)」。2009年(平成21年)に開業、京都の情報誌をはじめ多くのメディアに採り上げられる人気店であり、特にランチタイムなどは混雑します。お昼の営業時刻は11時〜14時ぐらいまでとなっていて、少し早いめのランチも可能。スタイリッシュな外観ながら伝統的な味わいの洋食をいただける貴重なお店です。
テイクアウトにも力を入れておられるようで、リーズナブルな価格で本格洋食を楽しめます。時刻は11時過ぎ、早速店内へ入ってみましょう。
てっきり1番乗りだと思ってお店に入ると、もう既に先客が入店されていました。広々とした開放感のある店内は清潔感もあり、女性のお一人様もよく利用されています。訪問時もお昼近くになると、女性のお一人様が数名入ってこられました。もちろん男性のお一人様でも入りやすい雰囲気ですのでご安心ください。では改めてランチメニューを確認しましょう。
洋食の王道メニューがしっかりと押さえられていて、何を食べても間違いのないお店です。初めて訪問される方なら、まずはハンバーグが付いているメニューを試していただきたい。ランチタイム限定のハヤシライスもオススメではあるものの、今回は洋食店の実力がハッキリとわかる、さまざまな料理が盛り込まれた「洋食ランチ」¥1,380と「自家製とろとろプリン」¥200を注文してみました。
ハンバーグ、有頭海老フライ、海老クリームコロッケ、チキンの照り焼きがセットになった「洋食ランチ」が到着。¥1,380とは思えないゴージャスさです。ご飯はパンへの変更も可能ですので、飲む人やパン好きな方にもやさしい心遣いとなっています。そして赤だしがうれしい。ボリューミーで濃厚な洋食にはやはり赤だしが1番合うような気がします。合わせ味噌の味噌汁や豚汁、ポタージュも悪くはないのですが、昭和の洋食では赤だしがスタンダード。最初にひとくち味わい、ホッとしたところで皆さんにもオススメのハンバーグからいただきます。
ご覧ください、箸で少し力を入れてつまむと肉汁があふれ出てきます。これが本物かつ王道のハンバーグであり、箸で切った時に肉汁が流れ出てくるハンバーグは一部の例外を除いて失敗作と言えるでしょう。デミグラスソースも少しテリヤキソース風の味わいでご飯にもよく合います。コクのある肉汁と濃厚なデミグラスソースの組み合わせという、最強レベルのハンバーグです。丁寧に作られていることがわかる逸品ではないでしょうか。
そして有頭海老フライ。有頭は海老味噌を楽しめるだけでなく、ビジュアル的な豪華さや華やかさが数ランクはアップしますね。当然、最適な揚げあがりとなっていて、身の食感はプリップリ、海老本来の甘みも十分に味わえます。有頭海老のフライこそ正統派の洋食店である証であり、こちらの洋食に対する思想が感じられます。
海老クリームコロッケもトロトロのベシャメルソースとカラリと揚げられた食感のコントラストが見事。甘酸っぱいトマトソースとの相性も申し分ありません。さすが洋食の激戦区である円町で人気のお店だけのことはあるクオリティだと、改めて実感できました。
チキンの照り焼きも鶏モモ肉の旨味が凝縮されたおいしさです。ハンバーグ、有頭海老フライ、海老クリームコロッケ、チキンの照り焼きと、4種類の洋食メニューを一度にいただけて¥1,380は本当にお得と言わざるを得ないと思います。この一皿で贅沢な幸福感と満足感を十分に堪能できました。が、〆の「自家製とろとろプリン」もぜひ食べていただきたいおいしさなのですよ。
ランチメニューを食べたお客さんだけ注文できる「自家製とろとろプリン」。バニラエッセンスではなく、黒いバニラの粒がうっすらと確認できます。このあたりにも料理に対する丁寧さが表れていると感心しました。
トロットロです。赤ちゃんのホッペよりもトロントロンです。口の中に入れるとすぐになくなり、プリンのおいしさだけが残ります。ケーキ店や洋菓子店に匹敵するプリンです。何ならバケツでいただきたい、とさえ思わせる味わい。最近、コンビニスイーツなどで流行りのイタリアンプリンのように少し固めの食感も否定はしませんが、個人的にプリンはなめらかでトロントロンが好みです。洋食も〆のデザートも文句のつけようがありません。円町エリアでの洋食なら、こちらもぜひお試しください。
[2020年9月5日訪問]
slowflow
●住所…京都市中京区西ノ京北壺井町88-1(Google マップ)
●TEL…075-801-1670
●定休日…日曜日
●備考…禁煙
●ホームページ…facebook
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