うどんもダシも具もすべてが最上級なうどん店

和食編
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手打ちうどん 春日井

京都の地元民は意外とパンが好き。小麦粉好きで言えばお隣の大阪府こそコナモノ大国であり、お好み焼きやたこ焼き、そしてうどんへの愛は尋常ではありません。京都では蕎麦の名店が多いものの、当然うどんも人気。京都市内にもうどんの名店はいくつもあるのですが、あまり話題にのぼらないのはえを気にする京都人気質のせいかも知れません。パンが好き、とハイカラぶるくせに、うどんが好き、とアピールする京都人をあまり聞かないのは、ある意味京都人らしい気もします。そこで今回は、京都人がひた隠しにする?うどんの名店をREPORTしてみました。

五条通堀川通の交差点(堀川五条)を西へ300mほど行ったところにある「手打ちうどん 春日井(てうちうどん かすがい)」。お昼時には行列ができるほどの人気店です。以前は昼と夜に営業されていましたが、現在は11:30〜15:30ラストオーダーの昼のみの営業。しかもうどんがなくなり次第閉店ということもあり、以前よりもレア度は高めとなっています。できるだけ並びたくない管理人は開店直後の11:40に到着。ヨシヨシ、行列はできていません。まずは店頭のメニューを確認してみましょう。

温かいうどんと冷たいうどんの両方はバランスよく用意されていて、暑いんだか寒いんだかよくわからない季節にはありがたい配慮です。あくまで個人的な意見なのですが、冷たいうどんで本当においしいと思えるお店は希少だと思います。温かいうどんはダシやうどんの風味が温度によってハッキリとわかるのに対し、冷たいうどんはダシもうどんもその実力を十分に発揮しているとは言い難いと感じているからです。にも関わらず冷たいうどんでおいしいのは、確かな技術の証しと言えるでしょう。そしてこちらは、その技術をお持ちです。早速店内に入ってみましょう。

満員でした。店内の椅子に3組ぐらい待たれている状態で、一瞬心が折れそうになったものの、せっかく開店直後に来たのだからと4組目として待つことに。10分後ぐらいでしょうか、カウンター席への着席を案内された時には、店頭に行列ができていました。カウンター席や各テーブル席にはかなり高めの衝立があり、衝立がメインの店内風景となり申し訳ございません。4名テーブル席3組とカウンター3席というこじんまりとした店内で、運がよければ自家製のうどんを打たれている様子を目にできるかも知れません。管理人は何回か伺っていますが、実際にうどんを打たれているところを見たことがないため、詳しくは報告できないのですが。では改めてメニューを確認してみましょう。

今回は冷たいうどんの中から海老天他・半熟玉子・薬味が入った「冷たい天ぷらうどん」¥950と、うどん店ではほぼ必ず食べてしまう「五目おこわのおにぎり(小2個)」¥250をチョイス。ラーメンにはチャーハン、うどんには炊き込みご飯です。炭水化物だらけという批判や苦言は一切聞き入れません。もうアラフィフなので都合の悪い忠告は聞かなかったフリをすることに決めました。年齢を重ねるとよりガンコになると聞いていましたが最近、身をもって実感しています。

「冷たい天ぷらうどん」と「五目おこわのおにぎり(小2個)」が到着。もう見るからにおいしそうなビジュアルですね。こちらの「冷たい天ぷらうどん」の天ぷらは後乗せサクサク方式です。自分の好きなタイミングで天ぷらをうどんに乗せていただきます。ちなみに右下の黒い小さな壷にはすりゴマが入っていて、味変用のアイテム。まずは七味唐辛子を振りかけ、ダシからいただいてみましょう。

あぁ…と思わず声が漏れるほど、ヒンヤリとしていてもダシの風味が活かされている逸品です。冷たいので多少は塩味や醤油味がキツめなのかと言えば、そんなことはありません。ちょうどいい味加減で行列ができるのもうなずけるクオリティだと感心しました。讃岐うどんなどはうどんを楽しむもので、京都のうどんはダシを楽しむもの。と、名言風に書いてみたものの、文章力が低いため、まったく名言に見えません。まぁとにかく、京都のうどん店ではダシをじっくりと味わってください。

そしてうどんです。京都のうどんと言えば細麺でコシなどまったくないフニャフニャが古来からの伝統でしたが、うどんはコシが命派の人が増えたこともあり、現在はよほどの老舗店でもない限り、そこそこコシがあるうどんを提供するお店が多くなりました。こちらも“手打ちうどん”と謳われているだけあって、モチモチ・シコシコとした食感が素晴らしい仕上がりです。しかもアホほどコシがある訳ではなく、噛み心地も絶品。ダシだけでなくうどんに関しても京都市内ではかなりの水準に達していると思います。

海老天をはじめ、各種天ぷらのサクサクで軽やかな揚げあがりは感動モノです。これはちょっと自宅ではマネできないレベルと言えるでしょう。こちらの天ぷらにダシをくぐらせていただくと、幸せとしか言いようがありません。昔のうどん店の海老天と言えば、たいていはコロモばかり大きくて“エビはドコ??”状態だったのも良き?思い出。こちらの海老天はおそらくクルマエビでしょう、エビの旨味も存分に堪能できました。

「五目おこわのおにぎり(小2個)」はうどんのお供に最適です。ダシを味噌汁代わりにいただくおにぎりのおいしさたるや!子どもの頃に遠足などでお弁当に炊き込みご飯のおにぎりが入っていて、とても懐かしく感じます。こちらの五目おこわもダシの風味や具材の旨味、米の甘みがしっかりと味わえ、すっかりと炭水化物だらけの食事を堪能してやりました。京都でのお昼は軽めにうどんでも、という方は、行列覚悟でも京うどんの確かな実力がわかるこちらまで、ぜひ足をお運びください。

[2020年10月4日訪問]

手打ちうどん 春日井
●住所…京都市下京区下五条町435-3(Google マップ
●TEL…075-812-5237
●定休日…月曜日
●備考…禁煙
●ホームページ…なし
※詳細は食べログ「手打うどん春日井」で検索してください。

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