本格的で正統派の料理を気軽に味わえる中華店

中華編
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中国酒家 西香

荒神口にあり、近くの京都府立医科大学附属病院の見舞客や職員、外来患者などで賑わっていていた、以前REPORTした「和漢同菜 唐朝」が今年2020年(令和2年)3月に店名が変わって新しくオープンされました。お店の前は頻繁に通っていたものの、なかなか伺うタイミングがなく、今回オープンから半年後に伺ういます。オーナーや調理スタッフが変わられたこともあり、どのようなお店になっているか楽しみです。

河原町通丸太町通の交差点(河原町丸太町)を北へ550mほど行ったところにある「中国酒家 西香(ちゅうごくしゅか さいこう)」。外観などは「和漢同菜 唐朝」とあまり変わらない居抜き店舗です。もちろん看板などは変わっています。以前の「和漢同菜 唐朝」のREPORTでは「油淋鶏」の定食をいただいたこともあり、今回も「油淋鶏」があれば食べ比べてみようと考え、店頭のメニューを確認します。

ランチの「大山どり南蛮風 油淋鶏セット」¥990がありました。しかも10月だと言うのに「冷麺」や「冷やし汁無し担々麺」ともに¥950まであります。冷やし中華は来年に改めてREPORTすることにして、ランチは6種類のセットメニューがあるようです。「和漢同菜 唐朝」では冷やし中華系のメニューはなかったこともあり、改めてお店が変わったことを実感します。時刻は13:20、早速店内へ入ってみましょう。

入店時にはお客さんが1組だけだったのですが、管理人が着席してすぐに数組のお客さんが入ってこられ、テンヤワンヤな状態になっていました。こちらのほぼ北隣りには京都府立文化芸術会館があり、見物に来られた方なども立ち寄られています。管理人のようにひとりのお客さんも複数名いらっしゃって、お一人様でも気軽に利用できる雰囲気です。では改めてメニューを見てみましょう。

ランチの「大山どり南蛮風 油淋鶏セット」に決めていたものの、同じ「油淋鶏」をいただける「西香ランチ(大山どりの油淋鶏)」¥1,650に心惹かれます。焼売や小籠包、春巻まで付く、点心が好きな管理人にはピッタリのメニュー。実は店頭でランチの「大山どり南蛮風 油淋鶏セット」と単品の「春巻」¥275を注文するつもりでしたので、ちょっと贅沢ですが今回は「西香ランチ(大山どりの油淋鶏)」に決めました。

まずは焼売や小籠包以外の料理が到着。“ご飯はおかわりしてくださいね〜”というミドル男性店員さんの悪魔の誘惑に負けそうになりながら、スープをひとすすり。あっ!おいしい!!と思わず声が出そうになる、やさしい味わいの青湯スープです。薄味で素材の旨味がしっかりと引き出されていて、エノキの食感も心地いい一品。パリッパリに揚げられた春巻も奇をてらった味ではなく、正統派のおいしさです。春巻を楽しんでいると焼売と小籠包が運ばれてきました。

焼売はこちらも正統派の肉焼売で豚肉の濃厚な旨味を堪能できます。中華料理特有の香辛料などは控えめで、スープと同様、素材の持ち味が活かされていると感じました。小籠包も旨味の塊のようなスープが皮の中にしっかりと蓄えられていて、ひと口で頬張ると確実に舌をヤケドしそうになる王道の逸品。“小籠包はひと口で食べるんやで”とたまに嘘知識を言いふらしている人を見かけますが、本当はレンゲや小皿に取って箸で皮をやぶり、スープをあふれさせて冷まして食べるのが正解。熱々スープたっぷりの小籠包をひと口で食べるのは、単なる罰ゲームでしかなく、味もさっぱりわからなくなるのでご注意ください。

いよいよメインの「大山どり南蛮風 油淋鶏」です。“南蛮風”の定義は料理によっていくつかの種類があるのですが、こちらではマヨネーズが添えられていることから“南蛮風”と表記されていると思われます。細かく刻まれたネギなどの香味野菜と甘酢のタレにからまれた鶏モモ肉の唐揚げは、鶏のおいしさをしみじみと味わえるおいしさ。大山どりというブランド鶏を使用されているのも、ワンランク上の味を実現させている要因でしょうか。この味つけがご飯やビールなどによく合います。鶏モモ肉の旨味と甘みを存分に楽しめる油淋鶏と言えるでしょう。

デザートの杏仁豆腐も手作りでトロットロのやさしい、プロでなければ出すのが難しい味となっています。ジャスミン茶でひといきつきながら、ホテル中華のランチにも匹敵するクオリティだと感じました。¥1,650とランチとしてはちょっとお高めではあるものの、十分に満足できるランチセットです。荒神口付近には京都御所などの見所も豊富ですので、お近くまでお立ち寄りの際は、ぜひこちらで本格的な中華料理の数々をご賞味ください。

[2020年10月10日訪問]

中国酒家 西香
●住所…京都市上京区東桜町21-8(Google マップ
●TEL…075-255-6663
●定休日…水曜日
●備考…禁煙
●ホームページ…facebook

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