四川料理 爍豊
京都大学の農学部近くあった「龍門 百万遍店」が閉店され、新しく「四川料理 爍豊(しせんりょうり しゃくほう)」となったのが今年2020年(令和2年)2月。7月に“冷やし中華はあるかな〜”と訪問してみたものの、残念ながら冷たい麺メニューはありませんでした。食事をしながらお店の大将とお話をしてわかったのですが、こちらの大将は龍門の社員であり(あった?)、龍門のオーナーから“店ヤッテミル?”と提案されて店名を変え新たにオープンされたそうです。日本で言うところの暖簾分けみたいな感じでしょうか。龍門の看板を外すことでゼロからのスタートとなる反面、龍門ブランドに縛られずに独自の店づくりができるメリットもあります。そこで今回は改めて訪問するべく、仕事帰りに立ち寄ってみました。
今出川通と東大路通の交差点(百万遍)を東へ500mほど行ったところにある四川料理のお店です。龍門出身の方のお店だけあって、本格的な四川料理をいただけます。夜は23時まで営業されていて、夜遅めの食事にも対応。京都大学などの学生を中心に、近隣のビジネスパーソンにも人気のお店となっています。時刻は21時、早速店内へ入ってみましょう。
「龍門 百万遍店」の居抜き店舗ながら内装は一新されていて清潔感がアップされた店内。訪問した当日は若いビジネスパーソンの男女が食事を楽しまれていました。こちらは大将以下、従業員の方は皆さん中国の方のようで、厨房付近では中国語が飛び交っています。が、接客は日本人と見紛うほど上手な日本語。この勉強熱心さが中国の方の強みであり、昔から華僑という海外で活躍する中国人の例もあるように、現在中国のビジネスパーソンが世界を席巻できている理由がわかるような気がしました。日本人はシャイなところもあってなかなか世界へ羽ばたけず、グローバル化が遅れているため、政治でもビジネスでも成長しきれていない課題があります。もっとも、グローバル化が必ずしも良いことだらけとは言い切れない面もあり、難しい問題ではあるのですが。とにかく、まずはメニューを確認してみましょう。本場中国の方のお店はインドやネパールのお店同様、メニュー数が異様に多いのでご覚悟を。
一品料理を2種類ほど注文する予定だったのですが、夜限定の5種類の定食メニューに心惹かれます。どれも¥1,000未満というリーズナブルさもうれしい。しかもおそらくは学生向けメニューなのでしょう、激辛料理はなさそうで管理人にもうってつけ。食べてみて少し物足りないボリュームであれば麺類か点心を追加すればいいかなと考え、まずは「マトンと白ネキ定食(葱爆羊肉定食)」¥900を注文してみました。
「マトンと白ネキ定食(葱爆羊肉定食)」が到着。大量のマトンに驚かされます。京都では北海道で有名なジンギスカンぐらいでしか馴染みのないマトンですが、マトンやラムなどの羊肉は世界基準ではかなりポピュラーな肉。中国や東南アジア諸国はもちろん、オーストラリアやインド、ヨーロッパなどで頻繁に食べられています。マトンは老成した羊肉を指し、少しだけクセのある風味と旨味が強い味わいが特徴で、今後はもっと一般に普及するのではないでしょうか。まずはスープをひとすすり。やさしい味の青湯スープで、ギリギリの塩味が体の中にス〜ッと入っていきます。ゴマドレッシングがかかった野菜サラダも春巻も申し分のないおいしさ。ザーサイは本格的な味わいで心地いいピリ辛を楽しめます。ではメインの葱爆羊肉をいただきましょう。
見た目以上にアッサリとした味付けで、塩ダレにゴマ油、隠し味程度の醤油といった感じ。このアッサリめのタレが、ネギの甘みとマトンの旨味を存分に引き出しています。ほのかに感じるピリ辛も絶妙。四川料理には濃厚な味付けの料理も少なくないのですが、これが四川の家庭の味なのかな?と思う、日本人にも受け入れられやすいおいしさです。そしてご飯にもよく合うでしょうし、ビールのツマミにも最適でしょう。これだけのボリュームで¥900はかなりお得。こちらの定食を完食するとお腹も満足し、追加注文をすることもありませんでした。デザートの杏仁豆腐まで付いている夜限定の定食メニューは、特にお一人様にはイチオシです。百万遍や白川今出川近辺に来られた際には、お手頃価格な本格四川料理を試されてみてはいかがでしょうか。
[2020年10月27日訪問]
四川料理 爍豊
●住所…京都市左京区吉田本町27-4(Google マップ)
●TEL…075-708-5582
●定休日…日曜日
●備考…禁煙
●ホームページ…なし
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