本場の料理人が作る日本人好みの味の町中華店

中華編
スポンサーリンク

祥和軒

たま〜に“中華料理は大陸(中国本土)のお店より日本の方がおいしい”と言う声を聞きます。日本の中華料理店はいい意味でも悪い意味でも日本人好みに味付けされている場合が多く、日本人である管理人も賛同しないワケではありません。ただ、例えば外国人に“SUSHIはニッポンよりマイ母国の方がおいしいネ!Yahhhh!!”とか言われると何となく気分が悪い。外国で寿司店を経営するのならば当然、現地人の味付けに寄せるのが常道であり、日本人から見てトンデモナイ寿司が人気だったりするのだろうと思います。やはり中華であれ和食であれフレンチであれ、本場の味には一定の敬意と理解が必要です。そして料理人はその土地で受け入れられる味を模索し続けないと、おそらく勝負にすらなりません。特に日本の中華料理店は中国の料理人が経営されている場合も少なくなく、“こんなの我が国の料理にはナイんだけど…”と戸惑いながら冷やし中華などを提供されているのでしょう。日本の中華の人気店では中国人シェフが腕を振るっていることも多く、随分苦労されたんだろうなぁと感心することもしばしば。そこで今回は、中国のご出身ながら、見事に日本的な中華料理を提供しているお店をREPORTしてみました。

千本通丸太町通の交差点(千本丸太町)を南へ200mほど行ったところにある中華料理店「祥和軒(しょうわけん)」。来年2021年(令和3年)2月で4周年を迎えられます。昼も夜もリーズナブルで、昼は定食類がメインの日本的なメニューが受け入れられ、お客さんで賑わうお店となりました。夜は中華バルのような雰囲気となり、これも仕事帰りに1杯の日本人にとってはありがたいお店ではないでしょうか。時刻は13:40、まずは店頭のメニューを確認してみましょう。

ランチメニューは14種類の定食から選ぶスタイルです。定食類はどれも¥1,000前後でいただけるリーズナブルさで、地元の方や近隣のビジネスパーソンも利用しやすい価格設定となっています。そしてメニューを見てもおわかりのように、日本人の好む中華料理がほとんど。酢豚にせよ麻婆豆腐にせよエビチリにせよ、日本の町中華そのものである反面、本場らしさは感じられません。その分、日本人でも安心して注文できます。久しぶりに酢豚を食べたくなったこともあり、「黒酢の酢豚定食」¥980とプラス¥500のサイドメニュー「海鮮春巻き(2本)」に決め、店内へ向かいました。

何となく中国っぽい調度品は目につくものの、店内もいたって普通の町中華店です。しかし、実は夜の一品メニューでは「ラム肉のクミン炒め」など本場らしさ全開の料理も見受けられます。こちらは中国人ご夫婦で切り盛りされており、接客担当の奥様は日本語ダイジョウブ的な感じなのですが、調理担当のご主人は日本語ワカラナイ的な感じだそうです。ご主人と奥様の会話はもちろん中国語であり、会話を聞きながら“そう言えばちょっと前まで中国からたくさん観光客が来ていたなぁ…”となつかしく感じました。あれほど中国語の会話が響き渡っていたヨドバシカメラ マルチメディア梅田でも、今は中国語などの外国語をほとんど聞くことがありません。そんな感慨にふけりながら奥様に「黒酢の酢豚定食」と「海鮮春巻き(2本)」を注文します。

¥980とは思えないボリューミーな「黒酢の酢豚定食」です。メインは黒酢酢豚で、副菜が油淋鶏という肉々しい構成。どちらも4番打者を張れるだけの実力者です。卵スープは本場らしい味わいで身体が温まります。漬物がザーサイなのもうれしい。中華定食の漬物はザーサイです。タクアンやキムチ、ピクルスなどは別の職場で頑張っていただくとして、中華定食の漬物はザーサイという法律を制定していただきたい。もし当ブログを読まれた国会議員ご本人もしくは関係者の方は早急に法案を策定し、国会に提出してください。では黒酢酢豚をいただきましょう。

トロットロの黒酢ソースをまとった酢豚がおいしい。濃いめの味わいがご飯にピッタリです。とは言え本場の中華料理でよく出くわす黒酢のクセのようなものは一切なく、とても食べやすい味となっています。個人的な意見ですが、酢豚は黒酢です。豚肉や野菜の旨味を引き出し、コクを増強させる黒酢こそ酢豚にふさわしい。一般的な穀物酢や米酢も悪くはないのですが、黒酢の味を知ってしまうと、ちょっと頼りなく感じます。こちらの黒酢はおそらく日本の黒酢なのでしょう、中国のクセのある黒酢でない分、万人に受け入れられやすい黒酢酢豚を楽しむことができます。

そして「海鮮春巻き(2本)」です。これは予想に反して白身魚やホタテなどをすりつぶした、カマボコのようなものが具となっています。口に入れた瞬間、海鮮の風味が香る味わい。おいしいのは間違いないものの、春巻好きとしてはハルサメやニラなどが入ってほしかった。この海鮮すり身だけだと、どうしても単調な味わいになってしまいます。もっとも、管理人が日本の春巻に慣れ過ぎたための感想なのかも知れませんので、皆さんの舌でもぜひ味わっていただきたいと思います。とにかく全体を通して、日本人好みの味付けをされた中華料理をリーズナブルにいただけるハズレなしのお店です。千本丸太町近辺に立ち寄られた際には、ぜひこちらの中華料理をお試しください。

[2020年12月13日訪問]

祥和軒
●住所…京都市中京区聚楽廻東町20-6(Google マップ
●TEL…075-813-1577
●定休日…第2・第4火曜日
●備考…禁煙(?)
●ホームページ…なし
※詳細は食べログ「祥和軒」で検索してください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました