清水港の天然マグロにこだわるマグロ丼専門店

和食編
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京 笑びす家

刺身や握り寿司で欠かせない海鮮と言えばマグロです。最近でこそサーモンが幅を効かせていますが、管理人のような昭和のオッサンにとっては、マグロがあってこその刺身盛り合わせであり握り寿司です。マグロのない刺身盛り合わせや握り寿司はちょっと考えられません。とは言えマグロは種類にもよりますがおおむね高級魚のイメージがあって、なかなか手が出ないのも事実でしょう。その上、内陸地である京都市は特に新鮮なマグロはお高い。京都市民にとっては新鮮なマグロを手軽にお腹いっぱい食べるためには、マグロの水揚げ高が多い漁港にでも行くしか方法がありません。と、いうこれまでの常識を覆すお店が2019年(令和元年)11月、烏丸丸太町にオープンしていました。

烏丸通丸太町通の交差点(烏丸丸太町)を南へ300mほど行き、夷川通を東へ230mほど行ったところにあるマグロ丼専門店「京 笑びす家(きょう えびすや)」。夷川通家具の街としても有名なオフィス街で、カフェをはじめとする飲食店の名店が多く存在します。こちらは11時から18時までの通し営業で、平日はビジネスパーソンがランチによく利用されているようです。管理人も以前からたびたび店頭を通っていて未訪問ながらチェックはしていました。幸い土日も営業されていて、しかも昼の遅い時刻でも利用できることもあり、今回初めて訪問してみることに。まずは店頭のメニューを確認してみましょう。

マグロ丼にこだわったお店です。マグロ丼のセットでうどんやにゅう麺、和風ラーメン、カレーうどんなども用意されているようですが、基本マグロ丼ありきのメニュー構成であることがわかります。しかも“静岡 清水港直送 天然マグロ”と書かれていて期待できます。静岡県の清水市(現在は静岡市清水区)はサッカーちびまる子ちゃんでおなじみですが、清水港日本一のマグロ水揚げ量を誇るマグロ大国。一説には日本で消費されるマグロのほぼ半数が清水港から全国各地へ運ばれているのだとか。そんなマグロの一大拠点から直送されるのですから新鮮に違いありません。しかも「まぐろ赤身漬け丼」「まぐろ二種盛り丼」「ねぎトロ丼」3種類のマグロ丼すべて並盛で¥1,000と驚くほどリーズナブル!京都市にもこんなお店ができたのか…と涙を流しながら時刻は14:10、早速店内へ入ってみましょう。

オープン約1年半だけあって清潔な店内。ソーシャルディスタンスも保たれている座席間の広さも安心です。壁に相対するカウンター席もあり、お一人様でも利用しやすそう。訪問時も若い女性のお一人様のお客さんがカウンター席を利用されているだけでなく、すぐ近くにオシャレなカフェが点在しているにも関わらず男性客より女性客の方が多く驚きました。さて、メニューですが3種類のマグロ丼の中から「ねぎトロ丼(並盛)」を注文します。現在、“ねぎトロ”にはさまざまなスタイルがあるので一概には説明できないのですが、本来はマグロの骨の周りの身をこそげ取ったものを指すのが一般的。すき身や中落ちと呼ばれる骨の周りの身は脂肪分が高く、腹身のトロの味わいに似ていることからトロの名前が付けられているのでしょう。“ねぎトロ”のネギは薬味のことではなく、骨の周りの包丁では取りにくい身を“ねぎ取る”から“ねぎトロ”と呼ばれたのが始まりです。“ねぎトロ”と呼ばれるものの中でも、すき身や中落ちが最上級で、赤身の切れ端などに植物油を添加してペースト状にした粗悪なものもありますので、信頼できるお店でもない限り“ねぎトロ”は注文しない方が無難だと思います。

「ねぎトロ丼(並盛)」が到着しました。みそ汁やほうれん草とシメジのお浸しの小鉢もついて¥1,000はかなりリーズナブルです。こちらのねぎトロは薬味のネギとノリ、ワサビが付いていて、ねぎトロ自体に既に味付けされています。ただ、丼タレも提供されますので味見をして自由に丼タレで調整してもいいでしょう。見た目から推測するにミナミマグロやビンチョウマグロなどホンマグロに比べれば安価なマグロのすき身や中落ちを使われていて信頼できそう。実は注文から提供時間まで25分近くかかっていて、最初は“オーダーが通っていないのでは?”と疑心暗鬼となっていたのですが、このねぎトロを見る限りおそらく身を取るのに時間がかかっていたものと推察されます。以前とある市場で魚屋さんがねぎトロを作っているところを見たことがあり、その時はマグロの骨の身にスプーンを当てながら丁寧に時間をかけて削り取られていたので、多分こちらでも同様の方法でねぎトロにされているのでしょう。その労力に感謝しつついただきます。

絶品です。ねぎトロは脂肪分が多いため酸化しやすいのですが、臭みなどはまったく感じられずマグロの脂の甘みを存分に堪能できます。ネットリとしたねぎトロの味わいは濃厚で、丼タレをチョイ足ししてベストな味に仕上げました。ご飯も薄味の冷たい酢飯でねぎトロの味をジャマすることなく、酢飯のご飯の甘みも際立っています。ただ、あくまで個人的な感想で言えば、薬味のネギは不要かも知れません。刻みノリとワサビだけの方がねぎトロの味をより楽しめるようにも感じました。しかしさすがはマグロ丼専門店です。ここまでのねぎトロ丼は京都市内ではなかなかいただけないと思います。京都市内で新鮮なマグロを食べたい場合は、ぜひこちらまで足を運んでみられてはいかがでしょうか。管理人としては、それなりの価格になっても全然OKですので、こちらで中トロや大トロもいただければと願っています。

[2021年2月27日訪問]

京 笑びす家
●住所…京都市中京区山中町552(Google マップ
●TEL…090-8480-0968
●定休日…水曜日
●備考…禁煙
●ホームページ…twitter

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