手軽ながら本格的なランチを味わえるイタリアン

洋食編
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IL SUOLO(イル スオーロ)

京都市内にもイタリアンのお店が多く営業されています。管理人が幼児の頃、およそ40年以上前には、ほんの数軒しかなかったのに。調べたワケではないものの、体感的にはフレンチのお店より断然多く、ヘタをすると町中華のお店と変わらないぐらいあるのでは?というぐらい多い印象です。ただ、特に管理人のようなオッサン世代では、これだけイタリアンが普及しているにも関わらず、いまだに“イタリアン=スパゲティかピザの2択”と思っている方がいらっしゃるのではないでしょうか。それはちょっとモッタイナイですよ、とコッソリと教えたい。確かにスパゲティ(パスタ)もピザ(ピッツァ)もイタリアを代表する料理ですが、だからといってイタリアンが西洋版コナモン店という認識は大間違い。それは完全に昭和の発想です。肉料理も魚介料理も野菜料理もフレンチに匹敵するクオリティ、というか、現代のフランス料理の源流はイタリア料理(正確には北イタリア料理)ですから、サイゼリアなどに行かれる場合もパスタやピッツァだけでなく一品料理を召しあがっていただきたいと思います。そこで今回は、オッサンでもお一人様で気軽にリーズナブルな価格でイタリアンランチを楽しめるお店へ伺いました。

西大路通丸太町通の交差点(円町)を南へ340mほど行き、新二条通(太子道)を西へ500mほど行ったところにあるイタリア料理店「IL SUOLO(イル スオーロ)」。こちらは2019年(令和元年)8月にオープンされたお店で、お昼どきなどは多くのお客さんで賑わう人気店です。管理人は近くに用事があるため定期的にお店の前を通っていてオープン当初からチェックしていたのですが、タイミング的になかなか訪問できませんでした。たまたま用事が11:30で終わり、混み合うであろう12時を避けて入店できそうだったため、今回訪問してみようと思ったワケです。時刻は11:45、まずは店頭および店内入ってすぐのメニューを御覧ください。

この日の手軽なランチメニューはパスタ3種類と肉料理1種類。ディナーメニューには前菜(アンティパスト)も含めて多くの一品料理が用意されています。ランチで肉料理があるのはうれしい。しかもランチの全メニューに前菜とフォカッチャ付き。フォカッチャとはイタリアを代表するパンの1種で、一説にはローマ時代から食されてきた由緒正しきパンであり、ピッツアの原型になったとも言われています。おいしそうなパスタが並びますが、今回はイタリアンの一品料理がテーマですので、ランチセットの「養老豚肩ロース レモンバターのソース」¥1,800に決めて店内へ入ります。

明るくカジュアルながら上品な雰囲気で、カウンター席も充実しており、お一人様でも気軽に利用できそうです。実際、管理人が入店した際、2名の女性のお一人様がカウンター席で料理を待っていらっしゃいました。落ち着いた店内ですので、管理人のような男性のお一人様でも全然大丈夫。ただ、12時に近づくにつれてお客さんが入って来られ、予約のお客さんも少なくなかったため、12時〜13時のピークタイムは避けた方がいいかも知れません。飲む方なら夜もオススメ。管理人はワイン(アルコール類全般)を飲めないため、夜にひとりでイタリアンやビストロへは訪問できません。あくまで個人的な意見ですが夜のイタリアンやビストロでは、やはりワインなりビールなり、なにかしらのアルコール類と食事を楽しむのが大人、特に男性客のマナーだと思うのです。飲める方は飲める特権として、夜のイタリアンやビストロではワインと料理のマリアージュをぜひご堪能ください。ではランチセットの「養老豚肩ロース レモンバターのソース」を注文して待ちましょう。

ランチセットの前菜(アンティパスト)が到着。前菜とは思えないボリューム感もカジュアルイタリアンの特徴です。野菜・肉・魚がバランスよく配された8種類ほどの前菜に心も踊ります。どの料理も丁寧に調理されていて、味も一級品。女性が好きな料理がイタリアンなのもうなずけます。フレンチよりも軽やかで素材の味が活かされていて、オリーブオイルで健康的なのも高ポイントではないでしょうか。色とりどりの野菜がおいしいのも見逃せません。満足感があってヘルシー、しかもオイシーとくれば、実はオッサンこそ食べるべきだと強く感じました。

そして「養老豚肩ロース レモンバターのソース」です。数日前にスーパーで養老豚の切り落としが売られていて、興味本位で購入し食べてみて、かなりおいしかったので覚えていました。養老豚(養老山麓豚)岐阜県を代表するブランドポークだそうで、ブランドポークとしてはそこまで高価ではないものの、肉の旨味と脂の甘みがスゴいという印象で、他のブランドポークにも負けていません。こちらの料理は養老豚をじっくりとグリルされていて、サーモンピンクの断面が素晴らしい仕上がりとなっています。さすがはプロの技術ですね。早速いただきましょう。

豚肩ロースとは思えない柔らかできめ細やかな肉質に、キノコやバジルなどがアクセントとなっているレモンバターソースが抜群の相性です。レモンの爽やかさとバターのコクのバランスがちょうどよく、養老豚の旨味をしっかりと味わえる逸品。トンテキのような濃厚なソースではない分、養老豚の味が際立っています。相当に贅沢な味わいを楽しむことができました。

フォカッチャもフカフカで養老豚のグリルともよく合います。残ったソースをフォカッチャで拭って食べるのも堪えられません。“皿に残ったソースをパンで拭って食べる”行為は、少なくとも余程の高級店や貴賓との会食の場でもない限り問題ありません。いや、むしろ料理人への敬意を表すのであれば、料理人が丹精を込めて作ったソースを一滴も残さず食べることこそ正しい作法ではないでしょうか。実は本場フランス人の間でも賛否が分かれるものの、カジュアルレストランでNGという意見は聞いたことがありません。一般人も利用するお店であればOKだと管理人的には考えていますが、もし“それはマズいよ”というレストランの方がいらっしゃいましたら正装で食事に伺いますので、ぜひご一報ください。ともかく、この前菜のクオリティと豚グリル、フォカッチャのおいしさで¥1,800は絶対にお得で贅沢感を満喫できます。お近くまでお越しの際には、一度試してみられてはいかがでしょうか。

[2021年6月5日訪問]

IL SUOLO(イル スオーロ)
●住所…京都市中京区西ノ京小堀池町2(Google マップ
●TEL…075-354-6373
●定休日…水曜日および不定休
●備考…禁煙
●ホームページ…Instagram

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